廃校となった小学校の木造校舎に広がるのは絵本の世界。カラフルでスケールの大きい展示作品を前に、一瞬でその世界に引き込まれます。校内のあちこちには「学校オバケ」も隠れているのでご注意くださいね!
廃校利用のミュージアム
新潟県の十日町市にある絵本と木の実の美術館。この外観でお気づきの方も多いかと思いますが、こちらは廃校利用の美術館。2005年3月を持って廃校となった十日町市立真田小学校をリノベーションして造られました。
新潟県妻有地方にて開催されるアートフェスティバル「大地の芸術祭」の作品であり、2009年の第4回にて誕生。その後も常設展示されているため、芸術祭期間以外に訪れてもその世界を体験することができます。
屋外スペースにはブランコを使った看板も。こちらは彫刻家・中里繪魯洲さんによる作品《音遊ブランコ》。他ビオトープが広がっていたり、ヤギの親子がいたりします。
館内に広がるのは、絵本作家の田島征三さんによる絵本世界とのこと。いったいどのような空間となっているのでしょうか。
カラフルな体育館
入り口となっているのは体育館。下駄箱で靴を脱ぐ感覚がもう既にノスタルジック。
中には流木でつくられた作品たちびっしりと並んでいます。カラフルな作品たちはとにかくインパクト抜群。一瞬にして違う世界に来たような気分にさせてくれます。
そんな作品の中、いきなり動き出すものが・・・!手から伸びるワイヤーは天井を経由して屋外へ。どうやって動いているかは、ぜひ現地にてお確かめください。
謎の生物トペラトト
校内を進んでいくと女子更衣室を発見しました!どきどきしながらちょっと覗いてみると、そこには、謎の生命体が・・・!
こちらは『トペラトト』。思い出をたべるオバケで、楽しかった思い出も悲しかった思い出も、どんな思い出も「ちゃらもこちゃらもこ」と食べてしまうそう。
大切な思い出が食べられてしまってはとっても困りますよね!トペラトトが食べた思い出がどうなるか気になる方は、こちらの絵本にてご確認ください。
この絵本の作者は「田島征三×おおたかしずる」。おおたかしずるさんは、この美術館の宣伝部長を務めるシンガー&ボイスアーティスト。Eテレの「にほんごであそぼ」でもおなじみですね。
ユカとユウキとケンタ
教室にもカラフルな流木の人間が3人います。恐ろしいほど元気に挙手する姿から、授業を受けているようです。
さらに次の教室へ進むと、廊下には、おもむろに置かれた自転車。「自転車をこぐとユカとユウキとケンタが太鼓をたたきはじめます。」とのこと。
試しに漕いでみたところ、流木の人間がゆっくりと動き出しました。
ところで、ユカユウキケンタって誰!?先程授業を受けていた3人もユカユウキケンタのようですが、いったい何者でしょうか。
最後の生徒が主人公
その答えはこの黒板にあります。こちらは真田小学校の生徒が残した「最後の落書き」。よく見てみると、そこにはユカ、ユウキ、ケンタの名前が!
彼らは真田小学校の最後の生徒。こちらの美術館はまるごと絵本の世界を表しているとのことでしたが、この3人が主人公なのです。
気になるタイトルは「学校はカラッポにならない」。この絵本は、実際に書籍として販売もされています。事前に読んでから訪問すると、このミュージアムをフルで楽しめるかもしれません。
ちなみに、古い校舎を進んでいる中で突然あらわれる学校オバケは、ちょっぴりホラー。写真だけ見てもそんなに怖さは感じないかもしれませんが、校内を進んでいるうちにすっかり童心に返っているため、子供の頃の未知に対する恐怖心が蘇りました!
アクセスと営業情報
十日町駅から車で約20分、関越自動車道の「塩沢石打IC」または「六日町IC」から約車で50分。
開館期間 | 4月末~11月末 ※冬季閉館 |
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開館時間 | 10:00~17:00 ※10~11月は10:00~16:00 |
休館日 | 火曜、水曜 |
料金 | 800円 |
公式サイト | https://ehontokinomi-museum.jp/ |
※掲載の情報は2023年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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