リアルな川底探検『サケのふるさと千歳水族館』(千歳市)

道央

サケ類を中心とした淡水魚水族館。淡水魚=地味かと思いきや、照明や水槽のデザイン性が高く見ごたえ抜群。実際の川の中を覗くことができる観察窓からは、季節によって様々なサカナが流れていく様子を見ることができます。

2019/2/15(金)

サケ科が主役の淡水魚水族館

サケのふるさと千歳水族館は、千歳市にある淡水魚専門の水族館。新千歳空港からも近いので、到着日や最終日にふらっと立ち寄るのにも適しています。2月の真冬に訪問したところ、雪に埋もれそうになりながらもばっちり営業していました。

淡水魚って海水魚に比べて種類や色味が少なく地味になりがち。でもこの水族館は見ごたえ抜群!デザインされた水槽は雰囲気があります。

高さ5m×幅12mとかなりの大きさの水槽も。シロチョウザメやアムールチョウザメ、立派なニジマスなど大型の淡水魚たちが悠々と泳いでいます。

こちらは、おびだだしい数のサケの稚魚たち。ぶくぶくとした気泡の中をキラキラと泳いでおり、ずっと眺めていられそうな美しさ。

ご当地水槽は『支笏湖』

多くの水族館には、その地域ならではの水槽があります。近隣の河川や海を再現していたり、景勝地のジオラマがあったりと、そのエリアの魅力がつまっています。そんなご当地ならではの水槽を、私は勝手に「ご当地水槽」と呼んでいます。

この千歳水族館のご当地水槽は、千歳市にある支笏湖(しこつこ)。毎年水質日本一となっているクリアな支笏湖の水中が再現されています。

泳いでいるのはキラッキラのヒメマスや、海へ行かず湖で一生を終える陸封型のベニザケ。

支笏湖水槽の隣には、ほぼ原寸大に再現されている苔の洞門。苔が密生しており、青の洞窟ならぬ緑の渓谷となっているスポット。ちなみに実物の苔の洞門は、土砂崩れにより立ち入り禁止となっているそう。

充実の体験コーナー

サカナを実際に触ることができる、ふれあいコーナーもあります。チョウザメやウグイなどが泳いでおり、運が良いと指にぱくっと食いついてくれるそう。ただし水がかなり冷たいので長期戦は厳しいです。

おなじみのドクターフィッシュ。ここのドクターフィッシュはめっちゃアクティブ!手を入れた瞬間この入れ食い具合です。今までたくさんの水族館で体験してきましたが、ここまで食いつかれたのははじめてです!

まさかのザリガニ釣りもできます!幼少期を思い出す、ちょっとノスタルジックな体験コーナー。私の記憶だと、ザリガニって餌には食いつくけどなんだかんだ全然釣り上げられなくて結局は網や罠がないと捕まえられなかった気がします。しかし、ここではザリガニもめっちゃ食いつく!絶対に離してくれません。

気になる生き物

ここでは私が気になった生き物を一部ご紹介します!

大きなモクズガニ。普段は川で暮らしているけど、繁殖するために海に下る習性があるそう。産卵のために川に戻るサケとは逆です。ちなみに繁殖の際、オスは繁殖可能なメスを識別することができないらしく、オスや別のカニに抱きついてしまうことも多いらしい。

北海道にのみ分布するエゾサンショウウオ。くりっとした黒目がかわいらしい両生類です。

サカナだけでなく、鳥であるカイツブリも混じっています。水中に潜ってサカナを捕ることができる鳥で、こちらの水槽ではそんなカイツブリが水中でどのように泳いでいるか見ることができます。

ブラジルに暮らすドット柄の淡水エイポルカドットスティングレイ。バンド名になって一気に知名度が上がりました。青い水槽とのコントラストがとってもきれい。

リアルな川底探検・水中観察ゾーン

薄暗い部屋に並んだ窓、こちらこそが千歳水族館の目玉である水中観察窓。

覗いてみると、そこに広がっているのは千歳川のリアルな川底。エサやりも照明もない、自然のありのままの世界です。ここにはガイドのおじさんが常駐しており、いろいろなことを教えてくれます。

3月には海へ向かうたくさんのサケの稚魚、11月は産卵に訪れるサケの姿を見ることができるそう。他にも、ウグイやブラウントラウトも産卵のため多く訪れるらしい。時期によっていろいろなサカナを見ることができるのですが、2月はほとんどサカナがいません。おそらく、川底的にはオフシーズン。

窓は一か所だけモニターになっており、オフシーズンでも様々な季節の様子を見ることができます。

こちらは、あえて掃除しない窓。通常は2週間に1度行っている掃除をせずに、自然のままの状態を見せてくれます。コケや藻がびっしりした中、よく見るとユスリカの幼虫いっぱい!

繰り広げられる小さなドラマ

唯一見ることができたサカナは、こちらのハナカジカ。ちょうど窓際に寝そべってくれています。

ハナカジカを眺めていると、近くに寄ってきたのはヒゲナガカワトビケラの幼虫。写真には撮れなかったのですが、黒くて3cmくらいのニュルっとした虫です。

カジカが気にしてつっついているのですが、エサとして見ている感じではない。きっとカジカとしては近くにいてほしくない存在なのでしょう。

しきりにつついていたのですが、勢いあまって飲み込んでしまった!
すると、ハナカジカが悶えはじめました。やっぱり幼虫には毒、もしくは嫌な臭いでもあるのかも。

しばらく苦しそうにしていたのですが、なんとか吐き出すことに成功しました。その後もハナカジカはしばらく気持ち悪そう。やっぱりかなり嫌な味がするのでしょう。

サケの産卵に比べたら本当に地味なドラマでしたが、それでも生き物同士のリアルなやりとりを見ることができて、とても面白かったです。

 

お腹が空いたらサーモンパークへ

水族館に食事をするところはありませんが、すぐ隣にある道の駅サーモンパーク千歳では、様々な北海道グルメがそろってます。

スープカリーの「奥芝商店」、うどんと豚丼の「ぶたドゥ」ラーメン「蝦夷麺 四の五の言わず」、ソフトクリームの「ミルキーベル」と4店舗のフードコート、そしてフードコートとは別に、ピザの「ピザドゥ」、ザンギやアジアン料理の「Go coo」の2店舗があります。

ものすごく迷いますが、今日はスープカリーにします!!えび、鶏、鮭の3種類のスープから選べます。せっかくなので、他ではあまり見かけない鮭スープでやわらかチキンカリー。ほろっほろの鶏肉はスプーンで簡単にほぐれます。

アクセスと営業情報

JR千歳駅が最寄り駅で、そこから徒歩15分ほどで到着です。新千歳空港駅からたった2駅なので、空港利用と合わせると良い感じです。

開館時間:9:00~17:00
休館日:年末年始
料金:800円

 


このあとは千歳駅に戻り、JR線で札幌へ。新札幌にて地下鉄東西線に乗り換え、大通で下車。すすきののホテルまで歩いていきます。

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