因島(いんのしま)の北部、因島大橋のすぐ傍にある大学の研究施設付属水族館。小さな施設ながらも大水槽やタッチプールを備えており、無料とは思えないクオリティ。熱心な学生スタッフさんも良い味出てます。
研究施設の水族館
しまなみ海道が通る離島である因島。島内の北部、大浜町にある福山大学の研究施設には水族館が付属しており、一般公開されています。
真っ白な外観がいかにも研究所らしい建物。派手な看板などは無いので、見逃さないようにマップなどで目星を付けてから行くのがおすすめです。
この水族館の入館料は無料!しまなみ海道ドライブやサイクリングのついでにふらっと立ち寄りやすい・・・と言いたいところですが、平日のみしか開館しておりませんのでそこだけ注意が必要です。
学生スタッフが活躍
受付などもなく、自由に入れる館内。ここは一部屋だけの小さな水族館。研究活動を紹介するための「研究展示水槽」をはじめ、大小およそ20基ほどの水槽が並んでいます。
私が訪問した際は学生スタッフ数人が常駐。なんならお客さんよりスタッフさんが多いときも。みなさんとってもフレンドリーで話しかけやすい雰囲気。質問してみると、わりやすく、そしてカジュアルに解説してくれます。
入口にはスタッフ紹介パネルも!ハッシュタグ形式で簡単なプロフィールが掲載されており、好きな生き物も紹介されています。
しっかりとした水槽設備
目を引くのは「せとうち大水槽」。150トンという大型の水槽で、クロダイ、コブダイ、イシダイ、キジハタ、スズキなど大きな海水魚たちが悠々と泳いでいます。
一角にはソファが置かれたラグジュアリーなスペースも。ぼーっとサカナを眺めて過ごすのもなんだか贅沢な気分。子ども連れのお父さんもスマホ休憩できますね。
タッチングプールではイトマキヒトデやムラサキウニ、ホンヤドカリやマナマコといった生き物たちがおさわり自由。ここでも学生さんが子供たちにいろいろと解説していました。
個性的な生き物たち
ここからは私が個人的に気になった生き物を紹介したいと思います!まずはダンダラトラギス。メスからオスに変わるという生態。人間の感覚では摩訶不思議ですが、サカナの世界ではそれほど珍しくありません。
黄色に黒のドットが印象的な魚はモヨウモンガラドオシ。ウミヘビ科の生き物ですが、爬虫類ではなく魚類。「ウミヘビ科」は爬虫類と魚類、それぞれに存在していてややこしいです。
黄色いハゼのようなナベカ。オオヘビガイの死骸や岩穴に生息するギンポの仲間で、オスは卵を守るという習性があります。そのときは近づこうとするものに噛みつき攻撃をするため、「クイツキ」とも呼ばれているそう。
こちらはヒゲソリダイという魚。それほど特徴的な姿ではありませんが、気になるのはその名前。ヒゲソリに似ているの?と思ったところ、どうやら他に下あごにヒゲの生えた「ヒゲダイ」という魚がおり、それに比べると下顎のヒゲがそったようにみえるからとのこと。先にヒゲダイがいなかったら、何て名前が付けられていたのでしょうかね。
注目のマダイ
多数の生き物の中でも、特に目を引くのは瀬戸内海を代表する魚、マダイ。せとうち大水槽にてかなりの数が飼育されています。
よく見ると目の上に青いアイシャドウをひいているようで、なんだかゴージャス。
タッチプールの隣では、小さなマダイたちがたっぷり。人を見ると集まってくるため、愛嬌たっぷりです。
大水槽だとウツボに食べられてしまうため、ここで隔離しているそうです。
ちなみに先程の大水槽のマダイは15歳くらい。人間でいうと60~70歳くらいとのことですが、まだまだ元気いっぱい。もし、子どものマダイたちが順調に大きくなったら、数年後にはマダイまみれになってしまうかも、と学生スタッフさんが仰っていました。
シロギスもお忘れなく
白く細長いサカナはシロギス。普通のキスよりは小ぶりですが、キラキラと美しい姿から「海の女王」とも呼ばれることがあります。
福山大学はシロギスの養殖に成功しており、ここで見ることができる個体は施設内で養殖されたもの。シロギスたちは飲食店へ提供され、焼いたり煮付けにしたりと様々な調理で食べられているそうです。
養殖といっても、天然の幼魚を育てる普通の養殖とは異なり、飼育された成魚の卵から育つ「完全養殖」。季節を問わず、安定した供給が可能とのことです。
なお、この養殖シロギスにはブランド名が付いています。その名も「びんごの姫」。オスでも姫です。
アクセスと営業情報
車の場合は因島北ICから5分ほど。自転車の場合、因島大橋の自転車道を出たところからわずか1.5kmほどです。
開館時間 | 10:30~15:00 |
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休館日 | 土日祝 ※平日のみ開館 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.fukuyama-u.ac.jp/marine-bio-center/ |
※掲載の情報は2023年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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