野々村仁清への愛がつまった水上ミュージアム『百河豚美術館』(入善町)

富山県

貴重な美術品の数々を展示する私立美術館。水に浮かぶピラミッドのようなインパクトのある建物の中には、仏像や茶器など様々な作品が並ぶ。特に江戸時代の陶工・野々村仁清コレクションは圧巻。そして、名前の読み方難易度が非常に高いです。

営業時間:9:00~(16:00)17:00 ※12~2月は16:00まで
休館日:月曜、年末年始
料金:700円
訪問日:2020/7/28(火)

アクセスと駐車場

あいの風とやま鉄道・泊駅または入善駅からタクシーで10分ほど。平日限定で泊駅からバスもありますが、値段を考慮してもタクシーの方が利用しやすそうです。

車の場合は北陸自動車道・朝日ICから車で5分ほどのところ。駐車場は10台程度と多くはありませんが、そんなに混雑するスポットではないので、満車になることは少なそうです。

周辺にはなないろKAN、不動堂遺跡、下山発電所美術館などが集まっているので、合わせての訪問もおすすめです。

百河豚は何と読む?

百河豚美術館を紹介するにあたり、最初に説明しないといけないのが、「百河豚」の読み方。これ何と読むかわかりますでしょうか?

ひゃくかわぶた?ももふぐ?いろいろな読み方が考えられますが、正解は「いっぷく」。
不思議な名前のこの美術館は、大阪のふぐ料理の老舗「太政(ふとまさ)」の創立者である青柳政二氏が収集した美術品を展示している私設ミュージアムです。

「百河豚」というのは、青柳氏の号であり、それをそのまま冠しています。河豚(ふぐ)100匹と体重が同じくらいであったことと、一休みの意味の「いっぷく」をかけて名乗っていたそうです。

「号」というのは称号のこと。創作活動を行う方が、本名とは別に使用する名です。今でいうペンネームに近いのではないでしょうか。

水上の美術館

まるでピラミッドのような四角錐の建物が印象的な外観。「素晴らしい美術と美しい自然の調和」がテーマであるため、風景に溶け込むようにデザインされています。言われてみれば、北アルプスに並ぶ山のようにも見えます。

日本国内にはピラミッド型のミュージアムは多く、三重県のルーブル彫刻美術館、鳥取県の仁摩サンドミュージアム、岐阜県のストーンミュージアムなどが挙げられます。何れも特定の分野に特化しているのが面白い。

この建物は、水の上に浮かぶように建てられています。池には大きなコイがたくさん泳いでおり、人が歩いているとあちこちから集まってきて餌をねだります。

アジアの仏像とお多福が並ぶ館内

館内は撮影禁止。ガラス張りで自然光が射し込む1階には観音菩薩像や不動明王像など、仏教美術が目立つ。国内だけでなく、中国やチベット、タイなどアジア諸国の作品も混じります。展示数はそれほど多くありませんが、個性的な作品が並んでいます。

インパクトがあるのは、神秘的な作品に混じっているお多福像。お面やソースのパッケージでおなじみの「おたふく」ですが、ここでは顔だけでなく全身像を見ることができます。

もともとは、大阪の老舗ぜんざい店「夫婦善哉」の店頭に飾られていましたが、閉店にともない撤去。これを骨とう品屋で見つけた青柳氏が購入し、この美術館で保管・展示されることとなりました。

こういった縁起物を見ると、創立者の商人魂を感じます。

野々村仁清への愛

2階には江戸時代初期の陶工・野々村仁清(ののむらにんせい)の作品を多く展示しています。野々村仁清は、色絵陶器の完成者あるいは京焼の大成者といわれる人物。

京都仁和寺の門前に窯を構えていたことと、自分の名清兵衛の一文字をとって「仁清」という号を名乗り、それを自らの作品に記しておりました。当時、このようなブランディングを行っている陶工はほとんどいなかったため、芸術家としての陶工の元祖と呼ぶ声もあるそうです。

華やかに色付けされた茶壺や香炉が静かに並ぶ中、目についたのは源氏物語の印籠。源氏物語といえば54帖に渡る長編小説。それぞれの帖をテーマにした印籠がずらりと並んでおり、各物語の重要な場面とそれにまつわる歌が描かれています。

順に見ていると、一帖から五十四帖までほぼ揃っていることがわかります。わずかに抜けている部分は、別の誰かが所有しているのか、それとも紛失してしまっているのか気になるところです。

異国を感じる屋外作品

美術館の周辺の屋外エリアにも様々な作品が展示されています。

ヒンドゥー教をはじめとした外国の神様や、大きな石像が立ち並ぶ様子は圧巻。なんだか東南アジアの寺院に迷い込んだような気持ちになります。

亀の上に積まれた石塔。隣の石碑に刻まれた文字を読むと、野々村仁清の魂を祭るために造られたようです。百河豚青柳氏の野々村仁清への想いがここでもひしひしと伝わってきました。


このあとは車で30分ほど走り、宇奈月温泉へと向かいます。ついに念願のトロッコ列車に乗車します!しかし、あいにく天気は雨。無事、乗車できるのでしょうか。

この記事を書いた人
chihiro

国内旅行が大好き!車中泊やLCCを駆使して、離島と水族館は100以上・神社仏閣は300以上訪問。都道府県はあとちょっとで3周完了。スケジュール詰め込みがち。実はプログレとソウルが好きなベーシスト。

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