大都会で感じる古代文明の歴史『古代オリエント博物館』(豊島区・池袋)

東京都(23区)

池袋サンシャインシティに入る、古代のオリエントをテーマにした歴史ミュージアム。エジプトやメソポタミアなど、歴史の授業で聞き覚えのある名前が次々と飛び出します。あの「ハンムラビ法典碑」や「ツタンカーメンのミイラ」のレプリカも見ることができます!

訪問日:2024/8/24(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

池袋の古代ミュージアム

オリエントって言葉をご存知でしょうか?なんか世界史の授業で聞いたことある気がしますが、ぱっと説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。

オリエントというのは、現在の中東地域に興っていた古代文明のこと。そこには古代エジプト、古代メソポタミア、古代ペルシアなどが含まれております。ここでは農耕牧畜が生まれ、様々な文化が芽生えました。

サンシャインシティにある古代オリエント博物館は、そんなオリエントの世界を知ることができるミュージアム。サンシャインシティ奥地の「文化会館ビル」の7階にあり、とっても静かな雰囲気。他のフロアとは明らかに空気が異なります。

カジュアルに楽しめる博物館

館内は「最古のオリエント」「古代メソポタミア」「古代エジプトの文化」「古代イランとその周辺」「東西文化の交流」といったテーマごとに展示が分かれています。

展示室入口にあるビジュアルスペースでは、これらのテーマについて映像で解説。最初に見ておくと、その後の展示が物凄くわかりやすくなります。私のように世界史の知識を脳内ストレージから消去してしまっている方は、ぜひ見ておくのがおすすめです。

各展示品のそばには解説付き。頻繁に登場する対話イラスト形式のパネルは、とってもわかりやすく描かれています。

そして展示品はほとんどが撮影OK!ただし一部、撮影不可のマークが記されているものもあるのでご注意くださいね。

古代オリエントの品々

こちらは紀元前2300から前600年頃のシリアの遺跡テル・ルメイラの暮らしを再現したコーナー。麦をすりつぶす道具やかまどが置かれており、パンを焼いていたことがわかります。さらにビールも飲まれていたそうです。

トルコ西部で見つかった幾何学文壺。朱色の塗料で模様が描かれた壺。このように装飾された土器は、「彩文土器」と呼ばれています。

こちらはシリアの三面神浮彫。正面を向く顔の両サイドに横顔が刻まれた、三面の石像です。胸から上と左腕までしか残っていませんが、全身はどのように描かれていたのか気になります。

ロゼッタストーンのレプリカも展示されています。1799年、ナポレオンがエジプトにて発見した石碑。古代エジプト文字・ヒエログリフ解読の大きなカギになったものです。

ここは考古資料の収集・展示に加えて、調査研究も行っている施設。展示品の中には、この博物館のスタッフによって発掘された品々も並んでいました。

エジプトのミイラとマスク

横たわるのはツタンカーメンミイラの複製。マスクがプリントされたクリアプレートでフタがされていますが、中を覗くと生々しいミイラの姿が。

ミイラにつけられたマスクは、金箔で包まれたゴージャスな仕上がり。目や眉の部分にはガラスも嵌められています。古代エジプトでは、あの世=来世と信じており、再生・復活に備えて肉体が腐らないようにしたいたそうです。

そばにはミイラの作り方を記したマンガも展示されています。読んでみると、内蔵を取り出したり脳みそを掻き出したりとなかなかショッキングな内容でした。

突然ですが、ここでミイラクイズ!!

こちらは人間ではないある生き物のミイラ。いったい何かわかりますでしょうか?正解はこの記事の一番最後に書こうと思います。一応先にいっておきますが、ワラスボではありません。(※ワラスボについてはコチラ

あのハンムラビ法典も

こちらの黒い物体、何かわかりますでしょうか?

正解はハンムラビ法典碑(レプリカ)。ハンムラビ王による法典が刻まれた石碑です。

「目には目、歯には歯」で知られていますが、その部分が青いテープで囲まれています。

この記載、実際は「やられたら、やりかえせ」という意味では無いそう。展示されていた訳によると、このような感じらしいです。

もしアウィールム(上層自由人)が
アウィールム仲間の目を損なったら
彼の目を彼らは損なわなければならない。

ここだけ見ると、非常に解釈が分かれそうな内容です。そして最後が「彼ら」と複数形なのも気になります。ネット上で見かけた考察によると、「やりすぎた復讐は報復合戦を生むことから、同程度の罰に留める」という説もあるようです。

かわいい動物モチーフの展示品

展示品の中には、動物をかたどったユニークなものが多数あります。最後に、私が気になったものをいくつかご紹介させていただきますね!

イラン北部でみつかった鹿形土器は、信じられないくらいしゃくれています。液体を注ぐためのような口ですが、別途投入口は見当たらないので液体を入れるのも口からのようです。

同じくイラン北部のコブ牛形土器。こちらも注ぎ口のついた牛形の土器。先ほどの鹿とは異なり、顔全体が注ぎ口なのでしゃくれてはいません。土器でありながらも磨かれているためスベスベした質感です。

こちらは護符(ウジャトをもつヒヒ)。「ウジャトの眼」というおまもりを抱えたヒヒで、たった3cm程度のとても小さな姿をしています。以前、盛岡で立ち寄ったバーのおじさんにもらった怪獣消しゴムとそっくりです。

人気なのはバローチスターン地方(現パキスタンの西南部)のコブウシ土偶。彩文土器同様に彩られた土偶。丸い目がとっても可愛らしく、集まるような配置の仕方もたまりません。ミュージアムショップでは缶バッジやぬいぐるみなどのグッズ展開もされてました!

さてさて、出口付近にあるのが色えんぴつコーナー。気に入った展示品を選んでその姿を描き、おすすめポイントを記載するという来館者参加型のコーナーです。

子どもが描く可愛らしいイラストがたっぷり・・・と言いたいところですが、大きいお友達の力作ばかりが並んでいました!客層的にもやはり大人が多いのでしょうね。ちなみにここでもやっぱりコブウシ土偶が人気みたいでした。

 

あ!例のミイラクイズの正解を発表しますね!

正解はなんとナマズのミイラ。冥界の世界に住み太陽神の船を導く存在であり、薬剤としての効能も期待された生き物であったそう。最初は王だけが再生・復活できると考えられていましたが、次第に王意外の人々も、さらには動物にも及ぶようになったそうです。

みなさん、当てられましたかね?

アクセスと営業情報

・JR「池袋駅」東口より徒歩13分
・東京メトロ有楽町線「東池袋駅」 6・7番出口より徒歩6分

開館時間 10:00~17:00
休館日 年に数回展示替え期間あり
料金 展覧会によって異なる
公式サイト https://aom-tokyo.com/

※掲載の情報は2024年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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