3フロア合計3ルームの小さな美術館。レアンドロ・エルリッヒをはじめとした3人のアーティストの作品が各フロアに並びます。館内を回ることに追われず、作品とじっくり向きあえるアートスポットです。
KAMU kanazawaへのアクセス
21世紀美術館から徒歩3分ほど、金沢市のメインストリート・百万石通りにあります。
通りに面した黄色いのぼりが目印。入口はとても小さいのでうっかり見逃してしまわないようご注意ください。
また、金沢の他のスポット同様に駐車場もありません。どこかコインパーキングに駐車したのち、21世紀美術館や金沢城公園などと合わせて徒歩でめぐるのがおすすめです。
金沢の新鋭ミュージアム
KAMU kanazawaは、2020年6月にオープンしたばかりの新しい美術館。
setchu株式会社が設立した私設美術館で、オープンにあたり特別チケットやミュージアムグッズのリターンがあるクラウドファンディングも行われていました。
プロデュースしているのは、setchu株式会社の代表であり、アートコレクターでもある林田堅太郎。KAMUという名は、Ken Art MUseumの頭文字からきているそうです。
3階建ての美術館で、それぞれのフロアが丸ごと小さな展示室となっています。
最初となる展覧会「The power of things」では、レアンドロ・エルリッヒ、ステファニー・クエール、桑⽥卓郎の3人のアーティストを展示中。それぞれ1フロア1アーティストという構成となっています。
1階のレアンドロ・エルリッヒの作品は恒久展示ですが、2階、3階は1年毎に入れ替える予定だそう。
重力からの解放『レアンドロ・エルリッヒ』
1階には21世紀美術館のスイミングプールを手掛けたアーティスト、レアンドロ・エルリッヒの最新作「INFINITE STAIRCASE」専用フロア。
部屋に入ると幾何学なオブジェが置かれた不思議な空間が広がります。
この展示室は、壁面が合わせ鏡。横を向くと、どこまでも続く階段となり、鏡に向き合うと、もれなく作品の世界に入ることができます。背中を写すことができたら、下を覗いてるようなリアルな写り方ができるのですが、合わせ鏡でそれはできないことを悟りました。
部屋の隅から斜めに向かうと、自分が映り込まずに写真が撮れます。正面から向き合うよりも、リアルな階段ぽくなりますね。
野生動物のリアリティ『ステファニー・クエール』
2階はイギリスのマン島という島生まれ、現在も島で作品を作り上げているステファニー・クエールの作品が並ぶフロア。
ここにいるのは粘土で造られた様々なサル、キツネ、ネズミ、ニワトリなどの動物たち。ちぎった粘土をそのまま載せたようなラフさですが、色合いやバランスは驚くほどリアル。精密なようで偶然性も感じる不思議な作品群です。
流れゆく雲や水たまりが偶然動物に見えることってあるかと思うのですが、それを意図的に産み出しているかのようです。
部屋の角を見上げると、フクロウがいました。獲物を狙うような鋭い目つきで、部屋に入る人に睨みをきかせています。
3階へ進む階段の踊り場には、ちょこんと可愛らしいネズミ。2階の展示フロアを飛び出している動物もいるので、気が抜けません。
陶芸のイメージを覆す『桑田卓郎』
3階は広島県生まれの陶芸家・桑田卓郎の作品がならぶフロア。陶芸と聞いてイメージするものとは大きくかけ離れた刺激的な作品が並びます。
まるで、合成着色料をたっぷり使用したお菓子のよう。ここまでファンタジックな陶芸作品、初めて見ました。カラフルな色使いに加えて、ゴールドやシルバーに輝くものもあります。
こちらは1.5mを超えるかなり大きな作品。青い部分はネバーっと伸びており、粘度を感じさせます。チョコレートにガムがまとわりついたようなイメージ。
中には、いかにも「陶芸っぽい」ものも。どろりと釉薬が垂れるようなデザインは、意図的に陶芸らしさを狙った確信犯ではないでしょうか。
小さな美術館なので、さっと見るだけなら10分もかからないかもしれません。作品数が少ない分、じっくり向き合える気がします。21世紀美術館とはまた違った楽しみができるアートスポットです。
帰り際、階段を降りながら受付を見下ろすと、サルが一匹隠れていました!
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