別府地獄めぐり⑤ 日本庭園とピラルク泳ぐ熱帯魚館『白池地獄』(別府市)

大分県

庭園や石塔などの見どころがまるでお寺みたいな、落ち着いた雰囲気の地獄。園内にはミニ水族館が設置されており、南米の大型淡水魚など個性的なサカナが多数飼育されています。

訪問日:2024/4/3(水) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

庭園が広がる地獄

1931年創業の白池地獄。創業者が田園地帯で掘り当てたもので、当初は「玖倍理(くべり)地獄」とも呼ばれていました。

2009年には海地獄・龍巻地獄・血の池地獄とともに「国の名勝」にも指定されます。また、「別府地獄組合」にも入っているので共通券でめぐることも可能です。

園内には青白い地獄が広がります。もともとは透明なお湯ですが、噴き出した際に温度と圧力の低下により青白く変化するそうです。

石像と石塔

白池地獄の周りにはきれいに手入れされた和風庭園が広がります。庭園を歩いていると目に入ったのはこちらの石塔。

高さ3m弱の大きな石塔で、「国東塔(くにさきとう)」と呼ばれる大分県国東半島を中心に分布する宝塔の一種。南北朝時代末ごろ作と推定され、県指定有形文化財にも指定されています。

こちらは「向原石幢(むこうばるせきどう)」。石幢とは、六角または八角の石柱と、仏龕 (ぶつがん) ・笠・宝珠などからなる石造物。石の柱に屋根のついた「単制石幢」と燈籠のような「重制石幢」があります。よく見ると六体の地蔵像が彫られているのがポイントです。

そびえ立つのは鉄輪と所縁のある「一遍上人像」。初代は2016年の熊本地震の際に倒壊してしまい、現在は二代目だそう。一遍は、建治2年(1276年)、鉄輪を訪れます。人々が荒地獄に悩まされているのを知り、大蔵経を一字一石に書写して地獄に埋めて荒地獄を静めたという伝説が残っているそう。

二豊南画堂

園内には二豊南画堂という施設があります。初代社長が集めたという豊前・豊後に関係した画家の南画や書を中心に展示しています。

南画とは中国江南地方をルーツとする水墨画や淡彩画のこと。その多くは山水を柔らかい印象で描きます。

曇天の夕方の訪問であったためか、内部は薄暗く人の気配も無いためちょっとコワイ雰囲気。電気もありますが2箇所だけしか点灯せず、逆に不安になりました。

他の地獄に比べるとエンタメ性は控えめ。その代わり静かで落ち着いた雰囲気の地獄です。

熱帯魚館

園内には温泉熱を利用した水族館「熱帯魚館」があり、約20種の魚が飼育・展示されています。別府の地獄観光が発展していくと「何か目玉になるようなものを」という考えのもと、二代目社長の時代につくられたそう。

2019年にはリニューアルされています。ブルーの水槽が並ぶ館内は、水族館らしさが全開です。

見る角度で色が変わるアジアアロワナ。世界で最も高額なサカナといわれており、40,000,000円の値段がついたことも。「熱帯魚の赤いフェラーリ」なんて通称もあるそうです。

こちらはカイヤンというサカナ。タイのメコン川やチャオプラヤ川に生息するナマズで、パンガシウスとして食用販売もされています。私はくら寿司のメニューで初めてその名を知りました。

大王魚ピラルク

館内の目玉は、「アマゾンの大王魚」ことピラルク。1.7mほどの個体が泳いでいます。

大きいものは5mにも達するという巨大なサカナ。ウロコのある淡水魚では世界最大級の種であり、一億年前から姿を変えていないため「生きた化石」とも呼ばれています。

館内の展示には、「世界一うまいサカナ」との記載も。アマゾンでは食用にされるそうですが、いったいどんなお味なのでしょうかね。

ピラルクの剥製もあります。こちらはおさわりOKな記念撮影スポット。靴べらになるというウロコの厚みも体感できます。

出入り口の売店ではピラルクのストラップも販売しており、グッズである白池地獄タオルにもその姿が描かれています。この地獄のシンボルとして愛されているのでしょうね。

アクセスと営業情報

JR別府駅西口よりバス停「鉄輪」下車後、徒歩2分。車の場合は大分自動車道の別府ICより約7分。

直ぐ側には「かまど地獄・鬼山地獄」があります。駐車場はかまど地獄の前に無料駐車場がありました。

開館時間 8:00~17:00
定休日 年中無休
料金 450円
公式サイト https://shiraikejigoku.com/

※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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