日が暮れた夜に訪問した手結港で目にしたのは、道路が地面に突き刺さった異常な光景。あきらかに違和感を感じる特異な状況です。なぜこんな状態になっているのでしょうか・・・。
小さな港「手結港」
香南市夜須町にある小さな港、手結港(ていこう)。車の場合は高知市内から30分、電車ならば土佐くろしお鉄道の夜須駅から徒歩15分ほどのところにあります。
定期船乗り場でも、特に観光地でもないため、通常なら観光客が訪れることはない場所です。まして、日も落ちて暗くなった港は人の気配もほとんどありません。そんな港に私が来た理由は1つ。ここでしか見ることができない特別な光景を見るためです!
ぶっ刺さった道路
あれ、道路が物凄い急斜面になってる・・・!!
これが手結港ならではの光景。地面に道路がぶっ刺さっているありえない状態です。掲げられた進入禁止の文字は、まるで事故現場のような扱いにも見えます。
橋の付け根の部分。真っ暗でよく見えませんが、この先はどうなっているのでしょうか。
横から見た方が傾斜はゆるく感じます。夜空に浮かぶ様子は、まるで宇宙へ続く滑走路のようでとってもファンタジック。
正体は可動橋
この橋は時間帯によって降りたり上がったりする可動橋。長さ32mの橋が、最大70°まで跳ね上がるダイナミックな橋です。
港へ出入りする船を妨げないために、決まった時間に橋が動くシステム。
6:30~ 8:00
9:00~10:00
11:00~12:00
13:00~14:30
15:00~16:00
17:00~18:00
橋を渡りたい方はこの時間内に、跳ね上がっている状態を見たい方は、この時間を避けていけば大丈夫。時間の切り替わりのタイミングを狙えば、橋が可動する様子をカメラに収めることもできます。
CMの舞台にも・・・!
この仰天スポットは、ダイハツキャストのCM「そびえ立つ道」篇でも話題になりました。この橋を見た山﨑賢人さんの「なんじゃこりゃー!」という叫びが、この橋のインパクトをより強めます。
映画のロケ地としては使用されていないのでしょうか?
追手に追われる主人公が車(or バイク)で、国道55号線を駆け抜ける!ちょうどこの橋に差し掛かったところで橋が上に開きはじめる!アクセルを全開にして急斜面を駆け上がり、ギリギリのところで飛び出して対岸へジャンプ!追手は渡り切ることができず、無事逃げ切ることができる・・・・みたいなベタなストーリーが見てみたいです。
追手は高知県にちなんでアンパンマンのだだんだんとかどうでしょうかね。
全国にある可動橋
この手結可動橋は跳開橋と呼ばれるタイプの可動橋。片側、もしくは両側から橋桁が降りてくるという、一番イメージしやすい動く橋です。
可動橋には他にも様々なタイプが日本各地に存在しています。京都府天橋立の廻旋橋(かいせんきょう)や富山県の生地中橋(いくじなかばし)のように水平方向に回転する旋回橋や、佐賀県の筑後川昇開橋のように橋が持ち上がることで船が通る高さを確保する昇開橋など、動き方のバリエーションは様々。
Wikipediaに記載されていたのは36か所ですが、小さいものも含めたら、もっとたくさんありそうです。
東京都内にも可動橋はあります。しかし、そのうちの1つ勝鬨橋(かちどきばし)は1967年、羽田可動橋は1998年を最期にもう可動しておりません。唯一、豊洲にあるアーバンゲートブリッジのみ現役の可動橋とのこと。
なお、勝鬨橋のたもとにあるかちどき橋の資料館では、全国の可動橋一覧など、可動橋に関する展示もあります。
旅行好きの中には、様々なタイプのマニアが存在しますが、もしかして可動橋を追い求める「可動橋マニア」なる人がいたりするのでしょうか。一見するとマニアックに見えますが、動く橋というのはその魅力がとてもわかりやすいです。
世の中のWebメディアは、今や動画コンテンツ中心へと変化してきております。これは、可動橋の魅力を多くの人に伝えやすいという時代の追い風ではないでしょうか。数もそれほど多くはなく、比較的市街地にあるため訪れやすいのもポイント。ブームになるポテンシャルは秘めているのでは・・・!
1日目もこれでおしまい。高知市内の宿カツオゲストハウスへと向かいます。
コメント
[…] […]