木々に包まれてそびえるスギの巨木。駐車場からわずか3分ほどの所に待っているのは、深い森に迷い込んだような世界。巨大な杉が空に地に枝を広げる姿は神秘的です。
駐車場へのアクセス
高森殿(たかもりどん)の杉があるのは阿蘇山の南東に広がる高森町。南阿蘇鉄道の高森駅から2km程のところに位置します。
国道265号線の高森町村山交差点近くに高森殿の杉に向かうルートへの入口が。案内板は出ていますが、「え、この道?」と思うような細い道へと入っていきます。すれ違うのも難しそうな細い道なので、大きい車の方はご注意ください。
農道をしばらく進むと、路肩に駐車場が現れます。ちょうど、軽トラックに乗った地元のおじさんが通りかかる。窓が開くとともに「服の裾はまくっていきー。ダニがおるけー。」との一言アドバイスが。大事な情報ありがとうございます!
入口は鉄パイプでガードされています。このゲートはおそらく牛対策。この辺りでは牛の放牧が行われているため、移動範囲を制限するために設置されているのでしょう。
杉への道のり
駐車場から杉までは徒歩ルート。登り坂なので少しキツイですが、昨日登った日本一の石段に比べたらこれくらい余裕です。
気をつけなくてはいけないのは、前述の通り牛の放牧エリアなため、牛さんの痕跡があちこちに落ちていること。踏まないように足元にはご注意ください!
ルート上にはオタカラコウとアザミがたくさん。黄色とピンクの花でかわいらしく彩られています。葉っぱのカタチがコウモリの羽の様に広がるコウモリソウも見かけました。
深い森に立つ巨木
杉までどれくらい歩くんだろうか。少し不安になったところで、すぐに現れる巨大な杉。駐車場から3分ほどですが、まるで深い山奥に来たような空気に変わります。
龍のように伸びる枝が力強い。屋久島の縄文杉や高知県の杉の大杉など有名な杉の巨木は日本各地にありますが、ここまでぶわっと広がったタイプは初めて目にしました。空へと飛び立つように伸びる枝もあれば、地を這う枝もあり、なんとも躍動的な印象です。
この杉が生えている場所は、島津軍との戦いに敗れた高森城主・高森惟直と、その家臣である三森兵庫守能因、虎御前原が自刃した場所とのこと。「高森殿の杉」というのは、「高森の殿様の杉」という意味だと推測されます。
夫婦の杉
よく見るとこの杉は2つの株に別れています。これまでの旅の経験上、こういった2本の杉が隣同士に生えていると雌雄同株であっても「夫婦杉」と呼ばれていることが多いです。
少し調べてみると、やはりこの杉も夫婦杉という呼び名がついており、縁結びのパワーがあるようです!女優の菅野美穂さんがこの杉に抱きついてパワーをもらったところ、めでたく堺雅人さんとの結婚が決まったというエピソードもあるそう。
なお、2本のうち根本に墓石がある方が「高森殿の杉」らしい。となると、もう1本は何という杉なのでしょうか。
帰り道に広がるパノラマ
さて、駐車場への帰り道。実はここでもちょっとした楽しみが。
視界に広がるのは阿蘇の雄大な景色!!うーん、とても清々しい気持ちになります。
ついつい正面ばかり見て歩いてしまいますが、忘れてはいけないのはここが牛の放牧地であるということ。くれぐれも足元にはご注意ください。大事なことなので2回言います。
本当はこの後で上色見熊野座(かみしきみくまのいます)神社にも行きたかったのですが、フライト時刻を考えると少し危ない。ということで、空港へ向かいます。
途中、道の駅あそ望の郷くぎので寄り道。あか牛メニューや阿蘇ミルクのソフトクリームなども楽しめる人気の道の駅ですが、この道の駅の最大の魅力はやっぱり広がるパノラマ!なんて展望が素敵な道の駅なんでしょうか。
大きな牛の模型も設置されており、記念撮影にもぴったり。毛が茶色い”あか牛”こと褐毛和種(あかげわしゅ)は阿蘇を象徴する和牛です。
おばあちゃんもいます。
こちらは南阿蘇のキャラクター「かなばあちゃん」。御年はもうすぐ90歳ですが、趣味はフラダンスというアクティブシニア。ちなみに好きな俳優はペ・ヨンジュンらしい。
そして、この椅子も発見しました!
前回の高森線めぐりの際に頻繁に登場したラブチェアー。2人で座ると、必然的に体の距離が近づく設計になっています。
ガソリンスタンドで満タンにした後、レンタカー屋さんに返却完了。4日間走り続けて走行距離は616.7kmでした。そのままレンタカー屋さんの送迎車で熊本空港へ。出発の1時間50分前の13:55に到着!少しゆっくりできそうです。
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