古座川の不思議な奇岩めぐり『一枚岩・虫喰岩・牡丹岩』(古座川町)

和歌山県

古座川町の古座川沿いには、熊野火山の活動によって形成された奇岩が並んでいます。そのなかでもメジャーな一枚岩・虫喰岩・牡丹岩の3つをめぐりました。岩を食う魔物の正体についても考えてみました!

2019/5/1(水)

巨岩や奇岩がてんこ盛りな紀伊半島。そんな中でも古座川沿いに立ち並ぶ3つの岩をご紹介します!もう今回は岩だらけです。

穴だらけの奇岩『虫喰岩』

那智勝浦・太地町方面から古座川沿いを進むと、最初に待ち受けるのは高池の虫喰岩

高さ20mほどの岩肌に、直径10cmほどの穴がたくさん!まるでスポンジのような見た目の、世にも奇妙な岩です。

この穴は虫が食べたわけではなく、風化によってできた「タフォニ」と呼ばれる穴。

特に策やロープも無いため、かなり接近することができます。近所に住んでいたら秘密基地作りたくなってしまいそうです。ただし、崩落の危険があるようなのでくれぐれもお気をつけて!

岩の上の方には何やら板のようなものが張られています。小さなスペースですが、まるで小屋のよう。もしかして秘密基地では・・・?

調べてみたところ、もともと祠が安置されていたらしい。現在その祠は、諸事情により岩の左下の地上へと移動しています。

諸事情って何でしょうか?岩の風化だったらそう書くと思うのですが・・・

目の前は道の駅ですが、小さなお店があるだけ。しかも営業時間は土日の10:00~16:00とかなり限定されてます。道の駅というよりはトイレつきの駐車場といったイメージ。

ちなみに虫喰い岩はもう1ヶ所、浦神にもあります。

岩の中で花が咲く『牡丹岩』

つづいて牡丹岩(ぼたんいわ)。こちらも道路に面しているため気軽に見ることができます。路肩にちょっとした駐車スペースあり。

先ほどの虫喰い岩にそっくりな出で立ち!!でもこの岩の名前は牡丹岩。どのあたりが牡丹なのでしょうか?

牡丹岩の名前の由来は、岩の上部にあります。

下から岩を見上げるように覗くと、丸い形の岩がびっしりと並んでいます。これがボタンの花に似ていることから牡丹岩と呼ばれているのです。岩でできた花って、砂漠に咲く石の花”デザートローズ”のようで素敵ですね!

ちょっと思ったのですが、この岩肌って集合体恐怖症の人にはかなりツラいのでは・・・。

圧倒的スケールの『一枚岩』

ラストは古座川の一枚岩
道の駅一枚岩の目の前にあります。虫喰岩同様に道の駅併設の巨岩です。

すぐに目に入るとてつもない大きさの岩。大きすぎて山にしか見えません!

高さ150m、長さはなんと800mというとてつもない大きさの岩。写真に撮るのも一苦労です。

この一枚岩の正体は、冷え固まったマグマが地表に表れたもの。どれだけ大量のマグマが流れたのでしょうか。

この巨岩は、屋久島の千尋の滝、佐渡島の大野亀と合わせて、日本三大巨岩にも数えられています。

日本三大巨岩!海に浮かぶ巨大カメ『大野亀(おおのがめ)』(外海府)
佐渡島の海に浮かぶ大きなカメ。その正体は、巨大な一枚岩!まるで海に浮かぶ山のようで、とても見応えのある景勝地です。日本三大巨岩の1つとのことですが、残る2つはどこでしょうか?

一枚岩にまつわる伝説

この巨岩には「一枚岩の守り犬」という伝説があります。

案内板の解説をざっくりまとめるとこんなお話。

岩を食べる魔物が古座川に現れ、一枚岩をかじろうとしたそのとき、猟犬が襲いかかって魔物を追い払うことに成功。一枚岩だけは穴だらけにならずに残りました。

一枚岩だけは、ということはこれまでの2つの岩はきっとこの魔物のせいで穴だらけになってしまったということでしょう。虫喰岩じゃなくて魔喰岩とかにしたら妙な人気が出そうですね。

