おしゃれでかわいらしい雰囲気のお寺。小さな境内には、思わず写真に撮りたくなるシーンがたくさん。そんな爽やかなお寺ですが、どろどろした東海道四谷怪談とも関連があります。
料金:無料
陽雲寺へのアクセス
最寄り駅は地下鉄丸ノ内線の四谷三丁目駅で、3番出口から出れば徒歩5分ほど。
外苑東通りを一本入った住宅街の中に、瓦屋根の門が突然現れます。
爽やかな境内
陽雲寺は、身延山久遠寺を本山とする日蓮宗の寺院。紅葉、竹、柳などが茂る境内は、隅々まで手入れがされており、清々しい空気が流れます。
寺務所の建物も新しく、とってもキレイな印象のお寺です。
ふと樹上を見上げると、小鳥の置物と鳥小屋が。境内は広くないですが、小さな発見が楽しめます。
都内で見られる花手水
「龍神様の手水」にはアジサイが浮かんでおります。淡いブルーや薄紫の花が、とっても涼し気です。
花を浮かべた手水のことを「花手水(はなちょうず)」と呼びます。インスタ映え抜群の被写体なので、近年SNSを中心に話題になっている催し物です。
この花手水を行っているお寺は日本各地にありますが、都内で見られるところはとても珍しいのではないでしょうか。
かわいい苔盆栽
境内を眺めていると、目に入るのは随所に置かれたコケの盆栽。風流でありながらも、おしゃれでかわいらしい雰囲気を作り上げる粋なインテリアです。
「都心であるためあまり多くの草花を植えることができず、かわりに四季を感じられるように」そんな想いで設置されている盆栽たち。様々な種類がそろっており、自分好みの鉢を探してみるのも楽しそうです。
背中からコケを背負ったカメさんや、ハリネズミならぬコケねずみなど、かわいらしい作品も隠れています。隅々まで目が離せません。
カフェもありマス
お寺ごはんのお弁当やご縁餅を扱うおしゃれな寺カフェ「うくらいま食堂」が営業していました。
カレーやみたらし団子など、美味しそうなメニューが揃っています。ラインナップや営業日は変動することもあるので、公式Twitterで確認するのが良さそうです。
境内には屋根付きのテラス席もあり、おしゃれカフェと呼んでも差し支えないほど良い雰囲気。昼下がりのマダムがおしゃべりする声が響きます。
恐ろしい四谷怪談
東海道四谷怪談で有名なお岩さんを祀っているため、「於岩稲荷(おいわいなり)」とも呼ばれています。
東海道四谷怪談は、鶴屋南北によって作られた歌舞伎狂言。悲しい最期を遂げたお岩さんは、恐ろしい姿で描かれています。
そんなお岩さんを祀るお寺となると、もっとどろどろしたイメージを持っていました。しかし、こちらの陽雲寺はとっても爽やかな印象です。
お岩さんの真相
実際のところ、東海道四谷怪談はフィクションのお話。お岩さんという実在の女性をモデルに、いくつかの事件を組み合わせて作られた創作の物語なのです。
実際のお岩さんは、家庭を大切にする貞女だったと言われています。そんなお岩さんを祀る陽雲寺には、悪縁を除き、良縁を招く縁結びのご利益があるそうです。
向かいにも於岩稲荷
陽雲寺と道路を挟んだ向かい側にある神社。こちらは四谷於岩稲荷田宮神社。こちらの神社にも「於岩稲荷」という名が付いています。
小さな鳥居と狐様が並ぶ、とても静かな境内。
もともとこの地にあった稲荷社は明治12年の火災で焼失。歌舞伎役者の市川左団次の勧めで中央区新川に移転します。その後、新川とは別にこちらも再建され、現在に至ります。
2つの於岩稲荷をめぐっていると、都心にありながら少しだけ喧噪を忘れて過ごすことができます。新宿あたりでちょっと空き時間ができた方は、ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
余談ですが、「於岩稲荷」を変換しようとすると「お祝いなり」と出てしまいます。急に縁起が良さそうに見えてきました!
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