すっかり日が暮れてしまった大正村を散歩。観光施設は閉館していますが、レトロな雰囲気あふれる町並みは歩いているだけでも楽しいです。うっかり出会ってしまった謎の食材「ヘボ」を使用したチョコにも挑戦してみました。
大正時代を意識した街づくり
明智光秀生誕の地として賑わう恵那市明智町。ここには日本大正村という観光スポットがあります。名前からして犬山市にある明治村のようなテーマパークを連想させますが、その形態は少し異なっています。
大正村は決められた施設があるわけではなく、普通に人が暮らしている町の中に、大正建築や資料館が並ぶというスタイル。いわゆる「街歩き系」のスポットなのです。
文芸写真家である澤田正春という人物が大正村の構想を提唱。当時観光の無かった明智町では、町おこしの一環として大正村作りに取り組みます。
観光協会を中心に町全体で大正時代の建築を保存し、石畳の道を整備したり資料館を作ることでレトロな雰囲気あふれる大正村を作り上げました。
大正を感じる建築物
到着時間が遅れてしまい、大正村に着いたのは16:45頃。ほとんどの施設は17:00には閉館してしまうため、今回は外観を眺めながら街歩きしてみることにしました。
大正浪漫亭の駐車場から進んでいくと、最初に目に入るのは大正路地。石畳の道に木の壁の蔵が並ぶ、昔ながらの日本の光景が広がります。
淡い水色がかわいらしいこちらの建物は大正村役場。明治39年に建てられた洋風建築で、明智町役場として使用されていました。内部も無料で見学でき、ツヤツヤな木の廊下に大正時代のハイカラな衣装をな着たマネキンさんがいました。
村役場の隣には映画館。無料で見学できる内部には、大正村の歴史を記した写真やパネルが展示されております。かつては小学校や集会所としても利用されていたそうです。
丘の上に建つモダンな建築は大正ロマン館。こちらは有料の施設で、館内には大正時代の資料や洋風家具などが展示されています。他にも大正村資料館や大正時代館など様々なレトロ建築、そして明智城など見どころがたくさんありますが、そろそろ日も落ちてきたので散策はおしまい。
うっすらと灯りに包まれたレトロな町並みは歩いているだけでも楽しいですが、観光で訪れる方は日中に訪問した方が絶対楽しめるかと思います。
体験盛りだくさんの古民家
突然現れる茅葺きの家。こちらは江戸時代に造られたものを復元した旧三宅家で、無料で見学ができます。
ここも17時までなので、外観を眺めていたところ、たまたま出てきたおじさんが中に入れてくれました!
この方がとても個性的で、屋内にある色々なものの値段を全部教えてくれます。非常に高価なものばかりで、この家は総額いったいいくらになってしまうのかってレベルです。「その柱さわってごらん」と2億5000万もするというケヤキの柱にも触らせてくれました。
他にも、明治時代・大正時代・昭和時代とそれぞれの柱時計が設置してあり、定時になると鳴り響く音を聴き比べさせてくれたりと、いろいろ楽しませてくれます。
さらに、今は貴重なダイヤル式の黒電話も触らせてもらいました!「自分の携帯にかけてみな」ってことで、操作してかけてみました。スマートフォンのタップ操作になれてしまっていると、ダイヤルを回すのはなかなか大変です。11回ぐるぐるとまわして発信してみたところ、ちゃんと自分のスマホに着信が入りました!
あれ、もしかしてこの旧三宅家の電話番号を入手してしまったのでは・・・・
大正浪漫亭でおみやげ探し
大正村の入口に立つ大正浪漫亭。お土産屋さんやレストランが入り、すぐ隣には観光案内所や駐車場を備えた観光拠点となる施設。
このレストランの営業時間は20:00までなのですが、只今の期間平日はランチタイムのみとのことで、もう閉店しています。お土産屋さんは17:30までだったので、ちらっと見ていくことにしました。
大河ドラマの影響で明智光秀関連のグッズが多く並ぶなか、私が気になったのはこちら。
ヘボチョコ。なんと、ヘボが入っているらしい!
ヘボって何!?
ヘボの正体とは
原材料にもヘボとしか記されておらず、謎は深まります。どことなく嫌な予感がしてきました。
勇気を出して聞いてみよう!
その答えはやはり、虫でした!!
ヘボというのは、クロスズメバチのこと。この地ではヘボの巣作りを競っているらしく、野生のヘボに印を付けて飛ばして巣を突き止め、その巣を確保して大きく育て上げるそう。
そのヘボの巣の価値は非常に高く、なんと1kg1万円。ランクによっては飛騨牛を超えることもある高級食材とのことです。さらに、ヘボが取れるのは11〜12月のみ。限られた季節しか食べる事のできない限定食材。ここまで言われたら食べてみるしかありません!レッツトライ!
ヘボチョコを実食
見かけは普通のチョコですが、よく見るとちらっとヘボのお腹部分が見えています。
1口かじってみたところ、偶然にもヘボを回避してしまいチョコだけ。とっても美味しいです。
2口目。崩れそうになったので、残り全部食べてみました。一瞬シャリッとしましたが、全く気になりません
「脚とか羽の食感があったら嫌だな」と思っていたのですが、このヘボはカリカリにローストしてあるため虫っぽさはゼロ。ただただ香ばしいトッピングでした。
これめっちゃ美味しいチョコなので、大正村に来た方、もし見かけたらぜひチャレンジしてみてください!
実際のところ、ヘボは普通は佃煮などで食べるそう。佃煮はチョコに比べるとちょっとハードル高いですね。
コメント