総工費一億円!アーティスティックな庭園が見どころな『松尾大社』(京都市西京区)

京都府

平安京遷都が行われたはるか昔より、賀茂神社とともに京都を守護する歴史の深い神社。松尾造の本殿、総工費1億で仕上げられた庭園、神使である亀と鯉、お酒の資料館など、様々な見どころがあります。

訪問日:2023/3/27(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

京都を守る古社

京都駅より西へ約9kmのところに建つ松尾大社は非常に長い歴史を持つ神社。

創建は701年と伝わっており、平安京が遷都される以前からこの地で信仰されてきました。平安京遷都後は、賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)とともに京の守り神とされ、「賀茂の厳神・松尾の猛霊」と呼ばれていました。

もともとは松尾神社でしたが、昭和25年(1950年)に松尾大社へ改名されます。「松尾」の読み方は「まつのお」であるようですが、一般的には「まつお」と呼ぶ人も多いようです。

重厚でシックな神社建築

境内の入口となるのが江戸時代初期の作といわれる楼門。高さ11mにも及ぶ重厚な姿で参拝者を出迎えます。

楼門の先の広場の中央に位置する舞台。舞殿かと思いきや、境内図によるとこちらは拝殿。各種神事で使用されるそうです。

拝殿の先にあるのが本殿。応永4年(1397年)に再建されたのち、天文11年(1542年)に大改修されました。御祭神は大山咋神(おおやまぐいのかみ)と中津島姫命(なかつしまひめのみこと)の2柱。

屋根が流れるように伸びる「流造」という建築様式で造られていますが、通常の流造は前方部分のみが流れているのに対して、この松尾大社は前後が同じ長さに流れています。これは「両流造」とも「松尾造」とも呼ばれる、独自の建築様式。

その様子を見てみたかったのですが、正面からは後ろ側の様子を見ることができず、周り込もうとしても道が無いため断念。

神使は亀と鯉

多くの神社には神の使いとされる動物「神使」が決められています。稲荷神社の「狐」、天満宮の「牛」、春日大社の「鹿」などは広く知られています。

この松尾大社の神使は、「鯉(コイ)」「亀」。神使の庭と呼ばれる一角には、手前に亀、奥の岩には鯉の彫刻が置かれています。鯉は滝を登る姿が勇ましいです。

拝殿向かって左には幸運の撫で亀。寿命長久、家庭円満の御利益があるそうで、撫でられすぎてつやつやです。

拝殿向かって右には幸運の双鯉(そうり)。こちらは恋愛成就、夫婦円満、立身出世の御利益があるそう。

他にも多数のカメやコイの姿があります。参拝に訪れたら、神使探ししてみるのも楽しいです。

美意識を感じる庭園

境内には松風苑という庭園があります。神社は無料で参拝できますが、ここだけは拝観料500円が必要な有料エリア。ここは昭和の作庭家・重森三玲が手掛けた庭園で、昭和50年(1975年)に完成したもの。庭園研究の奥義を結集して造られた渾身の作品で、その総工費はなんと1億円とのことです。

最初に見える「曲水の庭」は、松尾大社が最も栄えていた平安時代を再現。石組みを蛇行するように水が流れ、築山には四国吉野川産の青石が配置されています。石積みがまるで龍のウロコのように見える、非常にアーティスティックな庭園です。

続いて「上古の庭」。曲水の庭に比べると、石が並ぶだけのシンプルな姿。上古というのは、一般的に神武天皇即位(紀元前660年)から大化の改新(645年)までの大昔を指す言葉。この時代の神社に社殿はなく、巨岩などが信仰の対象。古代祭祀の場を表したのがこの庭とのことです。

庭園内には「神像館」という小さな展示室もあり、神像21体が安置されています。木造であるため欠けたり朽ちているものも多く、長い年月をリアルに感じることができます。

庭園はここだけではありません。少し離れたところ、お蕎麦やぜんざいを扱う「休憩所 団ぷ鈴」の裏にも「蓬莱の庭」という庭園があり、拝観券で見学することができます。ここは不老不死の仙界を意味する蓬莱をイメージしたという庭園。鎌倉時代の回遊式庭園を取り入れた庭で、リアル神使である亀と鯉が悠々と泳いでいました。

亀の井と霊亀の滝

松風苑のすぐ側には「亀の井」があり、こちらは無料で見学可能。この井戸は松尾山からの湧水の泉。水が出るところは亀の姿をしておりますが、この亀が1mくらいと大型。まるでゾウガメみたいな姿です。

亀の井の先へと進むと「霊亀(れいき)の滝」が見えてきます。写真ではわかりにくいのですが、肉眼では岩肌からしみ出すように流れる細い滝を拝むことができました。

この霊亀の滝と亀の井の水が、先ほどの曲水の庭へと流れているそうです。

ここで注目は、本殿。滝へ向かう途中の道で注目すると、本殿後ろの屋根が流れる「松尾造」の様子を見ることができます。

酒造から信仰されるお酒の神様

狂言「福の神」において松尾神は神々の酒奉行として登場するそう。そのため酒造関係者から信仰されるようになり、境内には奉納されたたくさんの酒樽を見ることができます。菊正宗、黄桜、月桂冠、鬼ころし・・・。誰でも一度は見たことあるような著名なお酒の銘柄の名前が並びます。

境内にはお酒の資料館も設置されており、無料で見学できます。軒先に見える「杉玉」は、造り酒屋が新酒ができたことを知らせるために吊り下げていたものです。

館内では松尾大社とお酒との関わりや歴史、さらにはお酒の文化・工程などを模型やビデオでわかり易く展示しております。

松尾大社がお酒の神様として信仰されるようになった流れについても展示されています。気になる方は参拝ついでにぜひお立ち寄りください。

アクセスと拝観情報

阪急嵐山線の松尾大社駅より徒歩5分ほど。バスの場合は京都駅より約40分のバス停「松尾大社前」下車後、徒歩5分ほど。

拝観時間 5:00~18:00 ※庭園・神像館は9:00~16:00 ※日曜・祝日は16:30まで
休館日 月曜
料金 無料 ※庭園・神像館は500円
公式サイト https://www.matsunoo.or.jp/

※掲載の情報は2023年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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