仁淀ブルーと称される、青く澄んだ水が美しい仁淀川の上流。複数のブルースポットがありますが、今回は安居渓谷周辺を散策しました。水晶淵、砂防ダム、せり割洞穴の3ヶ所をさらっとめぐります。
仁淀ブルーはどこで見る?
愛媛県・高知県を流れる仁淀川(によどがわ)。四万十川、徳島の吉野川に続いて、四国第三の川であり、近年その水の青さを称して仁淀ブルーという名でSNSを中心に話題となっています。
日本各地に存在する○○ブルー。摩周ブルー(北海道)やボニンブルー(小笠原諸島)などと同じように、ここもまたブルースポットの1つなのです。
一言で仁淀川と言っても、その流域はとても広い。中津渓谷、にこ淵、安居渓谷など、仁淀ブルーのスポットはかなり離れています。例えば、にこ淵〜安居渓谷、安居渓谷〜中津渓谷はそれぞれ車で1時間ほど。
位置的にも一本道沿いではなく点在しているため、一度に全てまわるのはかなりハード。どこで見るか、事前にきちんと絞って計画を立てるのがおすすめです。
迷ったのですが、駐車場からの歩行距離が少なく、かつ「水晶淵」という魅力的過ぎる名前のポイントがある安居渓谷を目指すことにしました。
高知市内から向かう安居渓谷
レンタカーで高知市内から安居渓谷へ向かいます。高知ICから高知道に乗り走ること約10km。伊野ICで一般道へと下りていきます。
33号線、194号線、439号線と進みます。しばらくは両側車線の道が続きすいすいと進めます。ずっと川沿いを走るのですが、この川は実は仁淀川。下流に近いためか、まだ仁淀ブルーな雰囲気ではありません。ルートはこのままずっと上流までたどっていきます。
途中には名越屋沈下橋があります。沈下橋は、河川が氾濫しても流されないように欄干を省いた設計がされた特殊な橋。四万十川では、いくつもある沈下橋がフォトスポットとなっております。もし四万十川行きを断念した方は、ここで沈下橋を堪能しても良いのではないでしょうか。
ラストスパートは県道362号線を8km。すれ違い困難な箇所も多く一見すると運転しづらい道ですが、平坦で割と見晴らしは良いです。そんなに距離は長くないので、焦らずゆっくり進めば大丈夫。
約10分で安居渓谷の入り口となる宿「宝来荘」に到着。カーナビを利用するかたは、この宝来荘をセットするとスムーズかと思います。
煌めく水たまり『水晶淵』
宝来荘の近くに駐車場がありますが、ここでは駐車せずにもう少し奥へ車で進みます。すぐに第3駐車場(水晶淵)と書かれた駐車場があるので、こちらに停めるのがおすすめ。ここから水晶淵までは徒歩200mほどです。
駐車場から遊歩道を進むとすぐに水晶淵が見えてきました。
その名が示す通り、青く透き通った美しい水たまり。まるで裏摩周にある神の子池のようなクリアブルー。曇天でもこの美しさなので、晴れていたらどれほど輝いているのでしょうか。
周辺には積み上げられた石がたくさんあり、賽の河原のような雰囲気も。
人工物との調和『砂防ダム』
水晶淵からさらに奥へと進むと、コンクリート製の砂防ダムが見えてきます。砂防ダムから流れ落ちる水が滝のようで、その滝つぼがエメラルドグリーンに輝く。水晶淵に勝るとも劣らない美しさ。
真っ直ぐな人工物から絶え間なく落ちる水が静謐な淵に動きをもたらします。ザーザーと音を立てて白い水が緑色の淵に消えていく様子は、ずっと眺めていられそうなくらい魅力的です。
なお、水晶淵からここまで来るには岩場を歩くことになるので、動きやすい服装と滑りにくい靴推奨です。
世の中には様々なマニアが存在しますが、砂防ダムマニアっているのでしょうか。気になったので検索してみたところ、砂防ダム好きな方はけっこういるみたいです。ただ、普通のダムに比べて情報も少なくアクセスも悪いイメージ。かなり険しい道なのではないでしょうか。
岩に囲まれたブルー『せり割洞穴』
砂防ダム・水晶淵から駐車場に戻る途中、「せり割洞穴30m」と書かれた案内板を見つけました。何だかわからないのですが、30mならすぐそこだと思い、見に行ってみることにしました。
横たわる巨大な岩。これがせり割洞穴かと思いきや、こちらは大岩淵。長さ6m、周囲15mはありそうな巨岩は動きが無くとも迫力あります。
その先には名前もない淵。こちらも洞穴では無さそうですが、薄めで繊細なブルーに輝きます。
さらに進むと、遊歩道は岩の切れ目の中に入っていきます。どうやら、こちらがせり割洞穴。岩と岩の隙間が、まるで洞穴のようになっています。
奥は行き止まりですが、岩の隙間から見える仁淀ブルーもまた素敵。
なぜ青いのか・・・?
仁淀川はなぜ青いのでしょうか?
このあと訪問した梼原(ゆすはら)にある雲の上の図書館で、こんな本を見つけました。
そこには仁淀川が青い5つの理由が書かれています。(以下抜粋)
2. 仁淀川は”急峻な川”だから
3. 日本一雨が多い川だから
4. 岩が硬くてV字の谷だから
5. 仁淀川人の心がきれいだから
本書では、それぞれの解説も書かれています。様々な切り口で考えられた理由は、どれも納得の内容。気になった方はぜひお手にとってお読みください!と言いたいところですが、ネットでは販売していない様子。どこで手に入るのでしょうか。
他にも乙女河原や飛龍の滝、見返りの瀧など見どころがありますが、満足したのでこれで安居渓谷はおしまい。
お次は雲の上のまち檮原へ向かいます!「檮原」ってなかなか読めませんよね?
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