古墳から上毛かるたまで『群馬県立歴史博物館』(高崎市)

群馬県

古代から多くの人が暮らしてきた群馬、その歴史を体感できるのがこちらのミュージアム。ジオラマや映像コンテンツも多く、とっつきやすい博物館です。「国宝展示室」に並ぶ太古の品々は必見です!

訪問日:2024/7/15(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

森の中の歴史ミュージアム

広大な敷地を持つ都市公園、群馬の森。その園内にて、近代美術館と隣り合うように建つのが群馬県立歴史博物館。モダンなガラス張りの外観が印象的な建築。日本国内の優秀な建築が選ばれるBCS賞も受賞しています。

館内では常設展と企画展を開催。チケットは常設展のみか、常設展と企画展セットかのいずれかから選ぶことができます。

常設展では、原始、古代、中世、近世、近現代と時代ごとの展示が続きます。ジオラマやレプリカを交えた立体的な展示が多く、さらに映像などのデジタルコンテンツも多数。知識が無くても楽しめるタイプのミュージアムです。

ときおり現れるイラスト付きの解説がとってもわかりやすく、大人も子供も楽しめる歴史博物館。11:00と14:00には、展示の解説も行われるそうです。

歴史を感じる様々な展示

目を引くのは人形土器。弥生時代後期のもので、渋川市の有馬遺跡から出土したものであるそう。ユニークなポージングと表情がインパクトありますね!

こちらの石碑は上野三碑(こうずけ さんぴ)のレプリカ。山上碑、多胡碑、金井沢碑からなる3つの石碑で、それぞれ異なる内容が刻まれていました。高崎には実物が保存されており、気軽にめぐることもできますよ!(詳しくはコチラの記事にて)

長辺4m程に広がるのは倉賀野宿・河岸の復元模型。ずらりと並ぶ宿場町が再現されており、圧巻です。利根川沿いには河岸と呼ばれる船着き場があり、江戸との物流が行われていたそう。水陸交通の要所であり、活気がみなぎる様子が伝わってきます。

ちなみに、江戸まで下った舟は帰りどうするかというと、帆を張り風の力で川を遡って帰ってくることができたそうです。すごい操船技術ですね・・・!

近現代の群馬県

ときは進み、近現代へ。廃藩置県が行われ、「群馬県」ができあがる頃、後に世界遺産にも指定される富岡製糸場が設置されます。こちらはそんな富岡製糸場の模型

明治政府が欧米に追いつくために力を入れた殖産興業。その一環として造られたのがこの富岡製糸場。展示室には、その歴史や仕組みなどがびっしりと解説されています。「技術指導を行うフランス人の赤ワインが血と勘違いされ、生き血をとられるというウワサが流れた」なんていうエピソードも。

こちらは昭和30年代〜40年代の暮らしが再現された食卓。ちゃぶ台の上には焼き鮭とお豆腐。ブラウン管テレビも実際に映像が流れています。もしかしたら懐かしく感じる方もいるかもしれませんね。

こ、これは上毛かるただ!!

群馬県の歴史や自然、産業などが読み札となっており、群馬県民なら誰もが覚えているという御当地かるた。個人的には「ちからあわせる200万」が好きですが、この札は人口に合わせて数字が変化するのがポイント。考案された1947年当初は160万でしたが、その後人口に合わせて読み札も変化していきます。(※今では190万になっているという情報も)

国宝の古墳出土品

この博物館の最大の見どころと呼べるのが、展示室の入口に広がる国宝展示室。そこには綿貫観音山古墳からの出土品がずらりと並んでいます。

綿貫観音山古墳というのは、墳丘長97m、後円部の高さ9.6mの前方後円墳。盗掘を免れていたため、1968年に発掘調査が行われた際に数多くの副葬品や埴輪が発見されます。2020年にその出土品がすべて国宝に指定されたという、とんでもない古墳なのです。

こちらの突起付冑、日本ではほとんど見つかっていませんが、朝鮮半島では似たような形のものが多く見つかっているという冑(かぶと)。他にも中国や朝鮮半島の国にゆかりのある水瓶や鏡、太刀などの品々が見つかり、交易があったことを示唆しています。埋葬者は倭の国の外交政策に関わっており、国際色豊かな品々を入手していたと考えらえているそうです。

埴輪たちも見ごたえ抜群。家形埴輪や人形埴輪など、様々な姿を象った埴輪がずらりと並んでいます。

注目は、中央に置かれた3人組の埴輪。「三人童女」と呼ばれるこちらは、他では類を見ない珍しいデザイン。手を前に合わせた様子がなんともかわいらしい姿です。一説によると、何か膝の上に楽器があったのではとも考えられているそうです。

左右の子の顔はパーツをつなぎ合わせた跡が見えますが、真ん中の子だけ妙に顔がキレイ。実はこの子だけ顔が見つかっておらず、複製されたそうです。また、背面を見ると3人とも背中に丸いものが象られています。これは、鏡ではないかといわれています。

さぁ、綿貫観音山古墳が気になってきませんか?

実は群馬の森の北入口から600mほどと、この博物館のすぐ近くにあります。ということで、実物を見に行ってみることにします!続きは次回。

アクセスと営業情報

開館時間 9:30~17:00
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金 常設展:300円
公式サイト https://grekisi.pref.gunma.jp/

※掲載の情報は2024年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

  1. […] […]

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