森に隠れたアート探し『霧島アートの森』(姶良郡湧水町)

鹿児島県

アートホールに加えて、屋外にも多数の作品が並ぶ美術館。高原の澄みきった空気の中で、アートを求めて森の中へと入っていきます。自然に溶け込む作品探しのはじまりです!

訪問日:2018/5/12(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

高原に建つ美術館

霧島アートの森は、標高約700メートルの高原に位置する美術館。屋外にも作品が多数展示されており、豊かな自然の中でアート鑑賞が楽しめるオープンエアなミュージアムです。

来場者を出迎えるのは《シャングリラの華》。ドット柄のビビッドな花々は、もちろん草間彌生さんの作品。「不老不死の桃源郷に色あざやかに咲きほこる花」がテーマであるそう。

こちらも同じく草間彌生さんの《赤い靴》。カボチャの作品が有名ですが、このハイヒールも重要なモチーフとして多くの作品に登場します。

近未来感のあるアートホール

まずは、屋内展示施設となる「アートホール」へ。SF映画のモニターのような、レトロフューチャーな外観の建物です。

ジェームスタレルの光を使った《NHK-lite》や、ニキドサンファールのカラフルな女性《青色のドーン》、目玉を見開いたラヴィンダル・G.レッディの《カプラパドゥの女》など刺激的な現代アートが続きます。

館内は残念ながら撮影禁止でしたが、作品の前にはカードが置いてあり、自由に持ち帰れます。気になる作品があった場合は、コレをもらっていくのがおすすめ。

解説に加えて写真も掲載されているのがとっても親切。これがあれば、写真を撮ることができなくても、記憶をサポートしてくれます。

芝生の上の作品

ここからは屋外へ。公園のように整備された園内にはあちこちにアート作品が散らばっています。

まず目に入るのは、《男と女》by ジョナサンボロフスキー。高さ約8mの巨人です。写真ではわかりづらいのですが、2人のシルエットがクロスしているため、見る角度によって印象が変わります。

黄金に輝くひつじの頭。こちらは《RIGHT SHEEP 2012》by 椿昇。頭だけなのか、それとも体が地面に埋まっているのか。見えない部分を想像したくなりますね。

茶色い四角形のトンネル《ベレシート(初めに)》by ダニ・カラヴァン。こちらは中に入ることができるタイプの作品。奥の方には輝く光が見えます。

奥まで進んでみると、そこに広がるのは霧島のパノラマ。眺めていると、優雅に歩く馬が横切りました・・・!

自然に包まれた作品

作品群は森の中へと続きます。木々の間に隠れるように配置された作品たちは、注意していないと見逃してしまうかもしれません。

《森の観測所》by カサグランデ&リンターラは、白い壁で森を切り取った作品。腰掛けると、耳に入るのは木々のざわめきや鳥の声。歩いているときは聴こえなかった森の音が聴こえてきます。

頭上に輝くのは《薩摩光彩》by タン・ダ・ウ。鮮やかなカラーリングのステンドグラスは、どうやらさつま芋の葉をイメージしているそう。紫は「さつま芋」、藍色は「薩摩切子」と色にも意味が込められています。

日本の神様の連名である《イザナミ・イザナギ・アマテラス》by ルチアーノ・ファブロ。白と黒の円筒がイザナミイザナギ、上に乗っかるのがアマテラス・・・と当てはめるのが自然でしょうか。

森に隠れたインサイダー

園内の最奥にあるのは《インサイダー》by アントニー・ゴームリー。一見ただの林ですが、木々に隠れて全部で5人のインサイダーが隠れています。

バンザイしているのか、木に擬態しようとしているのか、不思議なポーズの人たち。

この人たちは、作者自信の分身とのこと。なぜ自分の分身をこの場所に置いたのか、それぞれのポーズにはどんな意味があるのかなど、いろいろと気になる作品です。

楽しいイヌ探し

園内を散策していると、不思議な犬に出会いました。

こちらは《犬と散歩》by 藤 浩志という作品。

道の脇や森の中など、あちこちに出現するこの犬たち、園内に全部で8匹います。行く先々にいるので、まるでこの犬と一緒に巡っているような気分になってきました。

「発見したりする驚きや楽しさを味わってもらうのがねらい」とのことですが、なんとイスとしての用途も考えられているそう。疲れた時の休憩にも良さそうですね。

園内はそこまで広くなく、ゆっくりまわって全ての作品を見ましたが、およそ1時間程度でした。

アクセスと営業情報

肥薩線の栗野駅より「湧水町営ふるさとバス観光回り」にて約18分。ただし、土日祝日、春夏冬休み期間限定。本数も1日4本しかないので要注意です。

車の場合は九州自動車道の栗野ICから約20分。

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜、年末年始 ※2月にメンテナンス休館あり
料金 320円
公式サイト https://open-air-museum.org/ja/

※掲載の情報は2023年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました