華厳滝のすぐ近くに立つ自然ミュージアム。奥日光の地形の秘密や、そこに暮らす生き物について学ぶことができる施設です。信仰の歴史や、ハイクオリティなアクティビティムービーなど、自然系の博物館ではあまり見かけないユニークな展示も見どころです。
日光の自然博物館
華厳の滝と中禅寺湖のすぐ近くに立つ日光自然博物館。1991年に完成した歴史ある博物館ですが、2023年4月にリニューアル。コンテンツが大幅にパワーアップしております!
エントランスでは、渓流域にて見ることができる生き物が多数展示されています。
不思議なカズメウズムシや、中禅寺湖に暮らすウグイ、ギンブナ、スジエビなどの生き物、他にもルリボシヤンマのヤゴ、モンキマメゲンゴロウ、モリアオガエルなど、思ったよりもバリエーション豊か。
その先の階段を上った2階がメインの展示室。「自然系展示室」と「人文系展示室」というテーマに分かれたコンテンツが並んでいます。
没入型の自然コンテンツ
「自然系展示室」にはデジタルコンテンツが多数!没入感のある展示で、奥日光の自然を体感することができます。
ミズナラやダケカンバが生い茂る森を再現したジオラマもあります。木々に隠れるようにキツネやツキノワグマの剥製も置かれており、臨場感抜群。昼から夜へ照明が変わる演出、さらには設置されたタブレットを向けるといろいろな仕掛けも楽しめます。
他にも「霊峰男体山360°カメラ」というデジタルコンテンツや「奥日光のなりたち」を映した映像作品、湿原に暮らす生き物たちを映したシアターなど、様々な展示がありました。
奥日光のアクティビティ
多数の展示の中でもユニークなのが、こちらのアクティビティコーナー。「カヤック」「ハイキング」「スノーシュー」「フライフィッシング」という4つのメニューが、実際の道具とともに紹介されています。
モニターでは4つのアクティビティの紹介映像を見ることができます。
この映像、クオリティがめっちゃ高いです!!
カヤックを楽しむ幸せそうなカップルや、ベテランの風格ただようフライフィッシングのおじさんなど、映る人々はみんな良い表情。カメラアングルも様々な角度で撮影されており、引き込まれる仕上がり。テレビとかでネットの広告で流れたら、予約が殺到しそうです。
日光開山の祖・勝道上人
自然だけでなく、歴史や信仰についての展示も楽しめるというのも更なるユニークポイント。「人文系展示室」では、日光開山の祖・勝道上人に始まる山岳信仰についてパネルで紹介されています。
勝道上人は、下野国芳賀郡(現在の真岡市)出身の僧。766年に四本龍寺を創建し、日光山を開きます。続く767年には誰も登ったことがない男体山の山頂を目指すも、厳しい自然を前に断念。14年後の781年に再挑戦するも失敗。その翌年である782 年、3日かけてついに山頂へ登頂することに成功。
その後、中禅寺湖の湖畔に神宮寺を建立。それが後の日光山輪王寺別院である中禅寺と日光二荒山神社中宮祠の起源であるそう。
日光山は後に山岳修行の聖地となり、修験道が盛んに。多くの修行僧が訪れ関東の一大霊場へと発展していきます。明治初期までその信仰は続きますが、明治政府の神仏分離令および修験禁止令によって途絶えることに。
国際避暑地としての姿
この展示室のもう一つのテーマが「近代の国際避暑地の歴史」。明治から昭和にかけて、中禅寺湖周辺の奥日光は暑い東京を逃れてきた外国人たち避暑地としてにぎわいました。
初めて日光を訪れた西洋人ハリー・パークス。その補佐官であるアーネスト・サトウが日光へ。この地を気に行ったサトウは、英文のガイドブック「日光案内」を発行。やがて、中禅寺湖畔に別荘を建てます。
最盛期には30棟もの外国人別荘が立ち並び、ヨットセーリングなどの西洋文化も持ち込まれました。現在も中禅寺湖にはサトウの別荘を復元した「英国大使館別荘記念公園」があり、見学も可能。お時間に余裕がある方は、ぜひお訪ねください!
展示も一通り見終えたので出口へと向かっていると、天井にこんなものをみつけました。
こちら、なんとザトウムシ!!!
山の中で良く見かける、クモのような、第9使徒マトリエルのような不思議な生き物です。虫や動物のモニュメントは自然博物館ではおなじみなのですが、なぜこの生き物をチョイスしたのでしょうか・・・?もしかしてザトウムシファンがいるのでしょうかね。
アクセスと営業情報
JR日光駅発・東武日光駅より「中禅寺温泉・湯元温泉行き」に乗車、バス停「中禅寺温泉」下車後、徒歩1分。
前述の通り華厳滝のすぐ近く、第2駐車場のすぐそばにあるので合わせての訪問がおすすめです。
開館時間 | 4月~11月:9:00~17:00 11月~3月:10:00~16:00 |
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休館日 | 年末年始、12~4月の月曜 |
料金 | 510円 |
公式サイト | https://www.nikko-nsm.co.jp/ |
※掲載の情報は2024年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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