釧路市発祥の地といわれる米町。港を見渡す静かな町の中には、ちょっとした見どころがたくさん。今回は朝イチで軽く散歩してきました!
シンボルの米町展望台
釧路駅から南へ約4kmほどのところに広がる米町(よねまち)。港町の風情が残るエリアであり、ちょっとした散策スポットとして人気のまちです。
そんな米町のシンボルが、米町公園にある米町展望台。カタチは灯台そのものですが、灯火機能はありません。
上ってみると、釧路港周辺をぐるっと見渡すことができます。冬の港って、なんともいえない情緒を感じますね。
周辺には石碑が多数。北海道初となった「石川啄木歌碑」や「釧路港修築碑」などが並んでいます。
この公園のトイレは明治・大正期にあった劇場「共楽座」をモチーフとしています。レトロなたたずまいがかわいらしいです。
釧路の一之宮・厳島神社
米町公園から歩いてすぐのところには、厳島神社が鎮座しています。
釧路の一之宮として信仰されている神社で、1786〜1792年に建立されたと推定されております。当初は弁天・阿寒・稲荷の3柱を祀っていたそうですが、現在は市杵島姫命のほか7柱の神さまを祀っています。
こちらの絵馬は、「厄」「病」「災」の文字がくりぬかれています。
くり抜いた文字は、お賽銭箱のそばの三方へ納めるのがならわしであるそう。
こちらは拝殿内で見かけた祈願文箱。神様への感謝と願いを書いたお手紙「祈願文」を納める場所とのこと。神様へお手紙を書くという信仰、初めて見ました。
赤と白の釧路埼灯台
米町公園から500mほどのところには、赤と白の不思議な建造物が立っています。
こちらは釧路埼灯台。非常に珍しいビル型の灯台なのです。地上から塔頂の高さを示す塔高は17m、平均海面から灯火の高さを示す灯火標高は51m。点灯開始は1891年、1899年の釧路港開港に先駆けて建設されました。

釧路市立博物館で見かけた初代(昭和11年)の写真
これまでに2度ほど建て替えが行われており、現在の灯台は2001年に改築された3代目。初代は灯台らしい塔のカタチでしたが、2代目から建物のような姿に、3代目でビル型に変わったようです。先ほどの「米町展望台」の方が、釧路埼灯台よりもずっと灯台らしい姿をしていますね・・・!
この釧路灯台、上ることはできません。そもそも上ることができる灯台「参観灯台」は全国に16基ほどしかないのです。ということで中に入れないことは普通なのですが、この灯台は周辺が立入禁止であるため近づくこともできません。
おなじみ海上保安庁の青色案内板はありました。本当に灯台なのか半信半疑でしたが、これを見ると一気に灯台らしく感じてきます。
鉄道跡に残る旧米町踏切
釧路埼灯台から1km弱のところには、フォトジェニックな海に向かう踏切があります。
全国各地にある海の踏切、釧路にもあったのですね!と思ったのですが、このあたりに鉄道は走っていないはず。なぜ唐突に踏切があるのでしょうか。
かつて、この地には石炭輸送を目的とした釧路臨港鉄道が造られていました。1925年に春採〜知人区間にて開業、1963年までは旅客運送も行っておりました。2019年3月に運行停止、6月に廃止となり線路は撤去されました。
雪が積もっていますが、おそらく線路は残っていいなそうな雰囲気。
この踏切は廃線後も保存されていたのかと思いきや、全国からの募金によって2020年に復元されたものであるそう。かつて線路があったことを伝えるには十分すぎる存在感。どこからかカンカンという音色が聴こえてくるような気がしました。
さて、そろそろ釧路市博物館のオープン時間なので、そちらへと向かいます!今回は早朝であったためまだ開いていませんでしたが、米町には他にも旧釧路新聞を原寸で復元した記念館「港文館」や、釧路最古の木造住宅「米町ふるさと館」などの立ち寄りスポットもあるそうです。もし訪問される方は、ぜひお立ち寄りください!
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