多数のタンチョウが集まる、鶴居村の観察スポット。特に給餌のタイミングには、無数のタンチョウが集まる様子を見ることができます。併設のネイチャーセンターで知識を深めることができるのも魅力です。
鶴居のタンチョウ観察ポイント
冬の釧路といえば雪の中に集まるタンチョウの群れ。釧路や阿寒エリアには多数のタンチョウ観察施設があります。
その名も「鶴居村」と呼ばれる地域にあるのが「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」。前回の「鶴見台」に続き、今回もまたタンチョウ観察ポイント。鶴見台から車で10分ほどでアクセスできます。
駐車場の直ぐ側に、人が集まっているスポットが。鶴見台もすごかったですが、ここもまたたくさんのタンチョウが集まっています。
鳴り響くのは、タンチョウの大きな鳴き声。この場所は、「残したい日本の音風景100選」にも選ばれているそうです。
給餌タイミングが狙い目
ここは、タンチョウとその生息地を保護するため、日本野鳥の会によって1987年に設置された施設。
タンチョウの餌が少なくなる11月~3月に給餌を行っており、時刻は9:00と14:00の1日2回。給餌時間の20~30分前に来ると、多数のタンチョウが飛来する様子を見ることができるとのウワサも。
今回は1月の9:30頃訪問したところ、多数のタンチョウでにぎわう様子を見ることができました。おそらく150羽ほどですが、最大で300羽近くになることもあるそう。
タンチョウは漢字で書くと「丹頂」。丹は赤色を意味しており、頭頂部が赤いことが名前の由来です。アイヌ語では「サルルンカムイ=湿原の神」とも呼ばれています。
10月はなわばり争いする姿が見られ、12月頃から多くのタンチョウが集いはじめます。2月には求愛のダンス、3月になり温かくなると湿原へと飛び立っていきます。4~9月は北海道東部の湿原で子育てを行っているそう。翼を広げて接近している姿を多数見かけましたが、求愛ダンスだったのかもしれません。
タンチョウ給餌のストーリー
気になるのはこのスポットの名前「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」。鶴居は知名ですが、「伊藤」はどういう意味があるのでしょうか。
この伊藤というのは人の名前。長年タンチョウ給餌人を務めた伊藤良孝氏から提供された土地であるため、その名を冠しているのです。
今でこそ普通に見ることができるタンチョウですが、開拓により棲息地を追われ、エサも不足していたことから絶滅の危機に瀕していました。伊藤氏は農業を営む傍ら、1966年よりタンチョウへの給餌を開始、その後は北海道の委託でタンチョウ給餌人、タンチョウ監視人を務め、タンチョウの保護のため尽力していたそう。
1987年には、タンチョウ保護のため日本野鳥の会と協定を結びます。こうして誕生したのがここ鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ。伊藤氏はタンチョウレンジャーとして給餌や解説を担当、他のレンジャーや研究者、ボランティアの相談相手としても活躍しました。
おすすめのネイチャーセンター
すぐそばにはネイチャーセンターがあります。自由に見学可能であり、暖房も効いているので立ち寄りがおすすめ。
ここでは室内からタンチョウ観察が可能!タンチョウのいるところからは少し距離がありますが、双眼鏡を貸してもらえます。
さらに望遠カメラの映像をモニターに映して、スタッフさんによる解説もしてもらえました!
オスとメスが被せるように鳴く「鳴き合わせ」、ほかのペアからエサ場を奪うシーン、タンチョウの子どもの探し方、さらにダンスの後の決めポーズなど、タンチョウならではのユニークな生態をたっぷり教えてもらえました。
ここで話を聞かせてもらうとタンチョウ観察の解像度がぐっと上がるので、最初に立ち寄るのがおすすめです!
最後の一枚はこちら、タンチョウのエサである「デントコーン」。
こんなポップコーンのはずれみたいなカリッカリのとうもろこしを咀嚼なしで飲み込んでお腹壊さないのが凄い!!しかも1日に食べる量は1,000粒とのこと!!
タンチョウは強い生き物です。
アクセスと営業情報
開館期間 | 10月1日~3月30日 |
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開館時間 | 9:00~16:00 |
休館日 | 毎週火・水と毎月1・3・5週の木曜日 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://tancho.marimo.jp/ |
※掲載の情報は2025年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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