百島 Part 2 アートの香りを感じる島あるき(尾道市)

芸予諸島

常石港から高速船で百島・福田港に到着したのが前回のおはなし。集落をゆるく散歩しながら、クローズしている「日章館(旧百島東映劇場 )」や「ART BASE MOMOSHIMA」をちらっと見ていく、そんなゆるめの島旅です。

訪問日:2025/5/6(火) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

百島みんなの家

帽子をかぶったような姿でひときわ目立っている建築、こちらは百島みんなの家。設計を担当したのは伊東豊雄。横浜駅前に立つ「横浜風の塔」や、しまなみ海道・大三島に立つ「伊東豊雄建築ミュージアム」、大坂万博の「EXPOホール・シャインハット」など各地に作品を残す建築家です。

内部には「尾道市役所百島支所」と「百島簡易郵便局」が入っており、さらに広々とした交流スペースも。

小上がり席や本・マンガ、きれいなトイレも備えており、憩いの場といった雰囲気。お店がほとんどない島内、もし休憩するならここを利用させてもらうのが良さそうです。船の待ち時間にも良さそう、と思ったのですが港から少し離れているのでご注意を。

八幡神社とお弓神事

趣深い石段の先に鎮座するのは百島八幡神社

木々に包まれた木造瓦葺きの立派な社殿。18社が合祀されているそうです。

ここでは毎年1月中旬には「お弓神事」が行われます。島内の3地区それぞれから選ばれた15名が、紋付き袴姿で的に向かって矢を射る風景は新春の風物詩であるそう。

嘉吉元年(1441年)に起こった嘉吉の乱にて、室町幕府の第6代将軍・足利義教を討つも討伐軍に敗れた赤松満祐。その一族7名が百島へ移り住み、その追手から身を守るために行ったのがはじまりといわれています。

ART BASE MOMOSHIMA

百島八幡神社のすぐ傍に建つ真っ白な建物。こちらは旧百島中学校舎。1999年に閉校しておりますが、2010年に現代美術作家の柳幸典によって改修工事がスタート。ART BASE MOMOSHIMAというアートセンターとして再活用がはじまりました。

館内ではいくつかのインスタレーション作品が常設展示されており、 1,500円にて鑑賞可能。ただし、2025年の開館は毎週日曜の10:00〜17:00のみ。

今回は平日に訪れてしまったので、内部を見学することはできませんでした。

映画館・日章館(旧百島東映劇場 )

絡まるツタと錆びついた看板やベンチがただならぬ雰囲気のこちら、昭和36年(1961年)に建造された映画館・日章館(旧百島東映劇場 )

映画館があるというのは、かつて多くの人で非常ににぎわっていたことが読み取れます。令和5年9月時点での人口が378人(※ritokei参照)ですが、明治~大正期には2,000人を超える人が暮らしていたそう。耕地面積が人口を賄えず、島外へ入植していくほどであったそう。

向かって左には入口というプレートもありますが、閉ざされています。現在はアートハウス・プロジェクトにより改修工事が行われており、内部には柳幸典《ヒノマル・イルミネーション》というインスタレーション作品が展示されているそう。ART BASE MOMOSHIMAが管理しており、常設展示のチケットにて、この日章館の作品も鑑賞できるそうです。

チェーンがかけられた階段。奥は真っ暗闇で、吸い込まれそうになります。

旧百島支所

こちらの建物は、昭和29年(1954年)に建造された旧百島支所。木造二階建ての建築であり、登録有形文化財にも指定されています。

窓から中を覗くと「展示は2階になります」との文字が。もしかして中に入れるのかもと思ったのですが、施錠されていました。

ここもまたART BASE MOMOSHIMAによって改修されており、2階がイベントスペース、1階がゲストハウスになっているようです。宿泊できるのかなと思ったのですが、HPで予約に進もうとすると「準備中」でした。

GOEMON HOUSE

百島にはGOEMON HOUSEというスポットがあります。なんとなく瀬戸内海の離島アートっぽいネーミング。

こちらはちょっと個性的な宿泊施設。土曜日1泊の宿泊のみ受け付けているようです。

宿泊可能人数は2名〜4名。気になる宿泊料金は「素泊まりプラン」が2名 88,000円(1名追加ごとに10,000円)、「お食事付プラン」2名 140,000円、3名 180,000円、4名 200,000円 (+税金)とのこと。

お値段から、ただの宿泊施設ではないことはひしひしと伝わります。

公式HPによると、「現代美術家の榎忠、原口典之、柳幸典の作品」の常設展示や、「特大五右衛門風呂」など、特別な時間を過ごすことができそうな気配。さらに、先ほど紹介した「ART BASE MOMOSHIMA観覧チケット」も付くそう。アートベースは日曜だけなので、土曜にここに泊まって翌日鑑賞するというコンボが決まりますね。

予約に進んでみると、2025年5月時点では、「現在メンテナンス等のため、個別のご連絡によるご宿泊のご予約をお受けしています。」とのことでした。

なお、Google Mapの口コミを見ると、「押し入れには人糞があります、名前はアリス。」という意味不明な内容が。これはいったいどういうことなのか気になります。

(※その後のちひろ調べで謎は解けたのですが、あえて記さずにおきますね・・・)

福田港から常石港へ

ぐるっと集落をめぐり。16:40頃に福田港へ。島に着いたのが15:39なので、島内散策は1時間ほど。ほぼ外観だけでしたが、ぐるっと一回りするにはちょうど良いくらいの時間。出航の16:57まで少し時間があるので、港にいるきっぷ回収のおばあさんとおしゃべりして過ごしました。

この航路は高速船とフェリーが交互に運航していますが、帰りも行きと同じく高速船ニューびんご。

夕暮れ前の少し落ち着いた空気の中を船は進んで行きます。17:06に常石港に到着。さぁ、明日は「魚島群島」へと向かいます!ということで、今日はこのまま尾道まで。せっかくなら尾道ラーメン食べよう!夜でもやってるお店はあるかな・・・?つづく。

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