近代から現代に至るまで、膨大な作品を収蔵する美術館。所蔵作品の一部を展示したコレクション展や、様々な企画展を開催しており、何度訪れても新鮮な気持ちでアートにふれることができます。展示作品の多くは写真撮影可能というのもポイントです!
歴史ある国立美術館
皇居の北側、北の丸公園内に位置する東京国立近代美術館は、明治時代から現代に至るまでの様々な美術品を収蔵・展示するアートミュージアム。1952年に日本初の国立美術館としてオープン、70周年を迎えた非常に長い歴史を持つ美術館です。
設計を担当したのは谷口吉郎。「東京国立博物館東洋館」「出光美術館」など数多くの建築を手掛けた建築家です。
略称は「東近美」、または「The National Museum of Modern Art, Tokyo」を略して「MoMAT」とも呼ばれています。
充実のコレクション展
13,000点を超える所蔵作品のうち、会期ごとに約200点ほどを展示したMoMATコレクション展を開催しています。3フロアを使った展示で、かなり見ごたえがあります。
各所には椅子や畳敷きの腰かけスポットも。ゆったり休みながら見ることができて良いですね!見学ペースが自分と全く同じ人に出会ってしまったときなどにひと休みしてやり過ごすこともできます。
一部の作品を除いて写真撮影も可能。美術館でパシャパシャ音を立てるのは少し気が引けますが、気になった作品を記憶に停めておくのに一役かってくれます。
4階にある「眺めのよい部屋」は、窓の向こうにお堀と皇居東御苑を望む展望台となっています。並べられた椅子に座る人々は一言も発さず静かに景色やスマホを楽しんでいました。
引き込まれる作品群
ここからは、私が気になった作品を勝手に紹介させていただきます!
『しぐれ』by 木島桜谷
6曲の屏風に描かれた大きな作品。表情が感じ取れるほどリアルでありながらも幻想的なシカの姿に見とれてしまいます。
『女』by 荻原守衛
艶めかしさにあふれる彫刻作品。遺作となったこの作品は、密かに思いを寄せていた相馬黒光という女性を描いたとも、愛に苦しむ自分自身を移したとも。
荻原守衛については
https://chihirog.com/rokuzan-art-museum/
『道路と土手と塀』by 岸田劉生
青空の下に広がる土の道と土手。手前に伸びる黒い二本の影は何かの柱でしょうか。立体的に描かれていますが、この坂道は急なのか緩やかなのかその傾斜が掴みにくい、不思議な作品です。
『歩む鷲』by 須田国太郎
力強く茂る樹木を中心に、タイトルとなるワシを右下に配置した作品。羽を広げず、歩みすすめるワシを見ていると、恐竜が進化して鳥になった話がすんなり飲み込めます。
『眼のある風景』by 靉光
赤い岩や枯れ葉のような色合いから自然の風景に見えますが、そこに強烈な違和感をもたらすのが中央に描かれた「眼」。碧色に輝く瞳は、何かを羨むようにも悟ったようにも見える虚ろな表情。これは生き物なのか、何なのかを考えるのも無意味に感じます。
東京国立近代美術館分室
国立近代美術館から徒歩5分ほどのところに建つこちらのレンガ建造物は、旧・東京国立近代美術館工芸館。陶磁、ガラス、漆工など、様々な作品の展示を行っておりました。
赤レンガ仕立ての重厚な建築、もともとは大日本帝国陸軍の近衛師団司令部庁舎でした。1910年に建てられたもので、国の重要文化財にも指定されています。
2020年に工芸館は金沢に移転。現在は「東京国立近代美術館分室」となっています。
2022年現在、展示は行っていないため内部に入ることはできません。フェンスの外から眺めるだけですが、国立近代美術館へ訪れた際にはちょっと寄り道して往時の面影を感じてみてはいかがでしょうか。
アクセスと営業情報
東京メトロ東西線の竹橋駅より徒歩2分。都営新宿線の九段下駅からも徒歩10分ほどでアクセスできます。
開館時間 | 10:00~17:00 ※金土は20:00まで |
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休館日 | 月曜 |
料金 | 所蔵作品展:500円/企画展:展示によって異なる |
公式サイト | https://www.momat.go.jp/am/ |
※掲載の情報は2022年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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