宝くじに関連する様々な展示が広がるミュージアム。戦後復興期の宝くじ看板や、高額当選者しか見ることのできない「その日から読む本」など、他では見ることのできないユニークな展示品を見ることができます。
宝くじの博物館
東京駅の近く、京橋エリアに建つ宝くじドリーム館は日本宝くじ協会が管理する宝くじの博物館。
館内中央には宝くじのマスコット「クーちゃん」。宝くじ発売開始50周年を記念して誕生したキャラクターであり、頭の上の飛沫は夢と幸せを届ける姿勢を表しているそう。ちなみに性別と年齢は不明、出身地は夢の国です。
こちらは1億円の重さの体験コーナー。10,000枚の一万円札は、その重さ10kg。かなりの重さですが、なんとか一人でも持てるレベルでした。
写真付きで掲載されているのは社会貢献の一例。「宝くじの収益金でつくりました」といった表示はあちこちで見かけますが、美術館や博物館、インフラ整備など様々な利用がなされているのですね。
戦後に始まる宝くじの歴史
江戸時代などにおいて神社や寺の修復費用を集めるなどの目的で富籤(とみくじ)が発行されていました。昭和20年(1945年)7月に「勝札」という富くじが販売開始するも、当選を待たずに敗戦。そのため「負札」とも呼ばれることに。
その後、1945年10月に収益金を戦災復興目的にした「宝くじ」が販売開始。これが最初の政府による宝くじであり、現代的な宝くじの第一号となります。
こちらは戦後復興期の宝くじの看板。物資が不足していた時代、当選者に贈られるのは現金だけではなく、別の賞品が付いていたこともありました。
「住宅」「自転車」「タイヤチューブ」「シャツ」など、様々なものが賞品としてラインナップしていますが、そんな中で目を引くのが「牛」。今ではいったい牛をもらってどうするのかと思ってしまいますが、当時は様々な役割があったのでしょうね。
その後、オリンピックブームや大阪万博など国をあげてのイベントとともに盛り上がっていきます。
当せんを盛り上げる抽せん機
宝くじの当せん発表といえば、その瞬間を盛り上げる抽せん機。ここでは、その歴史が実物を交えて紹介されています。
1945年に東京日本橋の三越で行われた第1回宝くじの抽せん会にて使用されたのが、この「箱型抽せん器」。ハンドルを回して番号の付いた玉を出すガラポンタイプです。
1946年の第3回宝くじ抽せん会で使用された「手動式風車型抽せん器」。なんと、ボウガンで的を撃つという非常に刺激的な物。ちなみに風車盤は自転車の車輪が使用れているそうです。
さらに進化した「電動式小型風車型抽せん機」。手動式よりもコンパクトで、ボタン操作で回転&矢を発射できるそう。何事もデジタルになりつつある時代ですが、やっぱりこのようなアナログ式の方が抽せんをリアルに感じますね。
その日から読む本とは
こちらの本は「その日から読む本」。いったいどの日から読むのか気になる名前です。
その日というのは、宝くじに当選した日のこと。1,000万円以上の高額当選者に配られるハンドブックなのです。
銀行員でも簡単に閲覧することはできず、希望者に対しての配布なども一切行われていない完全なる非売品。いったい何が書かれているのか、ここに来ればその正体を知ることができます。
中身は、当せん金の使い道について、ローンや借金の返済を優先すること、当せんについて知らせる人をリストアップすること、仕事は辞めないようにすること、冷静になって落ち着くことなど様々な心がまえややるべきことが書かれています。「ひとりでも人に話せば、うわさが広まるのは覚悟しよう」といった具体的な内容も。
「当選した気分になって読んでみてください」とのことですが、読んでいるとすっかり当選した気分になっていました!そして、すぐに現実に戻り夢が覚める感覚も・・・。ちょっと不思議な気分を味わうことができる、ユニークな展示でした。
アクセスと営業情報
・東京メトロ銀座線の「京橋駅」4番・6番出口より徒歩3分
・都営地下鉄浅草線の「宝町駅」A5・A6・A7出口より徒歩3分
・JR線の「東京駅」八重洲南口より徒歩7分
開館時間 | 平日:10:00~19:30 土曜:10:00~18:00 |
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休館日 | 日曜、祝日、年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.takarakuji-official.jp/dreamplace.html |
※掲載の情報は2024年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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