住宅街に残る大迫力の巨石古墳『蛇塚古墳』(京都市右京区)

京都府

京都府で最大規模の横穴式石室を有する前方後円墳。巨大な石が積み上がった石室は、住宅街の中で圧倒的な存在感を放ちます。石室内部の見学は事前予約が必要なのでご注意ください!

訪問日:2025/9/6(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

京都市内に残る古墳

奈良や大阪に比べると数は少ないですが、京都にも多数の古墳が残されています。7世紀頃に築造されたという蛇塚古墳(へびづかこふん)は、京都市内にあるため比較的アクセス良好。今回は半跏思惟像で知られる「広隆寺」や、三柱鳥居がある「木嶋坐天照御魂神社」と合わせて訪問してみることにしました!

マップに従い住宅街の中を歩いていきます。近くには大きな神社やお寺もなく、観光客が来ることはほぼないエリア。歩いているのは地元の人のみです。

たどり着いた蛇塚古墳。住宅に囲まれた土地であり、フェンスに囲まれています。

見学は事前予約が必要

この古墳、基本的にフェンスは施錠されています。外観は自由に見学できますが石室内部を見学する場合は事前に申し込みが必要なのです。

Webで申し込みが可能で、名前、電話番号、見学日、見学時間などを入力して送信すればOK。なのですが、実は今回事前予約しておりません!!

理由は訪問時刻のタイミングまったく掴めず、もしかしたら時間の都合でカットする可能性があったため。予定が少々巻いて時間があったので、せめて外観だけでもと立ち寄ったのでした。

たどり着いて外観の写真を撮っていると、タイミング良く管理の方がいらっしゃり「蛇塚さん見に来はったんですか?」と特別に開けてくれました!

これは超ラッキー!わたし、もってる!!

ちなみに開けてくれた管理の方は、イケイケな雰囲気のカッコいいお姉さん。勝手におじいさんをイメージしていたので、ちょっとびっくりしました。

大迫力の石室

ということでフェンスの中へ。身をかがめて鉄骨に支えられた石室入り口を進みます。もうこの時点でわくわくが止まりません!!

鉄骨を潜り抜けた先にある玄室。巨石が積み重なる迫力のある空間。

天井石が失われているためぽっかりと開いた上部。状態としては完全ではありませんが、これはこれで素晴らしい景色。

振り返った景色もなかなかの迫力。さきほど通り抜けた鉄骨が、まるで神社の鳥居のように見えます。

石室の全長は17.8メートル。これは、奈良県明日香村の「石舞台古墳」にも匹敵する規模とのこと。この光景、そのうち観光ポスターなんかに利用されないでしょうかね?それとももう使われてる?

もとは巨大前方後円墳

さてさて、そんな蛇塚古墳ですが、宅地化によって墳丘封土のほぼ全てが失われた状態。実際はどれくらいの規模の古墳だったのでしょうか。

推定されるのは墳丘長:約75メートルの前方後円墳。後円部 直径:約45メートル、前方部の幅:約30メートルという規模であったそう。これはおそらく京都市内で最大規模。被葬者はかなり力を持った人物であったハズ!!

嵯峨野一帯を開発したのは、渡来系の秦氏一族。この古墳も、秦氏の首長の墓であったと考えられています。広隆寺の太秦殿や、木嶋坐天照御魂神社の養蚕神社でもその名が登場した秦氏。ここでもやはり出てきましたね!

そんなわけで、ダイナミックな石室が迫力満点な古墳。最寄り駅からも少し離れており、他のスポットとあわせて訪問しづらいですが、わざわざ行く価値のある古墳でした。

アクセスと営業情報

京福電鉄嵐山本線・北野線の「帷子ノ辻駅」から、南に徒歩約10分。少々わかりにくいところにあるので、マップを確認しながらお進みください!

ちなみに、見学申し込みのフォームはこちらのURLにありました。
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000307257.html

見学時間 24時間 ※石室見学の時間は不明
料金 無料

※掲載の情報は2025年9月時点のものです。

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