スリル満点!断崖絶壁に立つ真っ赤なお堂『阿伏兎観音』(福山市)

広島県

阿伏(あぶと)岬の断崖の上に建てられた朱塗りのお堂。階段を登っていけば、お堂に上がることもできます。とにかく爽快ですが、一歩間違えれば海の中へ真っ逆さまというスリルも体験できます。

開館時間:8:00〜17:00
料金:100円
2020/9/21(月)

アクセスと駐車場

阿伏兎観音は、広島県の福山市沼隈(ぬまくま)町にあります。福山駅から車で30分ほど。人気の観光スポット・鞆の浦から4kmほどの場所にあるので、合わせての訪問がおすすめです。

駐車場は観音堂より少し手前に2ヶ所あります。「観音堂はまだ先だよね?」と思いきや、この先は車両通行止めなので、潔く停めてしまうのが良いです。台数が少ないため満車のことも多いですが、そんなに長く滞在する場所ではないため回転率は悪くないです。

阿伏兎観音までは駐車場より徒歩5分ほど。海を間近に感じるシーサイドロードなので、歩いていてとても気持ち良いです。

シーサイド寺院

臨済宗妙心寺派の磐台寺というお寺。険しい崖が続く阿伏岬の南端に位置しており、海上安全として信仰を集めてきました。源平の戦いの影響を受けて荒廃してしまいますが、戦国時代に毛利輝元によって再建されます。

海の近くというより、海に面して建つお寺です。瓦の乗った背の低い塀に囲まれていますが、その向こうはすぐ海。その気になればいつでも海に飛び込めるほど海が近いです。

階段登って観音堂へ

ここに来た目的はこちらの観音堂。まるで崖と一体化するかのように建つお堂は、恐ろしいほど魅力的。その風光明媚な姿は、歌川広重の浮世絵や十返舎一九の「厳島参詣膝栗毛」など、芸術対象としても人気です。

観音堂へは境内から延びる朱色の階段を登っていきます。少々急ですが、段数はそれほど多くありません。

あっという間に観音堂へ。階段を抜けたあたりから急に海風が強くなってきました。

観音堂は土足厳禁。階段を登ったところで靴を脱ぐことになるため、脱ぎやすい靴だと良いです。サンダルだと楽々ですが、うっかり飛ばされないようにご注意ください。

突き抜ける爽快感

海上にせり立つお堂は爽快感が果てしない!吹き抜ける海風はかなり強いですが、暑い日にはとっても心地良い。周囲には広がる瀬戸内海と、そこに浮かぶ仙酔島や田島などの島々がよく見えます。

柵は50cmほどしか無いため、体重を預けることはできません。また、床は外側に向かって斜めに作られているため危険度は高め。強風時は細心の注意を払って参拝しましょう!

安産祈願はココ

そんな観音堂の内部を除くと、そこはおっぱいがいっぱい!(ベタな感想ですみません・・・笑)

厚紙や布で作られたオリジナルおっぱいがたっぷりと奉納されています。本尊である十一面観音像には海難除けとともに子授け・安産祈願のご利益があるため、出産を迎える妊婦さんやそのご家族の方を中心に、広く信仰を集めています。受付には、おっぱい型のストラップお守りや、安産お守りなども並びます。

 

謎の石塔から知る「地四国」

観音堂の奥には、海にせり立つ石塔があります。田村藤七と刻まれたこちらは「足摺さん」という名が付けられているようです。

足摺(あしずり)といえば、高知県の足摺岬。なぜ遠く離れた広島県に足摺の名を冠したものがあるのでしょうか?

調べていると見つかったキーワードが「地四国(ちしこく)」。摂津国八十八箇所や九州八十八箇所百八霊場など、四国以外の土地に作られた四国八十八ヶ所霊場を模した巡礼コースのことを指します。

この観音堂の脇にある石塔は、そんな地四国のうちの一つ、「鞆・能登原・田尻新四国八十八ヶ所霊場」の38番札所として数えられています。さらに磐台寺は「瀬戸内三十三観音霊場」の24番札所、「備後西国三十三観音霊場」の4番札所でもあります。様々な巡礼ルートに組み込まれているところから、この地域で重要な寺院であることが伝わってきました。

なお、この石塔は観音堂のビュースポットでもあります。ここから見ると、海上にせり立つ崖の上に造られた荘厳な様子を感じ取ることができます。


このあとは鞆の浦へと向かいます!

コメント

タイトルとURLをコピーしました