都会に残る茅葺き建築『世田谷区立郷土資料館』(世田谷区)

東京都(23区)

世田谷区の歴史を学ぶことができるミュージアム。古代から現代に至るまで、様々な歴史資料がわかりやすく展示されています。屋外には立派な茅葺き屋根の住宅も保存されており、都会の中で趣深い雰囲気を味わうことができるスポットです。

訪問日:2026/1/25(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

無料で入れる歴史資料館

世田谷区立郷土資料館は、世田谷区制30周年記念事業の一環として、昭和39年(1964年)に開館した博物館。当時は、都内初の公立地域博物館であったそうです。手狭になったことから昭和62年(1987年)に新館を増築、令和5年(2023年)にリニューアルオープンを果たしました。

入館料は無料。受付はありますが、特にスタッフさんはおらず。受付表に人数と区内か区外かの区別を書くだけでした。

1階は旧石器時代の出土品の展示と資料閲覧室。世田谷区の地誌だけでなく、様々な都道府県の地方史を閲覧可能となっています。

2階がメインの展示室となっており、古代から現代まで様々な歴史資料を展示しています。読み物はわかりやすく、歴史ミュージアムとしてばっちり楽しめる内容。もともとは農村であった世田谷が、郊外住宅地へと発展していった様子も感じ取ることができます。

様々な歴史資料

堂ヶ谷戸遺跡から出土した顔面把手付土器。土器の縁には細い目をした顔がついています。このタイプの土器は都内での出土例は少なく、令和6年に区の指定有形文化財に指定されました。

天井から吊り下がる藁の蛇は、大蛇お練りの大蛇。奥沢神社の例大祭にて担がれるもので、江戸時代中期に名主の夢のお告げに従い、疫病退散のために行われはじめました。

横たわるのは玉川上水木樋。江戸の飲料水を確保するための上水道であり、羽村市で取水した多摩川の水を新宿四谷までつなぐ全長43kmの長い距離を通っていました。この木の樋が、水道管だったのですね。

この木箱は、戦時中に使用されていた電極式パン焼き器。木箱の中には鉄板があり、電極につなぐことで加熱。流し込んだパン生地の水分が無くなると電気が通らなくなり、パンが焼き上がるという仕組みらしい。ちょっとやってみたくなります。

世田谷一の野毛大塚古墳

こちらは野毛大塚古墳の1/110復元模型。世田谷区の等々力渓谷の近くにある帆立貝形古墳。全長は82mにも及び、世田谷区の古墳で最大規模です。

よくみると小さな人が置かれており、築造中の様子。葺石が敷かれていく様や、埴輪が並べられている様子を見ることができます。

野毛大塚古墳から出土した箱形石棺のレプリカも。板状の石を9枚組み合わせて構成されているそう。埋葬施設は4基あり、この箱形石棺以外に3基、いずれも木棺であったようです。

埋葬施設からは甲冑や刀剣などの副葬品が出土。ここでは主にレプリカが展示されており、実物は東京国立博物館に所蔵されているそう。

以前、野毛大塚古墳を訪ねた際に現地には情報が少なくもっと知りたいと感じたのですが、ここに来れば良かったのですね!

世田谷名物ボロ市

季節展として開催されていたのはボロ市の歴史。「ボロ市」というのは東急世田谷線の上町駅近く、ボロ市通りをメインに開かれる蚤の市であり、毎年12月15〜16日と、1月15〜16日に開催されています。

その起源は天正6年(1578年)に始まった楽市であったそう。長い歴史を持つことから、東京都の無形民俗文化財にも指定されています。

享和元年(1801年)のボロ市を再現したジオラマ。警備のための代官による見回り行列も描かれています。

江戸時代、文化8年1809年の著作物「家例年中行事」に記されていた市の売り物を再現したコーナーも。塩漬けの「赤いわし」、火をつけるための「とうしん」など、今では見かけないものばかり。どれが人気だったのかな、なんて考えると楽しいです!

茅葺き屋根の代官屋敷

展示は屋外にも続きます。敷地内に建つ大きな茅葺き屋根の建築。こちらは国の重要文化財、代官屋敷。江戸時代中期以降、彦根藩世田谷領の代官を務めた大場家が住んでいた建物です。

茅葺き屋根の建築に外から見ても分かる2階があり、ベランダがあるというのがすごく新鮮です!

土間の内部に入ることもできます。並んだ3つのかまどから、ここが台所ということがわかりますね。

その先には板の間や居間が広がっていますが、立ち入り禁止。資料館にあった平面図を見ていると「切腹の間」という部屋を見つけてしまいました。物々しい名前の部屋ですが、何かあった場合はいつでもここで腹を切る覚悟で職務に当たっていたそうです。

ここは物凄く静か。日曜の昼頃に訪問したのですが、私以外に誰もお客はおらず、スタッフさんの姿も見えません。東京にいることを忘れてしまうほどの静寂が心地よかったです。

茅葺き屋根を見るとぜひ雪が積もっている姿を見てみたくなるのは私だけでしょうか?雪が積もったら行こうとしていたのが合掌造りが移築された「川崎市立日本民家園」だったのですが、ここも候補に加えておきます!

アクセスと営業情報

東急世田谷線「上町駅」より徒歩約5分。

開館時間 9:00~16:30
休館日 月曜、年末年始
料金 無料
公式サイト https://www.city.setagaya.lg.jp/02423/9013.html

※掲載の情報は2026年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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