海辺の国道沿いに並ぶかわいらしいフルーツバス停。地元の方にとっては見慣れた光景ですが、余所者にとってはその違和感はなかなかのもの。カラフルで写真映えする姿から、SNSでも頻繁に話題になる場所です。今回は車で5種類のフルーツをめぐってみました。
突然のフルーツ
国道207号線沿いに突如現れるフルーツ。まるでテーマパークのような演出ですが、こちらはバス停の待合室。その見た目通り「フルーツバス停」という名で呼ばれています。
内部は円形に並ぶ椅子とアーチ状の窓がメルへンな雰囲気を引き立てます。いずれもしっかりとした造りなので、雨風もばっちり防ぐことができます。
なお、フルーツバス停がある道路の愛称は「ときめきフルーツバス停通り」と呼ばれています。道には看板が立てられており、戦隊もののようなキャラクターも描かれています。
設置の経緯
気になるのは、このフルーツバス停を設置することになった経緯。
そのきっかけとなったのは、長崎旅博覧会。1990年に長崎市内で開催された地方博覧会です。
福岡や佐賀方面からアクセスする際に通り道となるこの小長井町では、訪れる人の心を和ませるために可愛らしいバス停をつくって盛り上げました。
このユニークなデザインは、シンデレラに登場する「カボチャの馬車」をイメージして作られたそうです。
※詳しくは諫早市のHPに記載されています。
5つのフルーツをめぐる
フルーツバス停は全部で16基あるそうですが、フルーツの種類はスイカ・メロン・ミカン・イチゴ・トマトの全5種類。いずれもディティールがしっかりと作り込まれているため、見ごたえがあります。
スイカ
まん丸の美味しそうなスイカ。表面はとってもツヤツヤしており、太陽を浴びて輝いています。てっぺんからはくるんと巻いたツルも出ています。
メロン
網掛けタイプで、大きな葉っぱが付いたメロン。海に面したロケーションが、直島の草間彌生さんの「南瓜」を連想させ、なんとも絵になります。
イチゴ
ピンと伸びたヘタが、回転しそうな勢いです。黒い種はペイントではなく、立体で作られているのがポイント。さらに、一部の種からは細い芽が出ているというこだわりよう。
ミカン
小深井バス停は黄色く熟れたみかん。木に包まれるように設置されており、まるで大きな実がなっているようにも見えます。よくみると、立派な枝も付けられています。
トマト
茂る葉っぱと茎まで丁寧に作られています。ちょっと塗装が剥げた部分が黄色くなっており、妙にリアル。「トマトって果物じゃないよね?」なんてツッコミを入れると、イチゴ、メロン、スイカも消えてしまうので抑えましょう。
ブドウ(おまけ)
フルーツバス停は5種類ですが、バス停《小深井》のトマトの後ろにブドウを見つけてしまいました。浮き玉を組み合わせてできているのですが、しっかりとヘタと葉が付けられています。
車でコンプリートするには
観光名所となっていますが、あくまでバス停なので専用駐車場などはありません。さらにバス停が並ぶ国道207号は交通量がなかなか多く、路肩も狭いため路上に停車することはできません。
5種類コンプするには以下のバス停が比較的車でも見やすいです。
バス停の裏側に道が伸びており、路肩が少し広くなっているため停車可能■メロン&イチゴ・・・バス停《平原》
海辺のメロンと、反対側にイチゴがそろっています。近くにセブンイレブンがあるので、買い物ついでにちらっと見ることが可能。■みかん&トマト・・・バス停《小深井》
みかんの付近にちょっとだけスペースあり。道路反対側のトマトも一緒に見ることができます。
Google Mapで「フルーツバス停」として登録されていますので、検索しても探すのは容易でした。
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