徳島人の魂「阿波おどり」を体験することができるスポット。年中無休で繰り広げられる阿波おどりの実演は、迫力満点!完全屋内型なので、雨が降っても大丈夫。徳島に来たならゼッタイに行くべき場所です!ゼッタイです!
徳島といえば阿波おどり
徳島駅から徒歩15分ほどのところにある阿波おどり会館。1999年に徳島市によって設置された阿波おどりの魅力がたっぷり詰まった施設です。
2階の阿波おどりホールでは、阿波おどりの実演を開催しているのですが、1年365日毎日公演を行っています。
伝統芸能の公演を行っているスポットは日本各地にありますが、いつ行っても見ることができるのはココくらいではないでしょうか。
上演時間は会館専属連による公演「昼のおどり」が11:00~/14:00~/15:00~/16:00~の4公演。ここに加えて、土曜や祝前日の特定日のみ開催の有名連による公演「夜のおどり」もあります。こちらは20:00~の1日1公演。
・・・おどり過ぎじゃないですか?
公演時間は変更となることもありますので、訪問する際は公式HPのカレンダーにて確認をお忘れなくっ!
魂の阿波おどり
今回は日が暮れてから「夜のおどり」目当てで訪問。20:00からというのは、観光を終えて夕飯を食べた後にちょうど良いタイミング。
受付を済ませてホールに入り、上演を待ちます。名前は知っていても、実際に阿波おどりを見るのは初めて。ドキドキしてきました!
まずは大太鼓、締太鼓、鉦(かね)、三味線、笛の鳴り物奏者の方々が登場。バックミュージックも生演奏なのが豪華ですね!
ハネまくりのリズムがはじまると幕が開き、次々と登場する踊り手さん。音楽が軽いビートなので軽い感じの踊りかと思いきや、その動きはとても力強い!
低い姿勢で力強く踊る男の人がどんどん迫ってくる様は迫力満点!!踊っているのは若者からおじさんまで幅広い年齢層ですが、皆さんしなやかで力強く、ストップ&ムーブが効いています。
まるで獲物を狙うかのような鋭さも感じる動きですが、全員が満面の笑顔なのがさらにインパクトを強くしています。響き渡る「やっとさー」「やっとやっと」のかけ声を聴いていると、なんだか胸が熱くなってきました!!!!
阿波おどりには「連(れん)」と呼ばれるチームがあります。私が見た公演は「のんき連」。大正14年結成と最も古い連の1つで、のんき調という踊りがあるほど。
バリエーション豊富なおどり
一定のリズムで一本調子かと思いきや、途中にはBPMチェンジもあります。さらにリズムもプリミティブなビートに変わったり、踊り手さんのソロパートがあったりと想像以上にドラマチックに進行します。
阿波おどりは「男踊り」と「女踊り」があります。力強くキレのある男踊りに対して、女踊りは美しくしなやか。下駄は常に前のめりの状態をキープしており、バランス感覚の良さが伺えます。ちなみに女性は男踊りも踊って良いらしい。
今や立派な伝統芸能と呼んでも差し支えない阿波踊りですが、基本的に専門職ではなく、アマチュア。それなのに本番の夏だけでなく、ここ阿波おどり会館で毎日踊ってしまうくらいの熱の入りよう。まさに徳島の魂なのでしょう。
いつのまにか阿呆だらけ
「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」という、とんでも理論を持つ阿波おどり。もちろん観客も参加OKです。
さあレッスンがはじまった!!まずは全員立ちあがって簡単な準備体操から。
いきなり「踊りましょう」といわれると多くの人は躊躇ってしまいますが、手を伸ばしたり振ったりといった簡単な体操なら皆気軽にやってしまいます。
そうして徐々に阿波おどりの動きへとシフトしていき、気がついたときには皆阿呆になってしまいます。少しずつ場を温めていく運び方はさすがです!
さらに希望者の方はステージへ。このときは、だいたい三分の一くらいの人が前へ。夜の部だったので、一杯ひっかけてきてそうな阿呆もたくさん。(決して無理矢理みたいな空気ではないのでご安心ください)
会場は盛り上がり、ラストは「鳴門の渦潮」の如く、輪っかになっておしまい。
上手い人は、踊ってる途中にレイがもらえます。最後はその方々の表彰式。手ぬぐいやウチワなどの限定グッズがプレゼントされていました!
阿波おどりミュージアム
そんな阿波おどり会館の3階には、阿波おどりミュージアムがあります。こちらの開館時間は9:00~17:00と夜の部公演の後はもう閉館していますので、日を改めてやってきました。(※館内は写真撮影不可でした)
ここでしることができる阿波おどりの歴史がとっても面白い!
もともと阿波おどりの起源は死者供養の盆踊りや祖霊踊りといわれており、そこに各地の芸能の要素が加わって確立したといいます。
江戸時代の後期に、世直しを求める人々の不満や怒りが爆発したええじゃないか騒動が日本各地で勃発します。そのとき、阿波おどりの下地があった徳島は西日本で最も激しいええじゃないかを繰り広げたそう。
やがて、阿波おどりは日清・日露戦争の勝利など、祝賀に踊られるようになりますが、1937年の日中戦争から1945年の敗戦までの期間は自粛されていました。
東京や名古屋といった他の都市と同様に、空襲により焦土と化した徳島。そんなとき戦後の復活のためのエネルギーになったのが阿波おどり。
死者供養、不満や怒り、祝賀、復活・・・こうやって歴史を紐解くと、時代に合わせて人々の様々な感情と結びついてきたことが見えてきます。魂を感じる理由がなんとなくわかったような気がしました。
おまけで、ちょっと面白かったのが使用楽器である鳴り物の紹介。実際に音が流れる映像と、展示された実物で様々な楽器について知ることができます。
現在は三味線、大太鼓、締太鼓、鉦(かね)、笛がメインですが、バイオリン、クラリネット、木魚、チャルメラなど、様々な楽器を使用していた時代もあったそう。外で演奏できる楽器ならなんでも使用してきた、そんな柔軟性が長く続く秘訣でもあるのかもしれません。
最後に待ち受けていたのはこちらのオドロット。なんと、阿波おどりをおどるロボットです!最先端技術を駆使してこんなものを作ってしまうなんて、徳島の人の阿波おどりへの情熱は果てしないです。
とにかく熱い阿波おどり。徳島に行ったら必ず見るべきです!
アクセスと営業情報
JR徳島駅より徒歩10分。5階には眉山ロープウェイの山麓駅もあるので、合わせての訪問がおすすめ!お得なセット券もあります。
開館時間 | 昼のおどり:①11:00~②14:00~③15:00~④16:00~ 夜のおどり:20:00~ 阿波おどりミュージアム:9:00~17:00 |
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料金 | 昼のおどり:800円 夜のおどり:1,000円 阿波おどりミュージアム:300円 |
公式サイト | https://awaodori-kaikan.jp/ |
※掲載の情報は2022年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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