個人的な感想としては、岩くらい食べさせてあげても良かったのでは・・・?もしこの巨大な一枚岩が虫喰いになったら、世界の絶景ランキングにランクインするくらいの物凄い景観になっていたのではないでしょうか。

なお、4/19と8/25の前後1週間の間、夕日を受けると守り犬の影が一枚岩に浮かび上がるそう。これは山影がまるで犬のような形で一枚岩に映るという現象なのですが、伝説と合致していてとっても気になります。

魔物の正体考察

妖怪伝説を聞くとついついその正体を考えたくなってします。
たとえば天狗は鼻の高い西洋人だった、河童は溺れた人だった、鬼は中央政権に従わない部族だった、といったように、日本各地の伝説にはリアリティのある正体考察がたくさんあります。この魔物は何だったのでしょうか?

実体の無い完全空想説

虫喰岩を見た人が、「あれは魔物が食べたに違いない」と考え、そこから空想の岩喰い妖怪が生まれたとかどうでしょうか。でも、それだと一枚岩で犬が追い払ったのは何だったのでしょうか。
もしかしたら地震などの自然現象を魔物の訪れと考え、犬が吠えたタイミングでちょうどその現象が収まり犬が追い払ってくれた、みたいなストーリーができあがったとか。

安直ですが、ありえなくはないのでは。

教訓妖怪説

「掃除を怠るとアカナメが現れる!」「悪い子はナマハゲに連れていかれる!」といったように、人々の教訓となっている妖怪もいます。
もしかしてこの魔物も何かの教訓だったりしないでしょうか?

「犬を大切にしないと、岩が食べられる!」・・・とか?

何か限定的過ぎて、全然教訓に感じませんね。もっとぼやかしてみましょう!

「生き物を大切にしないと、大事な物を失うことになる!」とか・・・?

ぼやかし過ぎました。

実在の生き物説

自然界に石を食べる生き物っているでしょうか?

ナナツバコツブムシというダンゴムシの仲間は、岩を穴だらけにしてしまいます。
瀬戸内海の無人島ホボロ島は、この虫の大量発生により年々小さくなっていると聞いたことがあります。
この虫にかかれば巨岩だって穴だらけに・・・・なんかスケール感が足りない気がします。

ワニは水中での体重調節の重り代わりに石を飲むことがあるそう。鋭い歯やゴツゴツした体表は魔物感ありますが、一枚岩と並ぶと、やっぱりちょっと大きさが足りない。

もっと巨大な石を飲む生き物を思い出しました。

それは恐竜!!
草食恐竜の多くは、消化を助けるために石を飲み込む習性があります。魔物の正体がディプロドクスなどの巨大な竜脚類だとしたらめっちゃロマンがありますね!
でも、6,600万年前に滅びたとされる恐竜の生き残りはちょっとファンタジーの世界ですかね。

 

和歌山県は妖怪伝説が多数あり、明治時代にも「毛見浦の海坊主」や「肉吸い」といった妖怪が現れ、2004年に白浜町では「一本だたら(カシャンボ)」という妖怪の足跡が見つかっています。もしかしたら現代でもまだ発見されていない未知の生物がいるのかもしれません。


今回は3ヵ所のみの訪問でしたが、他にも天柱岩少女峰、増水時には川に沈む潜水橋など他にも見所がたくさん!時間に余裕がある方は、ゆっくり自転車とかでまわっても楽しそうですね!

 

今日の夕ごはんは串本町にてレストラン・サンドリア

まるで洋食屋さんのような出で立ちですが、カレーやオムライスだけでなく、海鮮メニューなども多数とりそろえるローカル感も味わえるファミレス。 何より入りやすい雰囲気なのが良いです。

特製ダレをかけて食べる海鮮丼・漁師丼(1,250円)

タレは醤油とゴマだれを混ぜたようなタイプ。マグロも美味しいのですが、イカが美味しい!やっぱり港町の海鮮は美味です。今回の旅はひたすら海鮮ばかり食べてます。

 

お風呂は、同じく串本町のサンゴの湯。入浴料は410円と、とってもリーズナブルな銭湯タイプの温泉です。

9日間の旅の4日目はこれでおしまい。今日は道の駅橋杭岩で車中泊です。

コメント

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