ビルに囲まれた都市部にある日本庭園・旧芝離宮庭園。都内にある日本庭園の中ではコンパクトなので、のんびりと公園のような感覚で過ごすことができます。今回は、夏と秋にほんの数日限定で開催される夜間ライトアップ狙いで訪問しました。
期間:2019/11/20(水)〜11/23(土)の4日間
時間:日没〜21:00
料金:300円
オフィスに囲まれた庭園
大江戸線や浅草線の大門駅から徒歩3分、そしてJR線の浜松町駅から徒歩1分というオフィス街にある日本庭園。近くには浜離宮恩賜庭園もあり、名前が似ていて間違えやすいのでご注意ください。
通常なら17:00が閉門ですが、夏と秋のライトアップ期間に限り夜の21:00まで延長しています。
入口ではスタッフさんが道行く人に声掛け中。芝離宮のある浜松町はスーツ姿のサラリーマンがたくさん。入口の前も仕事終わりのスーツ姿の人々が途切れることなく歩いていました。
夜の日本庭園へ
受付で150円を払い、庭園内部へ。入園するとすぐに目に入るのは池の向こうに輝くライトアップされた木々。燃えるように赤く染まる庭園は、まるで色彩の違う異世界に来たような気持になります。池のほとりに立つ雪見灯籠も異界の人にすら見えます。
園内ではピアノの調べが流れており、ライトアップを眺めているととても穏やかな気持ちに。トリップしそうな世界観ですが、背後にそびえる近代的なビルが現実に戻してくれます。
カラフルなライトアップ
ライトアップは音楽に合わせて徐々に色が変わっていきます。フットライトの色もシンクロしてカラフルに演出。もっとこじんまりとしたものをイメージしていたのですが、常に変化する明かりはなかなか見ごたえがあります。
岩場からは、雲海をイメージしたというミストが吹き上がる。風が強いため流されがちですが、ライトに照らされて色づいた霧は幻想的。
もし、江戸時代の人がこの妖艶な明かりをみたらなんて思うでしょうか。美しい極楽浄土か、はたまた妖しい地獄に来たと思うのではないでしょうか。
フード&ドリンク
園内には数軒の屋台が軒を連ねています。江戸野菜を使った品川汁の「江戸料理 竃屋」や、天ぷら、炭火焼、だんご、そばなど江戸のイメージに合うラインナップ。美味しい香りと威勢の良い声が胃袋を刺激します。
夕飯を済ませている方には、プレミアムモルツ(350円)などの大人向けメニューも。立地的に来ているのは大人ばかり。サラリーマンたちが仕事帰りに一杯引っ掛けてるご様子です。
弓道場が休憩スペース
芝離宮はそんなに広い庭園ではありませんが、園内には弓道場があります。夜間拝観時は休憩所として開放されており、椅子やテーブルが設置されています。屋台で買った食事やドリンクを楽しむ人々の姿がちらほら。
昔少しだけ弓道をやっていた経験があるので、並べられた的(マト)、そして的場に斜めに盛られた土「垜(アヅチ)」を見るととっても懐かしい気持ちに。
道場内には、弓道の解説パネルもあります。8段階に分かれた弓道の基本動作である「射法八節」や、弓道とアーチェリーの違いなども書かれています。
弓道の展示と合わせて芝離宮の歴史についての展示もあります。江戸時代、大久保忠朝(おおくぼただとも)が屋敷に造った楽壽園(らくじゅえん)という庭園がルーツ。六義園や小石川後楽園など都内に多く残る大名庭園の1つなのです。
この季節、都内には紅葉ライトアップやイルミネーションを行うスポットがたくさんありますが、この旧芝離宮恩賜庭園は程よいボリューム。あまり広いと寒さに負けてしまいますし、かといって小さ過ぎても物足りない。
旧芝離宮庭園は、その点においてとてもちょうど良いライトアップだなと感じました。注意すべきは、期間がたった4日しかないこと。もう少し長く催行していると行きやすくなりそうです。
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