菅原道真を祀る神社。境内に広がる池には水上橋が延びており、爽やかな水上散歩を楽むことができます。梅の花はもちろん、キリシマツツジや紅葉の庭園など、季節に合わせて姿を変える神社です。
道真の想いを感じる天満宮
「天満宮」というのは菅原道真を祀る神社のこと。平安時代に右大臣として活躍するも、福岡県の太宰府に左遷。失意のもとでこの世を去った人物として知られています。
京都の天満宮といえば、「北野の天神さん」こと北野天満宮が知られていますが、ここ長岡京市にも長岡天満宮という歴史ある神社があります。道真の没後、道真作の木像を祀ったのがそのルーツ。一度は廃れるも、明治時代に再興され現代にいたります。
この神社があるのは菅原道真の所領であったとされている場所。太宰府へ向かう際、この地に立ち寄り都を振り返り名残惜しんだと伝わっており「見返り天神」とも呼ばれています。
境内の入り口となるのが正面大鳥居。総御影石製の鳥居で、その高さは9.75m、総重量は50トンにも及びます。土台部分には、紅梅と白梅が刻まれており、華麗なる仕上がり。

静かに水を湛える八条ヶ池
大鳥居の先に広がるのは八条ヶ池。灌漑用水を兼ねた大池として、江戸時代に造られたものです。そこに架かる中堤が参道となっているため、池の中を進んで行くような感覚。

両側にはキリシマツツジが多数植えられており、名所として知られています。4月下旬に訪れれば燃えるように真っ赤な花を咲かせる姿を見ることができるそう。

八条ヶ池にはヒノキで作られた水上橋が架かっており、八条ヶ池ふれあい回遊のみちと名付けられています。

長岡京市は中国浙江省の寧波市と友好都市を結んでおり、こお水上橋は、省都・杭州市の西湖に浮かぶ「三潭印月」を望む島にある回廊をモデルにしているそう。
水上橋の先には六角舎があります。ここは自由に出入り可能!ベンチも置かれており、公園の東屋のようなポイントです。

朱色が生える御本殿
二の鳥居はバラバラになっております。元禄5年(1692年)に霊元天皇にやって寄進されたものですが、平成30年(2018)年の台風21号の影響で倒壊。技術的に修復は困難であることから、あえてこのままの姿で保存されています。

境内には錦景園と名付けられた小さな回遊式庭園もあります。弁天池のまわりに植えられているのは多数のモミジ。ここは紅葉の名所であるそう。

庭園には笠松地蔵が祀られています。すぐそばには笠松地蔵尊出現の地という石碑も。「出現」ということは、突然この地に現れた伝説があるのでしょうか。気になりますが、詳しいことはわからず。

朱色が鮮やかな御本殿。建築を担当したのは伊藤忠太。京都の平安神宮や祇園閣、東京の築地本願寺など、多数の神社仏閣建築を残す建築家です。長岡天満宮に関わっていたのは初耳!と思ったのですが、この社殿は昭和16年(1941年)に、平安神宮から移築されたものであるそう。

天満宮ならではの梅と牛
拝殿向かって右に立つのは白梅殿。内部は絵馬殿となっており、江戸時代に奉納された古の絵馬がたくさん!

白梅殿の反対側には紅梅殿もあります。そういえば、最初の正面大鳥居にも紅梅・白梅が描かれており、先ほどの御本殿前にも紅梅・白梅が植えられていました。
なぜこんなに梅推しなのかといいますと、御祭神の菅原道真が梅を愛していたことに由来します。道真に愛された梅の木が、太宰府へ向かう道真を空を飛んで追いかけたという「飛梅伝説」も残されています。
社紋も梅の花をかたどったもの。各地の天満宮の社紋も梅の花ですが、実はそれぞれ少しずつ異なっています。ここの社紋は全て円で構成されたシンプルなデザイン。

梅と共に天満宮のシンボルといえば牛!道真が丑年生まれであり、太宰府へ向かう途中に追手から救ったり、さらには遺骸を運んだ牛が途中で動かなくなった場所を墓所とした、など様々な牛に関わるエピソードがあるので、神の使いとされています。

様々なデザインの牛がありますが、中にはこんなかわいらしいものも。デフォルメされて、まるでキャラクターみたいな姿です!

さてさて、最後の一枚はこちら。八条ヶ池付近に置かれた石灯籠に貼られた白いガムテープ。そこに記されていたのは「カラアゲ」の文字。唐突に現れる食べ物の名前に理解が追い付きません。

謎過ぎるメッセージを解読したくて、調べてみたのですが上手くみつけることができず・・・。この石灯籠が「からあげ」という名前なわけは無さそうですし、鶏肉料理以外に神社用語もしくは建築用語で「からあげ」というコトバがあるのでしょうか。もしくは、屋台設置の目印だったりするのでしょうか。そんなからあげの謎を抱えつつ、次の目的地へと向かいます!
アクセスと参拝情報
・JR東海道線の「長岡京駅」西口より徒歩20分
・阪急京都線の「長岡天神駅」西口より徒歩10分
| 開門時間 | 境内自由 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 公式サイト | https://nagaokatenmangu.or.jp/ |
※掲載の情報は2025年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


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