鹿児島県出水(いずみ)市に鎮座する箱崎八幡宮は、鎌倉時代に創建された長い歴史をもつ神社。境内には多数のツルや、日本一の大鈴をはじめとした鈴がたくさん。非常にユニークな神社です。
島津氏に縁のある神社
箱崎八幡神社は、島津家の始祖である鎌倉時代の武将・島津忠久が建立したとされる神社。かつて筑前博多の沖で難破しそうになった際に、筥崎宮に祈ったところ無事に着船できたことから勧請したと伝えられています。
また、島津忠久の孫にあたる3代当主・島津久経であるという説も伝わっています。元寇に対して出陣した際、筥崎宮に参拝して殊勲を立てたことからここ薩州出水郷と、隅州吉松郷の2ヶ所に勧請して国境の守護神としたとの説もあるそう。
いずれにしても、鎌倉時代の武将「島津氏」と福岡で信仰されている「筥崎宮」に関連が深い神社であることは間違いなさそうです。
・応神天皇(オウジンテンノウ)
・神功皇后(ジングウコウゴウ)
・武内宿禰(タケノウチノスクネ)
境内にはツルがたくさん
そんな箱崎八幡宮、ユニークなポイントが多数あります。まず神門の手前にかまえるのは、狛犬ではなく大きなツル。顔の模様からマナヅルと思われるこのツル、大人の身長よりもずっと大きいです。
ここ出水市は、ツルが飛来する場所としても知られています。毎年冬になると1万羽を越えるツルが渡来し、冬を越しているそう。境内にはそんなツルの模型がずらり。ナベヅル、カナダヅル、クロヅル、マナヅル、タンチョウヅルと5種類が勢揃いです。
ツルを抱えた神様の像も建立されています。「鶴神様(つるかんさぁ)」と書かれたこの神様は、御祭神である武内宿禰であるそう。
日本一の大鈴
先ほどのツルの間を通り抜けると、見えてくる神門。一見すると2階建ての楼門のようですが、ちょっとアンバランスに見えます。実はこの門の上部には、日本一といわれる巨大な鈴が納められています。
無理やりはめ込んたかのようなアンバランスにも見えるこの大鈴は、「成せば成(鳴)る 大願成就の大鈴」。高さ4m・直径3.4m・重さ5トンという大きさで、総金箔張りが鈍く輝きます。よく見ると、鶴の親子の舞いの浮き彫りも刻まれています。
この鈴は伊勢神宮鎮座2000年、平成天皇御即位10年、神社本庁設立50年を記念して平成10年に建立されました。ところでこの鈴、音は鳴るのでしょうかね。
さらに進むと、「なせばなる通り門」という、願いを込めて通り抜ける鈴も。こんな狭いところ通れるかなと思ったのですが、案外スルッと通ることができました。肩さえ入ればなんとかなりそうです。
日本一小さい鈴も
こちらの巨大な鈴は寶物鈴殿、神社は参拝自由ですが、ここの開館時間は9:00〜17:00と決まっているのでご注意を。
内部は一部屋だけの小さな展示室。木でできた神楽面、木板に描かれた三十六歌仙がずらり。いずれも古来より神社に所蔵されていたものであるそう。
そしてこちらが日本一小さな鈴!
よくわかりません!
直径2mmという小ささ、砂粒にしか見えません。仮に部屋に落ちていても、拾い上げることすら無さそうです。
設置された虫眼鏡でなんとか鈴としたの輪郭を確認できました。ところで、この鈴は音は鳴るのでしょうかね?
先ほどの鶴神様のそばには日本で2番目に小さな鈴も展示されています。「金鈴どん・銀鈴さん」という名が付けられたこちらは、肉眼でも鈴のカタチが確認できました。
神使はツルではない?
神使(しんし)というのは神の使いとされる動物のこと。春日明神のシカや稲荷神社のキツネなど、多くの神社では境内に神使が祀られています。
鈴とツルをたくさん見ることができる神社であったので、この箱崎八幡宮の神使は当然ツル・・・・ではなく、この八幡神社の神使はハト。
拝殿にもハトの彫刻があり、おみくじも「八幡鳩みくじ」とハトのかたちに折られたかわいらしいもの。「鳩は八幡様のお使いです」とも書かれています。
なお、拝殿の彫刻をよく見ると、破風の部分にツルの姿も。鈴を持った非常に優雅な姿で美しく描かれています。
アクセスと営業情報
JR九州および肥薩おれんじ鉄道の出水駅より徒歩30分ほど。もしくは西出水駅から徒歩15分ほど。
出水駅からはバスが出ており、約5分ほどのバス停「八幡神社東」から徒歩3分ほどで参道が見えてきます。
参拝時間 | 境内自由 ※寶物鈴殿は9:00~17:00 |
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公式サイト | https://www.kagojinjacho.or.jp/shrine-search/area-hokusatsu/%E5%87%BA%E6%B0%B4%E5%B8%82/1010/ |
※掲載の情報は2023年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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