巨大な天文時計と古代遺跡『しもすわ今昔館おいでや』(下諏訪町)

長野県

諏訪大社下社秋宮の近くにある「しもすわ今昔館おいでや」は、時計のミュージアム「儀象堂」、縄文遺跡の出土品を展示する「星が塔ミュージアム矢の根や」という2つのミュージアムがセットになった施設。中国の天文時計・水運儀象台や、青塚古墳もあります。

2021/7/24(土)

時計のミュージアム「儀象堂」

時計の製造を行う諏訪精工舎(現セイコーエプソン)があったことから時計のふるさととも呼ばれる諏訪。しもすわ今昔館受付の2階は、時計のミュージアム「儀象堂」となっています。

振り子時計、水晶時計など、様々な時計の実物が展示されており、その仕組みが解説されています。一言で時計といっても、時を計る方法やその動力は様々。

人類最初の時計といわれている日時計。ボタンを押すと太陽光代わりのライトが照射され、時刻を表す様子を見ることができます。

ちょっとした体験コンテンツもあります。こちらは「チャレンジ5秒」。体内時計で5秒ちょうどを当てるゲームなのですが、ストップウォッチタイプではなく、ハンドルを回して時計の針を動かします。ぴったりにするには、時間感覚だけでなく、操作性も求められます。

腕時計や置時計を作成する時計づくり体験も開催されており、セイコーエプソン(旧諏訪精工舎)のOBが指導してくださるそうです。

巨大な天文時計「水運儀象台」

中庭に鎮座する朱色の大きな建築物。こちらは水運儀象台という、かつて宋(中国)にて開発された時計。水を動力とした天文観測時計塔で、当時の天文学と機械工学の技術が詰まった発明品です。

内部は自由に見学することができます。靴を脱いで入ると、一定のリズムでガコンと動く水車や、「渾象(こんしょう)」という、天体を表わした天球儀など、様々な機能を間近で見学可能。

こちらは毎刻に出てくる、時の札を抱えた人形たち。歯車が回転して、その刻の人形が儀象台の正面に出てくる仕組みになっています。内部に入ると、日中は待機中の日入さんや黄昏さんなどの、夜の人形の姿も見ることができます。

毎時00分になると、儀象台の片隅からリアルな人型ロボットが登場!この人物は、この時計の設計図を書いた蘇頌(そしょう)。軽妙な語り口で、儀象台の解説を行ってくれます。その後はスタッフさんが細やかな補足をしてくれます。真面目な内容ではありますが、すごくカジュアルで楽しいお話でした!

遺跡博物館「星が塔ミュージアム矢の根や」

星が塔ミュージアム矢の根やは、縄文時代の遺跡である星が塔遺跡からの出土品や、当時の人々の暮らしを解説した古代博物館。(どうでもいいのですが、「矢の根や」って名前がなかなか覚えられず苦戦しました)

この遺跡では黒曜石が盛んに採掘されており、尖頭器や石核など、それを用いた加工品も多く出土しています。

こちらは縄文時代晩期の採掘坑のジオラマ。深さ3mというスケールを、吹き抜けで再現しています。

底の部分には、黒く輝く黒曜石の岩脈の姿を見ることができます。実際に縄文人が掘った跡と考えられる採掘ピットも確認されており、これを見ることができるのは、星が塔遺跡だけとのこと。

突然あらわれる「青塚古墳」

星が塔ミュージアムの2階からベランダに出ると、目の前の小山にには石で組まれた洞窟のようなものが見えます。

こちらは、青塚古墳(下諏訪青塚古墳)という、6世紀後半につくられた古墳。石が組まれている部分は、埋葬施設となる石室の入口でした。

この古墳は、諏訪地方で唯一の前方後円墳とのこと。横から見ても小さな丘にしか見えないため、全体の姿はわからない・・・そう思っていると、わかりやすい復元模型が設置されていました。全長は67mにも及んでいたとされる大きな古墳です。

古来よりこのあたりは宿場町として栄えてきた地域。そんな町中にある古墳のため、古墳を表した史料は豊富。昔の絵地図などにもその様子がしっかりと記載されています。

アクセスと営業情報

JR中央本線の下諏訪駅から徒歩10分。車の場合は長野自動車道の岡谷ICから約15分、中央自動車道の諏訪ICから約25分。建物のすぐ隣に無料駐車場もあります。

下諏訪温泉の街中に位置しており、諏訪大社下社秋宮もすぐ近くにあります。

開館時間 9:00~17:00 ※12月〜2月は9:30〜16:30
休館日 年中無休
料金 600円
公式サイト https://konjakukan-oideya.jp/

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