ユーモラスな人形浄瑠璃を気軽に楽しめる!『淡路人形座』(南あわじ市)

淡路島

淡路島に古くから伝わる人形浄瑠璃は、精巧な人形を巧みに操る人形劇。淡路人形座では、そんな伝統芸能をお手軽に見ることができます。とってもカジュアルに仕上げられているので、予備知識が無くてもばっちり楽しめます。

2021/9/21(火)

福良港にある人形座

「人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)は、三味線をバックに太夫が詩を語る浄瑠璃と人形劇が組み合わさった伝統芸能。江戸時代には歌舞伎と並ぶ人気エンターテインメントでしたが、明治以降は他の娯楽の台頭もあり徐々に衰退していきます。

淡路島の人形浄瑠璃は室町時代にはじまり、最盛期は40を超える人形座がありましたが、時代の変化や後継者不足もあり消滅の危機に。そんな淡路人形浄瑠璃を継承するため、1964年に設立されたのが淡路人形座。もともとは大鳴門橋記念館にありましたが、2012年に現在の道の駅ふくら隣に移転しました。

ここでは常設公演を行っており、年間を通して人形浄瑠璃を気軽に楽しむことができます。上演時間は1日4(10:00/11:10/13:30/15:00)、所要時間は45分ほど。事前に確認してから向かうとスムーズですが、周辺はうずしおクルーズの乗船場や、飲食店&お土産屋さんが立ち並ぶとってもにぎやかなエリア。時間調整はかんたんです。

※上演時間・所要時間は変更となる場合もあります。詳しくは公式サイトにてご確認ください。

和風な劇場

建物2階にて受付を済ませ、舞台のある会場へ。座布団や竹の背もたれが江戸時代をイメージさせる和風なデザイン。提灯で彩られた姿がとっても良い雰囲気です。

座席の後ろには人形に関する資料も展示されており、ちょっとしたミュージアムのようになっています。また、上演時間より前に、スタッフさんによる拍手のタイミングの解説も。時間より早めに入っても楽しめるように工夫されています。

入口付近には、なんと総裁選への出馬を考える大胆な人形の姿も!この子はかなりひょうきんで、上演前の説明中にもひょこひょこ現れては「これこれ、入って来るんじゃない!」と怒られてました。

わかりやすい解説

上演時間になると、まずは人形の解説からスタート。3人がかりで動かす人形の仕組みや、習得までかかる年数など、とってもカジュアルに教えてくれます。

人形たちの動きはびっくりするほどリアルでしなやか。目や口を動かして表情までつくりあげるという細やかさに驚きばかり。

足を上手く動かして歩いたり座ったりもするのですが、その巧みな動作から空中に浮いているはずの人形になぜか椅子が見えてきます!その場に無いものが見えてくる様子は、パントマイムにも通じますが、それを人形で行っているのが凄すぎます!

役にあった上品な動きに加えて、「お腹を抱えたり叩きながら笑う」といったイマドキなアクションの再現もあって、かなり楽しめる内容。まだ演目は始まっていないのにすっかり見入ってしまいました。

コミカルなえびす様

人形浄瑠璃の世界に入り込んだところで、いよいよ本編のはじまり。今回上演されたのは「戎舞+(えびすまいプラス)」

総合プロデュースは淡路島生まれのアーティスト清川あさみ、脚本はいとうせいこうという豪華なラインナップで作られた演目です。

スクリーンに映し出される映像とともに、語りと三味線による国産み神話がスタート。神秘的な雰囲気で一気にその世界観に引き込まれます。

伊弉諾尊(イザナギノミコト)・伊弉冉尊(イザナミノミコト)の子供が姿を変えたとされる福の神・戎(えびす)様が登場。酔っ払ってよろける様子や、小舟に乗って鯛を釣り上げる姿がとってもユーモラスに表現されています。子供が見たらマネしたくなってしまうような楽しい動きでした。

上演中の写真撮影は禁止ですが、最後に人形と一緒に記念撮影タイムあります!このときに出演した人形の撮影も可能です。

「伝統芸能」ときくと、ついつい難しそうなイメージを持ってしまいますが、いざはじまると一気に引き込まれてしまいました。難しいこと考えずに純粋に楽しめる内容なので、南あわじに来たらゼッタイおすすめです。

アクセスと営業情報

舞子から高速バスで1時間強、バス停《福良》下車後、すぐ目の前にあります。車の場合は神戸淡路鳴門自動車道の西淡三原ICから約15分、もしくは淡路島南ICから約15分。

上演時間 10:00/11:10/13:30/15:00
休館日 水曜
料金 1,800円
公式サイト https://awajiningyoza.com/

※掲載の情報は2021年10月時点のものです。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました