螺旋階段を登って色鮮やかな洞窟へ『不二洞』 (上野村)

群馬県

インパクトある螺旋階段を登って洞窟探検へ!カラフルなライトで彩られた鍾乳洞は異世界に来たような非日常感。仏教とも深く関わりがあり、かつては修行の場でもありました。

営業時間:9:00〜16:30
料金:800円
訪問日:2019/08/10(土)

不二洞へのアクセス

不二洞があるのは群馬県山間部の上野村。上野スカイブリッジのお隣にあり、駐車場も共有です。

不二洞1

こちらの受付で入場チケットを購入。トイレはこの先には無いので、ここで済ませるように案内されます。

不二洞2
鍾乳洞の入口までは、徒歩ルート。5分ほどですが、ずっと登り坂なのでけっこう脚にきます。準備体操でアキレス腱はしっかり伸ばしておいた方が良さそう。

また、受付以降は自販機などはありません。夏場はけっこうノドが乾くので、飲み物は持参がおすすめ。

不二洞3

入口の扉をくぐると、コンクリートのエントランスホール。写真ではわかりづらいのですが、ここもやっぱり登り坂なのです。
救いなのは、中に入るとまるでクーラーがガンガンに効いているかのように冷んやりしているところ。鍾乳洞内部は、年間を通して11℃と一定。今日みたいに暑い日には気持ち良い温度です。

最初に登場する螺旋階段

不二洞螺旋階段
洞窟に入った来場者をまず最初に待ち受けているのはオレンジ色の螺旋階段。これをぐるぐると登っていきます。

不二洞螺旋階段2

ここまでずっと登り坂でしたが、入洞してからもまだ続く登り。いったいどこまで登るのでしょうか。
鍾乳洞って地下に潜って行くイメージでしたが不二洞があるのは大福寿山の中腹。登ってアクセスするタイプの鍾乳洞です。

登りきったポイントから見下ろす螺旋階段。薄暗い洞窟の中に苔をまとってそびえる姿は、どこか廃墟マニアにも刺さりそうな風貌です。

不二洞螺旋階段3

カラフルな地中世界

不二洞5
鍾乳洞内部はかなり広い空間。カラー照明で演出されたアンダーグラウンドの世界を前に、まるで異世界に迷いこんだような気持ちに。立体的に配置された歩道を見ていると、なんだかわくわくしてきます。

不二洞6

ときには頭をぶつけそうになるほど天井が低い場所や、足元に水が溜まっている箇所も多くあります。念のため、多少汚れても良い服&靴が良いです。

コウモリグアノ

こちらはコウモリグアノ(※グアノ=生物の死骸やフンなどが堆積して化石となったもの)
このフェンスに囲われた黒いものは、何万年も昔から堆積しているコウモリの排出物。不二洞内部には現在も多数のコウモリが暮らしており、洞内を進んでいるときに見かける人も多いそう。

空穴

入口から見て最奥にある空穴。縦に広い空間の天井を見上げると、小さな穴がぽっかり空いています。地上からの光が降り注いでおり、とても神秘的。
この空間では、ヒグマの骨も見つかっているそう。現在は北海道にしか生息していない生物ですが、かつてはこの地にも暮らしていことがわかっているそう。

ユニークな鍾乳石

鍾乳洞の楽しみといえば、鍾乳石に付けられた名前。不思議な形をした石柱にはその鍾乳洞ならではのオリジナリティあふれるネーミングがされています。この不二洞の鍾乳石の多くは仏教思想に基づいているものがほとんど。

『脱衣所』
脱衣所
浴室があるのかなと思いきや、脱衣婆に衣服をとられてしまう場所。その対岸には三途の川があります。

『閻魔の金剛杖』
閻魔の金剛杖
この杖を7度さわって願い事を唱えると叶うそう。触られすぎてつるっつるになっています。

『五百羅漢』
五百羅漢
たくさん並ぶ石筍(※下から生えている鍾乳石)が、まるで無数の羅漢様のようとのことで、五百羅漢と名付けられています。

ちなみに鍾乳石のネームプレート、白地で下部に深緑のラインが入っているため、JR東日本の駅名に見えませんか?

仏教との深い関係

なぜ、こんなに仏教にまつわるネーミングばかりなのか、鍾乳洞の歴史を見てみると、仏教と深い関係があることがわかります。

今から約400年前、初めて洞窟内部の探検に成功したのが、藤原山吉祥寺の安宗(あんそう)というお坊さん。
安宗はこの洞窟を修行の場として整備し、その際に鍾乳洞各所に仏教にちなんだ名前を付けたそう。

こちらは悦巌(えつがん)上人の入定の地

悦巌(えつがん)上人の入定の地
300年ほど前に疫病が流行した際、お経を書いた石を奉納し、自らも入定していたそう。実際にお経が刻まれた石とともに、悦巌上人のものと考えられる遺骨も発見されたそうです。

※入定(にゅうじょう)=食事など、生きていくための行いを全て断ち、永遠の瞑想に入る究極の修行のこと。

この不二洞、発見されたきっかけが猿が集まっていたことによるため、最初は『庚申の穴』と呼ばれていました。
前述の安宗が仏教修行の場とした際、鍾乳洞のある大福寿山にちなんで『大福寿穴』という名称へと変更します。
その後、悦巌上人入定の際に『不二洞』という名に改名したそう。
2回も名前が変わった鍾乳洞というのも珍しいですが、そのどちらも仏教に関わっています。現在は観光スポットとして有名な場所ですが、仏教との関係の深さはその名前にも現れているのでした。


入洞してから約40分ほどで出口に到着。ここから駐車場まではやっぱり歩きます。不二洞へ行くときは、歩きやすい服装、靴がおすすめです。

出口

コメント

  1. […] […]

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