来島海峡に浮かぶ来島は、島そのものが水軍の城跡。島内には石垣や本丸跡など、かつての面影を感じるポイントが多数遺されています。波止浜港からわずか5分という、アクセスのしやすさも魅力な離島です。
来島ってどんな島?
愛媛県の今治市に属する来島(くるしま)は、面積わずか0.04㎢の小さな島。
瀬戸内海の難所といわれる来島海峡に浮かんでおります。時間とともに流れを変える潮流に守られており、かつては村上水軍の根拠地であったという歴史を持ちます。
アクセスは波止浜港から
しまなみ海道周辺の離島ですが、架橋されていないため船に乗る必要があります。発着は今治市の波止浜(はしはま)港。今治駅からバスで約20分ほど、波止浜駅から歩いても20分ほどです。
船の本数は1日10便、所要時間はわずか5分。運賃も160円という、非常にお手軽な離島です。
波止浜港を出ると、すぐにぽつんと浮かぶ姿が見えてきます。
今回は、同じ航路上にある小島・馬島と3島あわせて訪問しました!旅程はコチラの記事にて。
徒歩でめぐる島
あっという間に到着した来島の港。特に施設などはなく、非常に静かです。
島内の見どころを示した案内図があります。これ、ゼッタイに写真に撮っておきましょう!離島ではGoogle mapに道が記されていない、というケースが多々あります。
桟橋から少し離れたところにはトイレ付きの待合室がありました。おそらく島で唯一の公衆トイレなので、ここで済ませてから散策しましょう。
来島は小さな島であり道もそれほど整備されていないので、移動手段は徒歩一択。滞在時間は1時間もあれば充分見て回れるそう。今回は滞在時間55分で散策してみます!
八千矛神社と心月庵
港の目の前にある八千矛神社。来島城築城とともに、守護神として建立されたものであるそう。社を支える石垣に、城郭の面影を感じます。
集落を進むと、石垣に設けられた石段。来島城跡の本丸へはこちらを登っていきます。
ソテツやシャラが生い茂る道。人の気配はありませんが、鳥の鳴き声と、近くの来島海峡大橋を渡る車のモーター音が聴こえてきます。
まっすぐ進むと、城主の館跡である心月庵が見えてきます。薬師如来らしき本尊が安置されています。
来島城の本丸へ
心月庵から少し戻って別の道を登っていくと、見えてくるのは村上神社。おそらく村上氏を祀る神社であり、社殿内部には歴代城主となった村上家の肖像画が掲げられています。
村上神社の先へ進むと、ついに本丸跡に到着!ここまで港からまっすぐに向かえば15分ほど。
草木が生い茂っておりますが、その隙間からは車が行き交う来島海峡大橋や、造船所が並ぶ波止浜湾が見渡せます。
かつて瀬戸内海において勢力を広めていた海賊、村上水軍。海賊から連想するような略奪行為を行っていたわけではなく、水先案内や護衛、海域の治安維持を行う代わりに通航料を徴収したりと、様々な経済活動を行っていました。
村上水軍は因島、能島、来島と三家に分かれており、ここ来島は来島村上家の本拠地。島全土が水軍要塞「来島城」であったそうです。
大内氏や毛利氏を経て豊臣秀吉に使えていた来島村上家は、関ヶ原の戦いで西軍についたため豊後へ転封。来島は約160年に及ぶ水軍城としての役割に幕を閉じます。
海辺の散策
本丸跡から港周辺へ戻ってきたところ、まだ船まで時間があります。ということで、島の東側の海辺にあるという桟橋柱穴跡を探しに行ってみることにしました。
港の案内マップを頼りにそれらしきポイントを探してみるも、全く見つかりません。後で聞いたのですが、満潮時は海に沈んでしまうため、全く見ることができなくなってしまうそうです。
不発に終わって港へ戻る途中、海へと続くレールを発見!離島ではたまに見かける光景ですが、やっぱり写真に撮りたくなってしまいますね。
そんなことをしているうちに、乗船予定の船が到着!滞在時間55分は充分過ぎました。
乗船券は波止浜港を出るときに先に渡してしまっているので、そのまま乗船。Suicaもびっくりな顔パス仕様です。
次は戦争遺跡の多数残る小島(おしま)へと向かいます!
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