アイヌの聖地、二風谷(にぶたに)の湖畔にあるアイヌ博物館。きれいな館内には、アイヌの道具や工芸品など様々な展示がびっしりと並んでいます。屋外の再現住居と合わせて、どっぷりとアイヌ文化に浸れる場所です。
聖地・二風谷
平取町(びらとりちょう)にある二風谷は、チプサンケと呼ばれる進水式などが行われるアイヌにとって聖なる土地。現代でも多くのアイヌが住んでおり、北海道の中でもより強くアイヌ文化を伝承している地域です。
そんな二風谷でアイヌの文化を伝えるために造られたのがアイヌ文化博物館。アイヌ文化振興法成立前となる1992年に造られた施設です。
道具や映像、さらには簡単な体験コーナーを通じて感覚的にアイヌ文化を知ることができます。様々な工芸品や伝統儀式の映像、ボタンを押すと音声が流れる教則本のようなアイヌ語マシーンなんかも設置されております。
アイヌの狩り
狩猟採集民族として知られているアイヌ。ここには、狩りに使用していた弓矢や矢筒・小刀といった道具がたくさん並んでいます。
こちらはクワリと呼ばれる仕掛け弓。手順にしたがって弓矢とヒモをセットします。下にある輪っかを引っ張ると左奥からクマがぬーっと出現。クマがヒモにひっかかると、バシュッと矢が飛びクマを狙い撃ちに!本当に矢が飛びます!
魅力的なアイヌ紋様
こちらはカパリミという衣服。他では見かけない特徴的なアイヌ紋様は、現代人から見ても魅力的なデザインに映ります。
魔除けの意味があるこの紋様は、成人前の娘が身に付けなくてはいけないことの1つ。男性から求愛を受け入れた際、その相手に自分が刺繍したものを送るそう。
こちらはマタンプシという鉢巻き。髪を結ぶことがないアイヌにとって、狩りなどの作業を行う際に髪の毛が邪魔にならないように、この鉢巻きを巻いてまとめていたそうです。
ここに展示されているのは男性用ですが、その多くは女性からのプレゼントとのこと。この鉢巻きにも、もしかしたらラブストーリーが秘められているのかもしれません。
「アイヌ紋様を描いてみよう」コーナーでは、なつかしの磁石のお絵かきボードが設置されています。せっかくなのでやってみよう!
どうでしょうか!?けっこうキレイに描けてませんか?
一見すると、凄くがんばって描いた様に見えますが、実はスタンプがアイヌ仕様に改造されています。並べて押すだけなので、誰でも簡単に描くことができます。
再現されたアイヌコタン
博物館のまわりには、再現されたアイヌのコタン(集落)が広がっており、チセという最終兵器のような名前の家が並んでいます。
こちらの家屋は「プ」という倉。食料を貯蔵していたそうです。高床式の形式をとっているのは、おそらくネズミや湿気対策ではないでしょうか。
この2つの小さな小屋、いったい何かわかりますか?
正解はトイレ!左がメノコル(女子便所)、右がオッカヨル(男子便所)という名前が付いております。男女で形が違うのもおもしろい。
アクセスと営業情報
車の場合は札幌から約2時間、新千歳空港から約1時間ほど。苫小牧からも1時間ほどとすぐ近くなので、沙流川歴史館・二風谷ダムと合わせてフェリー到着日に訪問するのにもぴったりです。(※北海道における1時間は「すぐ近く」って感覚です)
休館日:4/15~11/16は無休、それ以外の期間は月曜
※12/16~1/15は整備のため休館
料金:400円
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