下松市から橋で渡ることができる笠戸島は、ゆったりした時間が流れるのどかな離島。海の上を歩く海上プロムナードや展望が美しい外史公園に加え、謎の恐竜や座礁船などコアな魅力も詰まっています。
橋でつながる離島
笠戸島は、山口県東南部に位置する下松(くだまつ)市に属する離島。
1970年に笠戸大橋が完成したことにより、本州から車で気軽にアクセスできるようになりました。真っ赤なランガートラス橋はとても目立ちます。
はなぐり海上プロムナード
笠戸島の観光スポットの中でも個性的なのが、この海上プロムナード。海の上に架けられた遊歩道で、その全長は300mもあります。ゆるくうねるカーブが魅力的で、見ているだけでもわくわくしてきました!
心地よい風が吹く海上は、天気が良い日は最高の散歩道。歩いている人はほとんどおらず、ときどき釣り人がいるだけ。この景色をほぼ独り占めです!
1段低くなっている場所に降りられるポイントも数ヶ所あります。海面が一気に近くなり、目の前には瀬戸内海の穏やかな海が広がります。
プロムナードを渡った先には輝くヒラメの石碑。そこには笠戸ひらめ発祥の地と書かれています。ヒラメの目が真ん丸で、なんだかかわいらしいデザイン。
突然現れる2匹の恐竜
国民宿舎大城のすぐ前にある歩道橋。そこには大きな恐竜の姿が!のどかな島に突然現れる迫力のティラノサウルスはインパクト抜群です。
ティラノサウルスの隣にある階段を上ると、お腹を通り抜け、歩道橋へとつながります。そこを進むと、対岸にはもう1匹の恐竜の姿が。
大きく口を開けているのはトリケラトプス。草食恐竜に飲み込まれるのも不思議な感じがしますね。なお、この恐竜たちを抜けた先はオートキャンプ場やバーベキュー場などを備えた家族旅行村があります。
自由に動くイヌとネコ
恐竜歩道橋の近くにある国民宿舎の駐車場には猫がたくさん!人慣れしている様子で、少しずつこちらに近寄ってきます。
笠戸島はかつて猫の島と呼ばれるくらい猫がたくさんいました。しかし最近はなぜか数が減り、あまり見かけることがなくなってしまったと言います。
さらにネコだけでなくイヌも多いのがユニークなポイント。放し飼いなのか野良なのか判断が難しいイヌたちは、スタスタと道路を歩いています。ネコと遊んでいるときもすぐ脇を駆け抜けていったりと、自由に動き回るイヌたち。普通にイヌが歩き回っている光景って、けっこうレアですよね。
島内散策の拠点・国民宿舎大城
島を代表する宿泊施設・国民宿舎大城(おおじょう)。お土産屋さんやカフェ、絶景露天風呂の日帰り入浴も可能なので宿泊者以外でも立ち寄りスポットとして楽しめます。
ロビー入り口には観光マップも置いてあります。笠戸島には道の駅や観光案内所といった観光拠点施設が他にないため、ここを島観光のスタート地点にするのも良さそう。
高台に建っているため、駐車場からの眺めは爽快です!
世界一の美髯・外史公園
国民宿舎大城の隣には、外史公園があります。小高い山の上にあるため、122段程のの階段(数えました)を登ります。
登った先は見晴らしの良い展望台。辺り一面に広がる瀬戸内海の景色は爽快そのもの。ウッドデッキが設置されているため、季節によってはお弁当食べたりできそう。
その傍らに立つ像。こちらは長岡外史という、この外史公園の名前の由来となった人物です。
下松市の出身で、明治時代には軍人として活躍。軍事用に導入されたスキーを民間に普及させたり、日本飛行会を創立して航空発展に尽力したため、「航空とスキーの先駆者」といわれています。
その功績はもちろんのこと、気になるのはあまりにも印象的なシルエット。横にのびたヒゲはなんと70cmもあります。
これは決して像を作る際に脚色されたわけではなく、実際にこれほどまでヒゲを伸ばしていた人物であったそう。その見た目から「プロペラ髭」と呼ばれていました。
戦争遺構・座礁コンクリート船
夕日がきれいに見える笠戸島。島内の夕日スポットの1つである、夕日岬からは、ゆるやかにカーブを描いたビーチが見えます。
そんな波穏やかな海の中に浮かぶのはコンクリートの構造物。こちらはなんと座礁したタンカー。戦時中に造られた簡易な輸送船で、エンジンなどの装置の無い曳船。台風でこの浜辺に打ち上げられ、そのままの状態で放置されています。
島内には他にも戦争の遺構がいくつか残されており、ハイキングコースを歩くと、高角砲台指揮所や兵員待機所などを見ることができます。気になる方は、国民宿舎大城に置いてあるハイキングコースマップをご覧ください。
水曜だったのでお休みでしたが、特産品の笠戸ヒラメを知ることができる「下松市栽培漁業センター」も話題のスポット。大きなタッチプールでヒラメに触れたり、エサやりしたりと様々な体験ができるそうです!
次回は、同じく橋が架かっている離島、周防大島へと向かいます。
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