現代も生き続けるレトロ建築『大分銀行 赤レンガ館』(大分市)

大分県

大分の中心部に鎮座するレトロな洋館。リニューアルされた後はショップとカフェが入るおしゃれな空間ですが、随所に当時の面影を感じることができる仕掛けが残されていました。

訪問日:2024/4/4(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

辰野金吾の建築作品

大分市中心部に残る唯一の洋館、それは大分銀行 赤レンガ館。大正2年(1913年)、旧二十三銀行本店として建てられました。

手掛けたのは辰野金吾。「東京駅」「日本銀行本店 」なども手掛けた、日本を代表する建築家です。

イギリスから輸入した赤レンガで仕上げられた重厚な外観。白い御影石を帯状にまとい、屋根の上にドームが乗る姿は、まさに辰野式建築。

平成8年(1996年)には国の登録有形文化財にも指定されました。

今も現役の銀行

実はこの建物、観光施設ではありません!大分銀行として現役なのです。そのため、入口にはこんな看板もあります。

内部には貸金庫があり、さらにATMコーナーもあります。

この赤レンガ館、太平洋戦争の空襲で外壁の一部を残しほとんど焼失してしまいました。しかし戦後の昭和24年(1949年)に修復され、大分銀行本店として使用され続けます。

昭和41年(1966年)8月に新本店に移転した後は、府内会館として使用されていましたが、大分銀行の創立100周年を記念して改築。平成5年(1993年)1月に赤レンガ館として再び竣工、再度銀行業務に用いられることになりました。

ショップとカフェも出店

平成27年(2015年)4月6日にローンプラザ支店が赤レンガ館から移転した後は実質的に空き店舗となっていましたが、平成30年(2018年)3月20日にリニューアルオープン!

現在は銀行に加えて大分銀行が設立した、大分生まれの商品のセレクトショップ「Oita Made」が入店しております。

観光で立ち寄った際に、ちょっと良いランクのおみやげ探しもおすすめ。ハチミツや薄い杉の板で作られたフロアランプなど、他のお土産屋さんでは見かけないようなものにも出会うことができます。

営業時間 平日:10:00~18:00
日祝:10:00~17:00
定休日 水曜
公式サイト https://oitamade.jp/

さらに、カフェ「タウトナコーヒー」も出店しています。大分発のコーヒーの専門店で、イートイン&テイクアウトどちらも可能です。

営業時間 11:00~18:00
定休日 水曜
公式サイト https://tautona-coffee.com/

歴史を感じる内部

リニューアルされてピカピカな館内ではありますが、その随所には歴史を感じるものも残されています。

立ち並ぶコンクリートの柱は、昭和24年(1949年)の再建時に建てられたもの。装飾のための梁「化粧梁」も修復再現されています。

内装の一部には建設当初の赤レンガも使用されています。よく見ると、空襲による火災で真っ黒に炭化した木レンガの姿も。

こちらの文字盤が完全ではない不思議な時計、実は営業時間の9-15時の間しか目盛りがないという銀行仕様の時計。平成5年(1993年)の銀行支店開設時に作られたものであり、なんと大理石でできています。

さて、外観・内観ともに見学を終えたので次の目的地、「大分県立美術館 OPAM」へと向かいます!コーヒーの良い香りの誘惑に負けて、キャラメルラテ買っちゃいました。

アクセスと駐車場情報

大分駅から徒歩5分。車の場合は大分ICから15分ほど。駐車場はありませんので、周辺のコインパーキングを利用します。ざっくりですが40分100円、60分200円くらいでした。

大分城址公園から歩いても10分ほどなので、今回は「大分城址公園」「アートプラザ」とあわせてめぐりました。

※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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