徳川家に縁の深い東照宮は、金色に輝くゴージャスな社殿を持ちます。透塀に彫られた動植物や立ち並ぶ青銅鳥居など、わかりやすい見どころも多いです。
3~9月:9:00~17:30
10~2月:9:00~16:30
【御拝観】
3~9月:9:30~17:00
10~2月:9:30~16:00
拝観料:500円
上野東照宮へのアクセス
上野東照宮があるのは、上野公園の中。上野駅から徒歩で10分ほど、上野動物園に隣接しています。周辺には寛永寺の諸堂が多く並んでいますので、上野神社仏閣めぐりが楽しめます。
東照宮とは・・・?
日光や久能山をはじめ、全国に約130社あるという東照宮。どんな神様を祀っているかご存知でしょうか?
正解は「徳川家康」。戦国を治め、江戸時代を築いた家康は東照大権現という名の神様となったのでした。
この上野東照宮は、藤堂高虎が自分の屋敷に徳川家康を祀った宮を作ったことが起源とされています。
立ち並ぶ灯籠
目を引くのは灯籠。神社に灯籠があることは珍しくないのですが、数が多いのがポイント。たくさんのの灯籠がびっしりと並ぶ様子は壮観です。
全50基あるこの灯籠は諸大名から奉納されたもの。よく見ると、奉納者の名前が刻まれています。
こちらは御三家灯籠。尾張・紀伊・水戸の徳川御三家から奉納されたものです。
傘のくるんとした部分、よく見ると龍のような生き物が舌を伸ばしている姿となっています。これは蜃(しん)という伝説の生き物で、蜃気楼を生み出すといわれています。
参道に並ぶ見どころ
参道には「広島・長崎の火」が置かれています。千羽鶴が連なる石碑の中心には鳩型のレリーフの中には小さな火が灯る。これは、ヒロシマ・ナガサキの原爆瓦から採火した炎を点火したもの。原子爆弾によって広がった炎が今もここで燃え続けているのです。
こちらは鐘ではなく「大鈴」、酒井八右衛門が寄進した青銅のずっしりした鈴は、ゆすってみるとかすかに音が響きます。
高くそびえる五重塔。塀が建てられており、近づくことはできません。
もともとは東照宮の一部でした。明治時代の初頭、神仏分離令が発令されると、神社にあった多くの五重塔が破壊される事件が発生します。その際、神社・東照宮ではなく、寺院・寛永寺の所属にすることで破壊を免れました。
その後、寺からは距離があるというで東京都に寄付され、現在はなんと上野動物園の敷地内に建っています。ちなみに、動物園内では、塔のすぐ近くにはシカが飼育されています。奈良公園のようで雰囲気ぴったりです。
参道の突き当りには金色に光る唐門が。
扉の左右には、伝説の大工・左甚五郎作と伝わる昇り龍・降り龍が彫られており、 毎夜不忍池の水を飲みに行くという伝説も残っています。偉大な人ほど頭を垂れるということから、頭が下を向いている方が昇り龍と呼ばぶらしいです。
キラキラと輝く金色殿
ここまでは無料で拝観できますが、この先唐門の内部にある金色殿を拝観するには、受付にて拝観料が必要になります。
500円を支払い内部に入ると、透塀に囲まれた黄金の社殿が見えてきます。
きらきらとした金色ですが、漆黒の瓦が上手く引き締めており上品な印象です。近づいてよく見ると、精巧な細工が随所に施されています。
本殿や拝殿が一棟となっている「権現造り」でお寺に近い神社。この社殿は、1651年に3代将軍・家光が改築したものです。戊辰戦争、関東大震災、東京大空襲と上野を襲う天災・戦災も免れてきました。
内部から見る唐門もゴージャス。外から見るよりも、多くの彫刻を見ることができます。
アニマルレリーフ
社殿を囲む「透塀(すきべい)」には、いろいろな動物たちが彫られています。
社殿や唐門は神獣が中心でしたが、こちらはシギやシカ、カルガモやフナ、はたまた巻貝だったりと野山や海に暮らしている生き物ばかりで素朴な印象です。
上段には野山の動物と植物、下段には海川の動物と分かれています。フェンスにテプラで生き物の名前が記されているため、とってもわかりやすい。神社というよりも、博物館に来ているような気持ちになります。
個人的に一番気に入ったのがこちらのダルマガエル。ぷっくりとしておりとってもかわいらしいです。
タヌキを祀る栄誉権現
社殿の隣には、小さなお社が見えます。
こちらに祀られている神様は・・・なんとタヌキ!狸の木像をご神体とした神社。「たぬき」=「他を抜く」ということで、強運開祖、受験・就職・必勝の神様として信仰されています。
祀られているタヌキ・栄誉権現は四国八百八狸の総帥とのこと。四国と言えば、日本三大狸である屋島の太三郎狸は四国の狸の総大将だった気がします。もしかして栄誉権現は太三郎狸と同一ではないのでしょうか。調べてみたのですが、そもそも栄誉権現に関する情報がほとんどでてきません。
狸に詳しい方、いませんでしょうか。
上野の神社仏閣めぐりはまだまだ続きます。
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