驚くほど滑らかな人形劇が毎日楽しめる『阿波十郎兵衛屋敷』(徳島市)

徳島県

精巧な人形を使った徳島の伝統芸能「阿波人形浄瑠璃」。ここでは年間を通して上演されているため、いつでも手軽に見ることができます!ストーリーや歴史がとってもわかりやすく紹介されているので、伝統芸能に興味が無くてもばっちり楽しめます。

2018/11/26(月) ※掲載内容および写真は訪問時のものです

阿波の人形浄瑠璃

人形浄瑠璃というのは、太夫の語りと三味線の伴奏からなる「浄瑠璃(じょうるり)」と人形劇が合わさった伝統芸能。太夫、三味線、人形遣いの「三業(さんぎょう)」と呼ばれる3つの要素が織りなす総合芸術です。

江戸時代初期に成立したとされており、全盛期には歌舞伎を凌ぐほどのエンターテインメントであったそう。

ここ徳島県にも人形浄瑠璃が伝わり、阿波人形浄瑠璃と呼ばれています。そんな人形浄瑠璃を気軽に体感できるのが徳島市にある阿波十郎兵衛屋敷。ここでは、毎日人形浄瑠璃の上演が行われています。

基本的には11:00と14:00が上演時間ですが、変更となる場合もあります。訪問予定の方は公式HPにてご確認ください。

シアターで学ぶ阿波人形浄瑠璃

受付を済ませると、最初はシアタールームへ。大きなスクリーンでは、人形浄瑠璃や徳島県の様々な映像が流れています。

現在、徳島には人形座は11座、職人は40人以上も存在しているそう。とにかく阿波おどりが有名ですが、人形浄瑠璃も盛んなのです。

そんな徳島の人形座ですが、そこに属している人々はみんな別の生業をもつ、いわゆるアマチュア人形師。そういえば阿波おどりも、専門職ではなく一般大衆の文化でした。いずれも気取らない親しみやすさがあるのは、その辺りが背景なのかもしれませんね。

浄瑠璃に使用される道具

シアターが終わったあとは、実際に人形浄瑠璃で使用されている人形や道具が並ぶ展示室へ。ここではスタッフの方が、丁寧に教えてくれます。

こちらの厚底な下駄は「舞台下駄」。人形の舞台は80cmくらいの高さがあり、その高さに合わせるため、人形師たちはこんな高い下駄を履いていたそう。

人形浄瑠璃で使用される三味線は、猫皮じゃなくて犬皮が張られた太い棹(さお)の「太棹三味線」。太いバチで強く叩くように弾くそう。

仕掛けたっぷりな木偶人形

そしてこちらが人形浄瑠璃で使用されている「木偶人形」。1体の人形を動かすのに、頭と右手で1名、左手を動かす1名、足を動かす1名と「三人遣い」。3人で息を合わせるのが大変だそう。

実際に持たせてもらったのですが、練習用の小型(1kg)でも、指で支えて持つためかなり重く感じます。実物は3kgとか7kgするというので、かなりハード!

上手く動かすコツは、「目線は手に合わせて動かす」こと。確かに、そうするだけでちょっとそれっぽくなります!

女の人が一瞬で鬼に変わる、「ガブ」と呼ばれているカラクリも。これはかなりコワイですね!

上演開始

さあ、ついに人形浄瑠璃が開演です!会場となるのは、最初に映像を見たシアタールーム。スクリーンが上がると、そこは人形浄瑠璃の舞台となっています。

上演されるのは「傾城(けいせい)阿波の鳴門」。阿波藩のお家騒動がテーマのストーリーで、阿波人形浄瑠璃を代表する演目です。

阿波十郎兵衛とその妻のお弓は、主君の盗まれた刀を探すため、盗賊となり潜んでいました。あるとき、夫婦の元に、巡礼の若い娘が尋ねてきます。娘と話す中で、「ちちさまは十郎兵衛、かかさまはお弓と申します」というセリフが。この言葉を聞いたときに、その娘が、自分の娘と気がつきます。今すぐ、目の前にいる私が母だと打ち明けたいのですが、お尋ね者の身分ゆえ、子を不幸にするかもしれない・・・・そんな母の葛藤を描いたお話でした。

前述の通り、1体の人形を3人がかりで動かしているのですが、これが驚くほど滑らかな動き。可動部分は手、足、目、首くらいなのに、感情が見事に表現されています。

ちゃんと屋内に入るときは下駄を脱いでいたりと細かいところにもこだわりが感じられます。

上演時間は約30分でしたが、あっという間。初めて見る人形浄瑠璃、最初は楽しめるか不安でしたが、ストーリーもわかりやすく、とっても面白かったです!

私が訪問した際は平日だったので録音の演奏でしたが、土日祝は太夫による語りと三味線の生演奏もあるそうです。

アクセスと営業情報

徳島駅からは約5kmとなかなか離れています。車の場合は15分ほど、バスの場合は約25分のバス停《十郎兵衛屋敷》下車後、すぐ。

自転車だと約25分ほどなので、時間に縛られたくない方はレンタサイクルもおすすめです。

開館時間 9:30~17:00 ※7~8月は18:00まで
休館日 12/31~1/3
料金 410円
公式サイト https://joruri.info/jurobe/

※掲載の情報は2022年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

人形浄瑠璃に興味がある方は、淡路島にある『淡路人形座』もおすすめ!

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コメント

  1. aki より:

    中国による尖閣侵攻危機と、憲法改正の必要性を知って下さい

    書込み大変失礼致します。
    皆様にこの度どうか知って頂きたい事があり、誠に恐縮ですが書込ませて頂きました。

    テレビが大きく報じぬ中、連日尖閣奪取を狙う、中国の日本領海侵犯が激しさを増す現状を、中国に侵略虐殺を受けるウイグル等と重ね、どうか多くの方に知って頂きたいです。

    かつて9条の様に非武装中立を宣言し、平和的で軍事力の弱かったチベット等は、中国に武力で侵略虐殺され、その覇権拡大は現在進行形で行われています。

    韓国が日本の竹島を不法占拠した際、多くの船員が機関銃で襲撃拷問され死傷し、北朝鮮には国民を拉致され、
    尖閣には中国公船が侵犯する現状でも、9条により日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ません。

    中朝ロの数千発の核ミサイル標準は常時日本に向けられており、尖閣、台湾周辺の動きも激化する中、9条を改正し自立した戦力を持たなければ、
    有事の際、敵基地攻撃能力を持たず、原発も動かず資源の無い現状防衛力では、日本人の命と領土は守れません。

    中韓による侵略は、メディアや野党が法制化を目指す、外国人参政権や夫婦別姓等からも始まっており、
    外国人参政権はアメリカ始め世界でも認める国は少なく、

    ハワイは米国に外国人参政権を与え乗っ取られ、ウクライナのクリミア半島も住民投票を行った体でロシアに帰属しました。

    又夫婦別姓等も元々は中韓の制度であり、地位の低い女性は夫の姓を名乗らせないという、女性蔑視の歴史的背景によります。

    この夫婦別姓は最終的に戸籍廃止を目的としており 、戸籍により追跡発見が出来た
    背乗りやスパイ等の犯罪も、これを無くす事で不都合な出自隠蔽も容易となります。

    先進国で唯一スパイ防止法が無い日本で、
    中韓に軸足がある野党やメディアが、制度の危険性を隠し国民を誘導する現状からも、既に浸透工作は最終段階である事、
    日本でウイグルの悲劇を生まない為に、一人でも多くの方に目覚めて頂きたいと切に思い貼らせて頂きます。
    https://pachitou.com
    長文、大変申し訳ありません。

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