巨大水上鳥居とクリアな御手洗池『鹿島神宮』(鹿嶋市)

茨城県

古来より人々に信仰されてきた歴史の深い神社。湖上に立つ巨大な鳥居やクリアな緑が美しい御手洗池、大ナマズの伝説が残る要石など、神秘的なポイントが数多く存在しています。あちこちにデザインされたシカにも注目です。

2021/2/21(日)

巨大な湖上鳥居

鹿島神宮に向かう際、最初に立ち寄りたいのが北浦に浮かぶ一之鳥居

高さ18.5mと、水上鳥居としては日本最大を誇ります。鹿島神宮からは2kmほどと少し離れたところにありますが、潮来ICから神宮へ向かう場合は途中に見えてきます。

かつては船で参拝に訪れる人が多かったという鹿島神宮。この場所は、参拝客を乗せた船が停まる船着き場でした。

この一之鳥居は正確には「西の一之鳥居」。鹿島神宮は、東西南北に4つの一之鳥居があります。

大鳥居を越えて本殿へ

続いて駐車場のすぐ近くにある大鳥居。もともとは御影石で造られた鳥居でしたが、東日本大震災で倒壊したため平成26年に境内の杉を使い再建されました。このとき使用した杉の切株は、御手洗池のそばにあります。

参道をすすむと、朱色が映えるずっしりとした楼門が構える。高さ13mの立派な楼門は、水戸黄門こと水戸光圀の父である徳川頼房によって寛永11年(1634年)に奉納されたもの。阿蘇神社(熊本県)、筥崎宮(福岡県)と並び日本三大楼門にも数えられています。

武神を祀る本殿

楼門をくぐると、右手に拝殿が見えてきます。1619年に徳川秀忠が寄進したもので、幣殿、石の間、本殿と奥に連なっています。

御祭神は武甕槌大神(タケミカズチノオオカミ)。天照大神の命により香取神宮の御祭神である経津主大神(フツヌシノオオカミ)とともに国家統一を行った神様です。武家社会では武神として信仰されており、現代では勝負運、縁結びの神様としても知られています。

また、旅行に出発することを指す「鹿島立ち」というコトバがあるように、交通安全・旅行安泰のご利益もあるそう。

深い森が広がる奥参道

本殿からさらに進むと、大きな木々が広がる奥参道へ。300mほどの長さの幅広い道にはスギやヒノキなどの巨樹が立ち並んでおり、茨城県の天然記念物にも指定されています。

森を抜けた先には奥宮があります。ここは、御祭神の荒魂(あらみたま)を祀る社殿で、慶長14年(1605年)に徳川家康が奉納した旧本殿を、元和5年に遷したものです。

荒魂というのは、神様の荒々しく勇猛な側面を持つ霊魂のこと。一方、優しく平和な霊魂を和魂(にきたま)と呼びます。

奈良にも影響を与えたシカ

神使(しんし)というのは、神の使いである動物。稲荷神社のキツネや、天満宮のウシ、弁財天のヘビなどは特に有名です。

この鹿島神宮の祭神である武甕槌命の神使は鹿。境内をよく見ると、お守りや絵馬、灯籠など、様々なところに鹿があしらわれています。

さらに、境内には鹿苑があり数十頭の鹿が飼育されています。訪れたのが15時頃だったため終了していましたが、餌やりすることもできるらしいです。

シカの神社といえば奈良の春日大社を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。神社と繋がる奈良公園に大量に生息しているシカはあまりにも有名ですが、実はその鹿はこの鹿島神宮と深く関わりがあります。
春日大社は、鹿島神宮からやってきた武甕槌大神を御祭神としています。武甕槌大神はシカに乗ってきたとされており、そのためシカを神聖な生き物として保護したそう。

大ナマズを抑える要石

奥宮からさらに奥へ200mほど進むと、要石(かなめいし)が祀られています。

御祭神である武甕槌命が、地底に住む大ナマズを抑えるために石を埋めたという伝説があります。大ナマズは地震を発生させる元凶とされており、この要石のおかげでこの地域は地震の被害が少ないそう。

地表に出ている部分はとっても小さい。深く進むに連れて徐々に大きくなっていく形をしているといわれており、水戸黄門が掘った際、七日七晩かけても掘り切ることができなかったとの逸話も残っています。

なお、同様の伝説は香取神宮にも伝わっており、そちらにも要石が祀られています。

美しく輝く御手洗池

奥参道から長いスロープを、下って行くと、御手洗池(みたらしいけ)へと向かうことができます。

台形に切り取られた中には、毎日40万リットル湧いているというクリアな水を湛えている。水中を覗くと、大きなコイ、ザリガニ、金魚が数匹泳いでいました。

この池は、かつて参拝者がお参りの前に身を清めていたという池。現在でも、年始に大寒みそぎが行われており、200人もの老若男女が寒空の中この池で禊を行うそう。

池を覆うようにのびる巨樹もインパクトあります。まるで龍のように体をうねらせており、力強さを感じます。

御手洗のそばにはお茶屋さんがあり、コーヒーやお団子、ラーメンなどを食べるができます。全てのメニューは御神水である湧き水を使用しているというのもポイント。ここから奥参道に戻るには長い上り坂となるため、いっぷくしていくのも良さそうです。

御手洗池のすぐ近くには御手洗駐車場があります。駐車料金は無料なので、足腰に自信がない方は、参拝後こちらに車を移動して御手洗池を見に行っても良いかもしれません。

アクセス情報

最寄り駅は鹿島線の鹿島神宮駅。そこから徒歩10分ほどとなります。また、東京駅から鹿島神宮直通の高速バスもあります。八重洲南口から約2時間でアクセス可能です。

車の場合は、東関東自動車道の潮来ICから約30分程度。駐車場は第二駐車場と御手洗駐車場が基本無料で、第一駐車場が普通車300円。他にもコインパーキングや地元の方が案内する有人駐車場も多くあり、そちらは300円~500円くらいと料金が異なっています。

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