日本三景・天橋立を歩く ~早朝のお手軽1時間コース~(宮津市)

京都府

景勝地として全国的な知名度を誇る天橋立(あまのはしだて)。展望台から眺めるのはもちろん、実際に歩いてみるとその景観をより深く楽しめます。今回は天橋立駅から智恩寺、智恵の輪、廻旋橋を越えて天橋立神社まで参拝してきました。

訪問日:2022/5/9(月)

人気の観光地・天橋立

京都北部に位置する宮津。”海の京都”とも呼ばれる沿岸部のまちを代表する観光スポットが天橋立。宮津湾にのびる全長3.6kmの砂州で、長く伸びる砂浜に松が立ち並ぶ美しい景観が魅力的なスポット。宮城県の「松島」、広島県の「宮島」とともに、日本三景に数えられているという、日本を代表する景勝地の一つです。

そんな天橋立の景色を存分に堪能できるとして人気なのが2つの展望台、南側の「天橋立ビューランド」と、北側の「傘松公園」。いずれもリフト・モノレールで山の上に登る必要があります。

今回は天橋立ビューランドから眺めよう!と思ったのですが、時刻は8:00。天橋立ビューランドがオープンまで1時間ほどあるため、まずは歩いて散策してみることにしました。

天橋立散策の起点となるのが天橋立駅。京都丹後鉄道宮津線の駅です。

駅の目の前には智恵の湯という温泉施設があります。お肌に良い泉質のため、「美肌の湯」とも呼ばれています。2022年5月時点での営業時間は12:00~21:00。

知恵の文殊・智恩寺

天橋立駅方面から天橋立へ向かうと、目に入ってくるのが巨大な山門。こちらは智恩寺という臨済宗妙心寺派の寺院。境内はそれほど広くないので、天橋立を渡る前に参拝していくのがおすすめです。

文殊菩薩を本尊としており、「知恵の文殊」とも呼ばれています。奈良県安倍文殊院の「安倍文殊」、山形県大聖寺の「亀岡文殊」とともに日本三文殊とも呼ばれています。

境内にそびえる多宝塔。重厚感ある木造建築は室町時代につくられたもの。大日如来が安置されているそうです。

こんこんと水が流れる手水、こちらはもともとお坊さんが利用する鉄湯船であったそう。鎌倉時代に造られたものといわれています。

智恵の輪くぐり

智恩寺の境内にある案内に従い進むと、天橋立のシンボル、智恵の輪が見えてきます。もともと航海のために使用した輪灯籠でしたが、いつからか智恵の輪と呼ばれるようになったとのこと。

この輪っかをくぐり抜けると智恩寺の文殊菩薩より智恵を授かることができるそう。せっかく来たのだからやってみ・・・・え、本当にくぐれるの??

サイズ的にはそれほど苦労はないのですが問題は高さ。1m以上のところにあるので実際にくぐろうとするとかなりハードです。そして、智恵の輪が立つのは非常に狭い石垣の上。少しバランス崩すと海へ落下します。さらに、周辺の海は非常に浅いため落ちたら確実にケガします。

これはまるで禅問答!もしかして試されてる・・・?噂によると、輪のまわりを3回まわるだけで良い、くぐり抜けず3回頭を出し入れすれば良い、といった代替案もあるそうです。

なお、この智恵の輪があるのは観光船のりば。ここから乗船すれば、傘松公園がある対岸まで、天橋立を海上から見ながら向かうことができます。

可動する橋・廻旋橋

さて、天橋立へはこちらの廻旋橋を渡ります。一見すると普通の橋なので特に気にもせず渡ってしまったのですが・・・。

こいつ・・・動くぞ!

実はこちらは旋回橋という可動式の橋。タイミングになると一時的に橋が通行止めとなり、グイーンと音をたてて水平方向へ回り始めます!

それによってできた水路を、観光客をのせた遊覧船が悠々と通り抜けていきます!

気になる可動時間ですが、船が通るタイミングに合わせて動くため特に決まっているわけではなさそうです。ただし、日曜限定で観光用に11:00~15:00の毎時00分に動かしてくれるという情報も・・・!

潮騒の松原を歩く

橋を渡った先は、立派なマツが茂る松原が広がります。砂利が敷かれているため、歩きやすい道です。

天橋立の松、実は他の地域の松よりも倒れやすいという欠点があります。地下水位が高く、さらに土が富栄養化しているため、根があまり育たないまま幹だけが伸びてアンバランスな樹形となってしまっているそうです。

松原を一歩出ると、すぐ隣は穏やかな砂浜。潮騒に耳を傾けながら歩くのも心地よいです。

途中にはトイレや、海鮮メニューを扱うはしだて茶屋などもあります。休憩しながらのんびり散歩したくなる道です。

真水が湧く天橋立神社

約1kmほど歩いたところにあるのは天橋立神社。八大龍王という強そうな名前の神様を祀る神社です。

近くに「磯清水」という水が湧くことから、磯清水神社とも呼ばれています。この磯清水、ほぼ海に囲まれた砂浜なのに、真水が湧いているそう。本当に真水なのか飲んで確かめてみたいところですが、飲用はNGとのことでした。

神社の傍らに唐突に現れるのは横たわる大砲。長さ6.40mのアームストロング社製の大砲で、海軍思想普及のために大正12年に下付されたそう。

天橋立はここからさらに2kmほど続きますが、今回は天橋立ビューランドオープン待ちでの訪問だったのでこのあたりで折り返し。

天橋立駅から天橋立神社までゆっくり往復して、トータルの所要時間は1時間ほどでした。

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