猊鼻渓のすぐ近くにある幽玄洞は、日本で最も古いといわれる鍾乳洞。3億5千万年前の地層に属しており、古生物の化石が今も多数残されています。華やかさは少ないですが、ちょっとした探検気分が味わえる洞窟です。
森に包まれた鍾乳洞
龍泉洞や安家洞など、多数の観光鍾乳洞を有する岩手県。一関市にあるこちらの幽玄洞は知る人ぞ知る鍾乳洞。自然の風景になじむ、瓦屋根切妻造りの建物が受付です。
受付を済ませて進むと、まずは解説コーナーからスタート。鍾乳洞の案内図や、洞窟内で見つかった化石の展示などがあります。
その後は自然の中の上り道。舗装されてますが、そこそこ傾斜があります。ここからは無人ですが、なぜかラジオが爆音で流れていました。何のために・・・?と思ったのですが、もしかしたら動物除けかもしれませんね。
探検気分が味わえる洞内
ひんやりとした洞窟内。狭い箇所も多く、足元は水が滴っています。多少汚れても良い服装、歩きやすい靴での散策がおすすめです。
照明はありますが、色鮮やかなカラー照明などは無し。映え要素は少ないですが、これくらいの方がリアルな洞窟探検みたいでどきどきします。
鉄パイプの手すりやトタンの床など、全体的に無骨な雰囲気が漂います。階段で進む立体的なポイントも多数。このような入り組んだ階段を見ると、冒険心がくすぐられませんか・・・?
なお、この鍾乳洞は入口と出口が異なる通り抜けタイプ。狭い箇所は多いですが、往復でのすれ違いが無いのは嬉しいです!
神秘的な自然の造形
水を湛えた地底湖「浄魂の泉」。透明度の高い水は神秘的で、眺めていると吸い込まれてしまいそう。水深10mのポイントには、Jの字に曲がって伸びる不思議な鍾乳石があるそうです。
見上げると深い亀裂が広がる「洞内クレバス」もあります。幽玄洞は、このような亀裂にそって形成されたと考えられているそう。
なんてことはないスペース、こちらは「コウモリの墓場」。土の中にはコウモリの骨がたくさん埋まっているそう。この鍾乳洞は静かにしているとコウモリの羽音が響き渡ります。きっとたくさんのコウモリが棲息しているのでしょう。
信仰を感じる鍾乳石
幽玄洞近くには観音霊山があり、古くから信仰の場として知られていました。その影響か、洞内には仏教や神道を感じるものも。いのち観音、水月観音などの仏像が要所要所に安置されています。
立ち並ぶ石筍は「十六羅漢」という名がつけられています。ちなみに十六羅漢というのはお釈迦様の16人の弟子のことです。
こちらは鍾乳石でできた「石筍こま犬」。言われてみればこま犬に見えなくもない・・・?
壁面に眠る古生物
その昔、水深50メートル前後の海底であったという幽玄洞。洞内からは、ウミユリ・三葉虫・フズリナなど古生物の化石が多く見つかっているそうです。
サッシのフレームとクリアなカバーがはめられているのは、ウミユリの萼(がく)の化石。岩盤上のものとしては日本初であったそう。
ウミユリのガクって何・・・・!?
そんな方のために、近くにはイラストも掲載。わかりやすくて良いですね!
他にも茎の部分の化石もありました。その形状から、銭石とも呼ばれるそうです。
アクセスと営業情報
最寄り駅はJR大船渡線の猊鼻渓駅ですが、そこから徒歩30分ほどかかります。
バス停《幽玄洞入口》があり、猊鼻渓駅前、もしくは一関駅前からバスでのアクセスも可能。ただし、バス停からも10分ほど歩きます。
見学所要時間は、ゆっくり見ても30分程度でした。
開洞時間 | 4~9月:8:30~18:00 10~11月:8:30~17:00 12~3月:9:00~16:00 |
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定休日 | 年中無休 |
料金 | 1,100円 |
公式サイト | https://www.yuugendo.net/ |
※掲載の情報は2022年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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