サルだけを見ることができる高崎山自然動物園。ここはサルを飼育しているわけではなく、山に暮らす野生のサルを「サル寄せ」しています。子育てするサル、長老、群れのトップなど、リアルなサル社会を知ることができる動物園です。
野生のサルに会える動物園
大分市にある高崎山自然動物園は、サル専門の動物園。動物園といっても、サルを飼っているわけではありません。自然のサルの群れを「サル寄せ」することで、サルを見学することができるというスポットなのです。
そのため、タイミング次第ではサルがまったくいない、なんてことも。ホームページに状況が掲載されておりますので、訪問直前に確認してみると安心です。
そんな高崎山自然動物園は、水族館うみたまごの向かいにあります。駐車場も共有であるため、合わせての訪問がおすすめ。うみたまごからは、ブルーとイエローの歩道橋をわたって向かいます。
歩道橋にも現在の状況が掲示されています。ここで最終確認して訪問するかどうかを決めるのが良さそうです!
徒歩でサル寄せ場へ
歩道橋を渡り、少し歩くと受付。見どころとなるサル寄せ場は山にあるため、ここから先はモノレールに乗車するか階段で登るかの2択。「入園券」or「入園券+モノレール」いずれかのチケットを購入します。
受付のお兄さんはとっても的確。「モノレールはいま出発したから次は12分待ち、歩いたら5〜6分くらい」と案内がとってもわかりやすい。さらに「チケットはもう見せるところないのでしまって大丈夫です〜」という、地味にありがたい一言も。フレンドリーな雰囲気の方ではありませんが、かなり気遣いができる方のような気がします。
当初はモノレールに乗ろうかと思っておりましたが、5〜6分なら行ける気がしたので歩いて上ってみることにしました。木立に包まれたまっすぐな階段。迫力はありますが、段数も傾斜もそれほどハードではありません。
道中で見かけたサルの銅像。こちらは初代ボスザル・ジュピター像。サル寄せ当時から昭和36年1月まで君臨したボスで、郷土出身の彫塑家・朝倉文夫による作品であるそう。
自由に暮らすサルの群れ
さあ、サル寄せ場に到着!もうそこかしこにサルたちがいます。ここに現れるサルの群れは「A群」「B群」「C群」のいずれか。今回遭遇することができたのは、279頭のサルが属する「C群」でした。
子猿もたくさん。フェンスや蛇口など、いろいろなところでいろいろな遊びを繰り広げています。
少し腰がまがった姿勢といい、穏やかな表情といい、まるでおじいちゃんみたいな子猿も見つけました。
『さわらない、にらまない、からかわない、食べ物を与えない』という基本ルールはあるものの、近づいて写真を撮ったりしてもOK。サルの方も、目を合わせたり手を差し出したりしなければ、それほど人間を気にしません。
楽しいおじさんの解説
サル寄せ場では30分に一度エサやりタイムがあります。サルたちはおじさんのまわりに集まり大騒ぎ!
おじさんはエサをやりながらもサルたちのことをいろいろと教えてくれます。
驚いたのは、おじさんはサルの個体識別ができているということ。また、サルを紹介する際も「この方」と呼んだり、サルに話しかける際も「あなた方」と呼んでいたり、サルに対して敬意を感じます。
なお、間に係員いじりが挟まれるときも。『このサル名前は「破棄」「破断」。名付けた係員の心境が気になります。』『あの係員は家庭でナンバー3だそうです。ちなみに3人家族です。』といった具合に、思わず吹き出してしまうような内容で笑いをかっさらいます。
リアルなサルの社会
サルの群れには大人のオスはほとんどおらず、ほぼ全てメスと子ども。オスは年功序列と決まっており、争いはありません。例えエサを前にしても、先輩の前では取ることができないため、その様子から序列を判断できるそう。
一方、そこかしこでケンカしているのはメスと子ども。序列がないため、しばしば争いになるそうです。
こちらのサルがこの群れのナンバー2!なのですが、正式なナンバー1はB群に彼女を作って出てしまったので実質ナンバー1であるそう。
こちらは38歳のサル。人間でいうと120歳という群れの長老で、毛づくろいのボランティアがついています。最近20代の彼女ができて、すっかり若返って走り回ったりしているそうです。
サルを見るだけでなく、いろいろな事情もわかって大満足!サルの社会っておもしろそう、そう感じた方はぜひ公式ホームページへ!「Now on salu」というページを見てみると、非常にリアルなエピソードが多数投稿されています。
アクセスと営業情報
別府駅と大分駅の中心くらいの位置にあります。
別府駅より約15分、大分駅より約25分のバス停「高崎山自然動物園前」下車後すぐ。※別府駅から徒歩10分ほどのバス停「別府北浜」からの方が本数が多いそうです。
開園時間 | 9:00~17:00 |
---|---|
休園日 | 年中無休 ※年に数回休園あり |
料金 | 520円 |
公式サイト | https://www.takasakiyama.jp/ |
※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント