田島・横島の奥地に残る『岩国陸軍燃料廠横島出張所」を目指せ!(福山市)

広島県

橋が架かっており、車でアクセスできる離島、田島・横島。今回はドライブがてら、奥地にある戦争遺跡「岩国陸軍燃料廠横島出張所」を目指します!最奥まで行くには少々難易度があるので、事前調査は必須でございます。

訪問日:2025/5/6(火) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

橋で繋がる2つの島

広島県福山市にある田島(たしま)横島(よこしま)。全島が内海町に属する離島です。田島は「内海大橋」で本土と繋がっており、田島と横島は「睦橋」にて繋がっているため、車で気軽にアクセスすることができます。この2島に百島を加えて備後群島と呼ぶこともあるようです。

架橋離島とはいえ、島は島。離島好きとしてスルーするわけにはいきません!ということで、車で立ち寄ってみることにしました。

横島の奥地には「岩国陸軍燃料廠横島出張所」という旧日本陸軍の燃料貯蔵施設の遺構が残されています。今回はそこを目指して進んで行きます!

センスの光るCafe’59

草戸稲荷神社へ参拝したあとは南へ進み、内海大橋から田島へ。

橋のすぐ手前にCafe’59を見かけたのでちょっと寄り道。ここはオーシャンビューなテラス席を備えたおしゃれなカフェ。めちゃくちゃ雰囲気が良いし、店員さんも感じ良い素敵すぎるお店です。

アメリケーヌカレー、ハッシュドビーフなどこだわりの欧風メニューに加えて、クリームソーダやソフトクリームなどカジュアルなものも。

今日はそこそこ暑い日だったので、レモンスカッシュ買っちゃった!ドライブのお供です。

腰かける天使のオブジェ

田島に入り、少しすると見えてくるのが不思議なモニュメント。こちらは《海にむかう矢》高橋秀幸というアート作品。

角度を変えて見ると、赤い無機質なオブジェの上に、天使がちょこんと腰掛けています。「天使が運んだ宇宙のエネルギーがきらめく海のまちに甦らせる」というメッセージが刻まれていますが、いったい何を甦らせるのかは記載されておりません。ここは受けて側で想像する感じでしょうかね。

2022年には田島・横島を舞台に「みんなのせとうち備後芸術祭 Art Festival 2022 in UTSUMI」が開催されていたそう。アートの香りもほのかに感じる島なのです。

迫力の燃料貯蔵施設跡

睦橋から横島へ入り、本土側から見て一番奥へ進むと見えてくるのが「大浜シーパーク」。グランピングやビーチ、様々な体験が楽しめるレジャー施設です。

岩国陸軍燃料廠横島出張所跡のうち、最初の目的である燃料貯蔵施設跡があるのは、この大浜シーパークの駐車場。広い駐車場を見渡すと、目的のものを見つけました!

全部で4基あるのですが、1基だけ近づくことができます。巨大な壁が迫力ある姿。あたりはしっかり草刈りされており、すぐに近づくことができました。

入口らしき部分から中を覗くこともできます。資材や壊れたカートが散乱しており、何か別の用途で使用されていた形跡も。草木が茂っているので、しばらく手入れされていないようです。

ここはもともと民有地でしたが、昭和16年(1941年)に工事が開始され石油タンク11基が設置されたそう。空襲は免れ、戦後はアメリカ軍が接収。朝鮮戦争時には「米軍横島油槽所・大浜貯油基地」として利用されていたそうです。

昭和33年(1958年)に返還された後は民間に払い下げられるも、昭和50年(1975年)に閉鎖。その後LPガスの基地建設の話が上がるも、反対運動によって頓挫してしまったそうです。

森を越えて桟橋・係留場跡へ

お次は桟橋・係留場跡へと向かいます。この施設は海辺にあるのですが、一般道は繋がっていないため、事前にいろいろとルートを調べてから向かいました。

Google Mapに登録されている「監視所跡」というポイントの少し先に、車を停められるスペースがあり、そこから森を抜けていきます。

訪問時は既に車が数台。こんなにも同志がいるのかと思いきや、おそらくすべて釣り人さん。このあたりは人気の釣り場のようです。

こちらの緑のガードフェンスが目印。ここからは未舗装の道を進んで行きます。意外と歩きやすいのは、おそらく釣り人さんが日々歩いているため。

遠くに大浜シーパークのにぎなかな音楽が聴こえてきます。右手には、木々の奥に先ほどの燃料貯蔵施設跡もちらっと見えたりします。

5分ほど歩くと海辺の道へ。ここからしばらくは歩きやすい道。ときおりこんな崩落箇所もありますが、よく見ると足場が作られています。ここまもた釣り人さんに感謝です。

ときおり現れる釣り人さんに挨拶しながら進んで行きます。私としてはこんな果ての道に人がいてくれるのは非常に心強いです。でも、釣り人さんから見たら私みたいにどうみても釣り人ではない人間が突然現れて不思議に思われた気がします。

海辺に残る戦争遺跡

しばらく進むと、これ以上海辺に進めなくなります。この先は行けないのかもと不安になったのですが、陸側に道が続いています。

またまた海辺を離れて山へ。ここまで来たら、あと少し!

すぐに木々が開けて、砂浜に到着。その奥に静かにたたずむのが目的の桟橋・係留場跡。駐車スペースから歩くこと20分ほどでここまで来れました!時間はそれほどかかりませんでしたが、そもそもちゃんと行けるのかという不安があったのでドキドキでした。

砂浜に散らばる瓦礫の上を歩いて、少し近づいてみました。もう船がここに来ることはないのに、海に向かって伸びる姿に健気さを感じます。

陸地と繋がる部分は崩落しており、さらに立入禁止ロープ&フェンスも張られているので桟橋に乗ることはできません。

桟橋の近くには、燃料槽跡も。錆びついた大きなタンクはなかなかの存在感。

それにしても、今回ここまで来れたのも釣り人さんのおかげ。ほんと、どんなところにでも出現するなと思っていたところ、なんと桟橋の上にも釣り人さんが!!!

いったいどうやってそこまで行ったのでしょうか・・・・。

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