日本武尊に縁のある、非常に長い歴史を持つ神社。鳥明神として祀られた歴史を持ち、境内では多数の鳳凰を見つけることができます。密かに安置されたキリシタン灯籠も見逃せません!
目黒の総鎮守である神社
目黒駅から徒歩10分ほどのところに建つ大鳥神社。広い交差点の角に位置しており、開かれた雰囲気のあるスポット。目黒の総鎮守であり、11月に行われる酉の市でも知られる神社です。
御祭神は「日本武尊(ヤマトタケル)」「国常立尊(クニノトコタチ)」、そして日本武尊の妃である「弟橘媛命(オトタチバナヒメ)」。夫婦神を祀ることから良縁や恋愛のご利益、さらには眼病平癒のご神徳も期待できるそう。
御神木の大イチョウも。武蔵野の名木として知られる樹木であり、昭和5年(1930年)に町民によって境内へと献木されたそう。空襲に見舞われるも復活した奇跡の巨木なのです。
古代から続く歴史
この神社の歴史は古く、景行天皇(西暦71年~130年)の時代に建てられた「国常立尊」を祀る社がルーツ。「日本武尊」が東夷平定の際に立ち寄り、部下の眼の病の平癒を祈願したところ、病は治り東夷を無事平定することができたという伝説が残っています。
このことから「盲神(めくらがみ)」と呼ばれ、眼病平癒の信仰が生まれたそう。また、これが訛って「めぐろ」という地名になったともいわれているそう。(※諸説あり)
日本武尊はその神恩に感謝し「十握剣」を奉納。「天武雲剣(あめのたけぐものつるぎ)」として、今も保管されています。その後、日本武尊の霊が白鳥として舞い降り、鳥明神として祀られます。大同元年(806年)には社殿が完成、この年が創建年とされています。
1200年という都内でも有数の長い歴史を持つ神社であり、目黒区の神社で最古であるそう。
境内で鳳凰さがし
鳥明神として祀られた経緯から、神紋は鳳。賽銭箱にも金色の鳳凰のレリーフが刻まれています。
手水舎に鳳凰の彫刻。体をひねらせた躍動感あふれる姿が見ごたえあります。
手水鉢に彫り込まれた鳳凰は、少しデフォルメされたかっこいい姿。ちょっぴりウルトラ怪獣感もあります。
他にも拝殿には多数の鳳凰が。参拝に訪れる際は、ぜひぜひ探してみてくださいね!
不思議なキリシタン灯籠
2002年に枯れてしまったオオアカガシの石碑。その傍に立つ灯籠の下部をよく見ると、不思議な彫りこみがあります。
こちらは切支丹灯篭(きりしたんとうろう)。肥前島原藩主・松平忠房の下屋敷にあったもので、幕府の弾圧をから隠れて信仰するためのと考えられています。
ここまで来たら、すぐ隣の大聖院へもぜひ足を運んでみてください!ここには、先ほどと同じ形状の切支丹灯籠が3基も並んでいます。こちらも大鳥神社と同様に、松平忠房の屋敷にあったものであるそう。
このような形状の灯籠を、「織部灯籠」とも呼びます。その名からわかる通り、桃山時代の茶人・古田織部が考案したそう。ということは、古田織部はキリシタンだったのでしょうか・・・?様々な説がありますが、明確な根拠はないようです。ただし、大坂の陣にて豊臣家との内通を疑われて自刃したという話があるため、キリシタンではないことを物語っているような気がします。(※キリシタンは自ら命を絶つことを禁じられているため)
織部を取り巻く人物には多数のキリシタンがいたため、その人たちのために考案したのか、それともたまたま信仰に適した形状となっただけなのか。謎は深まります。
アクセスと営業情報
JR山手線、東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線の「目黒」駅より徒歩10分ほど。
開門時間 | 境内自由 |
---|---|
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.ootorijinja.or.jp/ |
※掲載の情報は2025年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント