無料で楽しめるコンパクトな日本庭園『旧安田庭園』(墨田区・両国)

東京都(23区)

江戸時代からの歴史を持つ大名庭園。園内には干満差がある心字池や、阿部忠秋に関わる史跡などの見どころが。開園時間は長く入園料も0円なので、公園のような感覚でのんびりすることができる庭園です。

訪問日:2024/11/30(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

歴史ある大名庭園

両国駅の近くにある旧安田庭園は、江戸時代に造られた大名庭園。笠間藩・本庄松平氏の下屋敷であり、明治時代には岡山藩主・池田氏の邸宅に。その後、安田財閥の祖である安田善次郎によって購入されます。

東京市に寄贈されるも、1923年の関東大震災によって崩壊。復元が行われ、1927年に一般市民向けに開放されました。

入口は3ヶ所。JR線の両国駅に近い「西門」、都営大江戸線の両国駅に近い「東門」、2018年に移転してきた刀剣博物館に面する「北門」があります。今回は「回向院」や「両国花火資料館」をめぐったあとに向かったので、西門から。

人々の憩いの場

入園無料ということもあり、公園のような雰囲気。近くに暮らしている人の憩いの場といった庭園です。

東門にはキッチンカーエリアがあり、パスタ、ピザ、モンブラン、ホットワイン、コーヒーなどを販売中。テーブルと椅子も置かれています。

キッチンカーエリアの傍にある心字亭は、小さな和室のある休憩所。縁側もあってゆったりできます。

本日は11月の過ごしやすい秋晴れの日。ベンチに腰掛けて談笑している人が多数おり、のどかな雰囲気でこころが落ち着きます。

潮入りの心字池

庭園の中央に位置するのが心字池。大きなコイが泳ぎ、カモやアオサギが訪れる大きな池です。

かつては隅田川の水を引いており、潮の干満で水位が変化する景観を楽しむことができる「潮入り池泉回遊式庭園」であったそう。1960年代には水質の悪化などを理由に水門が閉鎖。その後、1971年に貯水槽が造られ、人工的に干満が再現されるようになります。

現在は1日で30cmも水位の変化があるとのこと。今回は干潮に近いタイミングであったため、飛び石が出現していました。

駒止の史跡

こちらの石は駒止石。駒止というからには馬と何か関わりがあるのでしょうか。

ときは寛永8年(1631年)。隅田川にて大洪水が発生します。江戸幕府3代将軍・徳川家光は状況を調べさせようとするも、あまりの濁流に誰もが尻込みしてしまうという事態に。そんな中、旗本・阿部忠秋が馬を巧みに操って川を渡り、被害を調査。その際に馬を止めて休憩した場所が、この石であったそう。

そんな忠秋を人々が敬い、祀ったのが駒止稲荷神社。駒止石の直ぐ側に、静かに鎮座していました。

近くには駒止井戸もありますが、その由来は不明。忠秋のストーリーに出てこなかったので、もしかしたら駒止石のそばに造られた井戸、というだけなのかもしれません。

覗いてみると、鉄のフェンスの奥には水を湛えていました。ちょっとだけ吸い込まれそうなコワさも。


小さな庭園なので、一周するだけなら10分もかかりません。見応えは控えめですが、言い換えれば「あれも見なきゃ」みたいな忙しさは皆無。のんびり過ごすのにはぴったりの場所でした。

なお、「刀剣博物館」の屋上からは、庭園が一望できます。黄色く染まる大きなイチョウがそびえ立つ姿は、ここからが一番良く見えますね!

アクセスと営業情報

JR総武線の「両国駅」西口から徒歩7分、もしくは都営地下鉄大江戸線の「両国駅」A1出口から徒歩5分。

開園時間 4〜9月:9:00~19:30
10〜3月:9:00〜18:00
※16:30以降は一部閉鎖
休園日 12/29〜1/1
料金 無料
公式サイト https://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/kouen/kunai_park_annai/sumida_park/park08.html

※掲載の情報は2024年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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