紫川に暮らす生き物を中心に展示した小さな水族館。かつてドブ川と呼ばれていた紫川の復活ストーリーも展示されており、地域の人々の努力と水環境の大切さを知ることができるスポットです。
無料のミニ水族館
北九州市水環境館は、紫川沿いに立つ紫江’s(しこうず)というショッピングモールの地下にあります。
館内は1mほどの小型水槽が並ぶミニ水族館。紫川流域で見ることができる様々な生物を飼育・展示しています。水槽はいずれもとってもキレイ!アクアリウム展示施設のような雰囲気です。
イラスト付きの解説パネルもついてます。添えられているテキストも程よい長さでとっても読みやすいです。
紫川の生き物
中流域に暮らすオイカワ。オスは春から夏にかけて婚姻色と呼ばれる鮮やかなカラーリングにチェンジ!水槽内でも、色づいたオスがメスを追いかけていました。
干潟に暮らすトビハゼ。皮膚呼吸ができるため、水から出ていても大丈夫なサカナです。かつて紫川河口の護岸工事が行われる際、絶滅危惧種であるトビハゼを守るため干潟を残したというエピソードも残っています。
こちらは外来種が集められた水槽。ブラックバス、ブルーギル、ウシガエル、スクミリンゴガイと、定番のラインナップが一つの水槽に入っています。内部は上手く区切られており、見る角度によって印象が大きく変わるというテクニカルなレイアウト。
海水が混じる「汽水域」となっている下流には、海の魚も暮らしています。こちらはクロダイの子ども。かなり警戒心が強く、人が近づくと逃げます。
リアルな観察窓
館内には、紫川の水面下を覗くことができる観察窓が設置されています。
今日はお昼ごろに大雨が降っていたため水が濁っており、サカナはほとんど見えません。見れたのはガラスにへばりつく貝と、底を動き回るヤドカリくらい。でも、これこそリアルな川の中ですよね!
運が良いと、スズキやクロダイ、ヒガンフグ、ナルトビエイなどのサカナも見ることができるそう。
ちなみに外から見るとこのような感じ。ネットで囲っているように見えますが、サカナを囲っているわけではなく、あくまでゴミよけ。観察窓から見える水中は、本当の川の中なのです。
蛇もたくさん
まるでアリの巣観察キットのような水槽はジムグリというヘビ。地面に潜る生態のヘビですが、ここでは地中での様子を観察できます。
黒と黄色のヘビがいますが、どちらもシマヘビ。黒い方は黒化型という、生まれながらに黒い色素が多い個体だそうです。
立派なアオダイショウ。アオとはつくけどそんなに青くないと思っていたのですが、他のヘビを見た後だととても青く見えます。この水環境館では孵化に成功しており、たくさんの小さなアオダイショウも見ることができます。
紫川のストーリー
ここに来たらぜひとも見ておきたいのが、紫川の復活ストーリー。館内には、イラストや写真を交えたわかりやすい展示パネルが設置されています。
かつては小倉城の内堀として利用され、水運も行われていた紫川。大正時代になると河口域に次々と工場が立ち並び、その排水によって川は汚されていきます。さらに昭和になると家庭排水も流され、ヘドロの川へ。その頃は何でも川に捨てられていたそうです。
そんな紫川をなんとかするため、昭和中期から市民ボランティアにより清掃活動がはじまります。下水処理場の完成も後押しとなり、徐々に水質は改善へ。アユの遡上や、ホタルが見られるまで回復することに成功しました。
市民、企業、行政が一体となって環境改善を行ったことで再生を果たし、「奇跡」として国内外に紹介されたそうです。
アクセスと営業情報
JR小倉駅より徒歩約10分。車の場合は都市高速小倉駅北出口より約10分ほど。駐車場は無いため、周辺のコインパーキングを利用することになります。
観光名所の小倉城や商業施設リバーウォークのすぐ近くなので、ついでにふらっと立ち寄るのにもおすすめ。通常時は19:00まで営業しているので他の観光スポットと合わせやすいのもポイントです。
開館時間 | 10:00~19:00 |
---|---|
休館日 | 火曜、年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://mizukankyokan.jp/ |
コメント