日本の鉄道はココからはじまった!『旧新橋停車場 鉄道歴史展示室』(港区・汐留)

東京都(23区)

かつての遺構の上に復元された新橋停車場。館内は鉄道資料を展示したミュージアムとなっています。鉄道のはじまりを感じながら、その歴史を学ぶことができるスポットです。

訪問日:2024/1/27(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

ビルに囲まれた展示室

汐留地区に広がる巨大複合都市・汐留シオサイト。高層ビルに囲まれるように立つ重厚な建築は、旧新橋停車場 鉄道歴史展示室。日本最初の鉄道ターミナルである新橋停車場を復元した資料館で、無料で見学することができます。

建物の裏手にまわると、建物から延びるレールも見ることができます。

また、すぐ側には「0哩(マイル)標識」も。こちらは鉄道建設時の測量起点として打ち込まれたもの。今や全国各地に伸びる鉄道、全てはここから始まったのです。

新橋停車場の歴史

新橋停車場は日本最初の鉄道ターミナルとのことですが、いったいどのような歴史があったのでしょうか?

明治時代に入ると鉄道の重要性が高まります。しかし、資金も技術も無かったため、イギリスからお金を借り、さらにお雇い外国人として鉄道技術者であるエドモンド・モレルを雇用します。

モレルは日本が森林資源が豊かであることから枕木を鉄ではなく国産の木材に変更するなど、日本の実情を理解した方法を選択。さらにその後も維持して行けるようにと技術者養成学校の開設も行います。そのため、「日本の鉄道の恩人」と賛えられています。

1872年の10月14日にまずは新橋ー横浜間の29kmが開業。それまでは徒歩で10時間かかっていた道のりが、わずか53分と約1/10の時間で移動することが可能となりました。その後、1914年に東京駅が開業すると、そのターミナル機能が移転。「汐留駅」と改称し、貨物駅へと変化しました。

1923年の関東大震災にて当初の駅舎は焼失、1934年に汐留駅改良工事に伴い残存していたプラットフォームも解体されます。その後、1986年に貨物駅としても廃止、その役目を東京貨物ターミナル駅に譲りました。

1991年に土地の再開発に先立ち発掘調査が行われます。1996年に「旧新橋停車場」として国の史跡へ。史跡としての保護と鉄道発祥の往時を偲ぶために駅舎が再建、2003年に鉄道歴史展示室として公開されました。

■現在の「新橋駅ー横浜駅」ではない?
最初に開業したのは「新橋ー横浜間」ですが、この新橋は前述の通り後の汐留駅。さらに、横浜も現在の桜木町駅なのです。なので、現在の新橋駅や横浜駅の前で「鉄道はココからはじまったんだなぁ」と感じるのはちょっとだけずれていることになります。

貴重な資料が並ぶ常設展示

館内は2階が企画展示室、1階が遺構見学窓や出土品が展示されています。

ガラス床から見えるのは、駅舎の基礎石積。長方形の短辺である小口面と、長辺の「長手面」を組み合わせて積み上げた様子、笠石を乗せるための彫り込みなども見ることができます。

発掘調査による出土品も展示されています。名並んでいるのは切符をきる「改札鋏」や鉄道ファンに人気が高いという「車両銘板」、さらには職員の制服のボタン、手荷物引換証なども。

2階に設置されたモニターでは、鉄道紹介ムービーを見ることができます。たまたま流れていた「走れ!特急 寝台特急さくら」は、おそらく、運行当時に作成された映像。フィルム感やナレーションのイントネーションなど、とってもレトロな雰囲気です。他にも「鉄道のあけぼの」「汐留のあゆみ」など、多数の映像コンテンツがあり、歴史をしっかりと学ぶことができます。

企画展示も開催

今回訪問した際に開催されていた企画展はこちら。

第62回企画展「ブルートレイン夢の旅路へ」
2023年11月28日(火)〜2024年3月24日(日)

鉄道写真家の南正時さんの作品展。鉄道や社内の様子を写した写真がパネル展示されています。

「ブルートレイン」というのは特定の路線を指す言葉ではなく、かつて国鉄やJR線で活躍していた夜行特急の総称であるそう。東京ー博多間を結んでいた「あさかぜ」、東京〜長崎・熊本を結ぶ「みずほ」、東京〜札幌を走っていた「北斗星」など様々な時代の寝台特急を見ることができました。

鉄道写真と聞くと風景の中を走る車両のイメージが強いですが、食堂車の風景や寝台車に寝そべる子供など、車両内部の写真も多数。当時の空気感が詰まった写真は、経験したことがなくても不思議と懐かしさを感じました。

(※2階の企画展示室は、基本的に撮影NG。掲載したタペストリーだけが撮影可能でした。)

アクセスと営業情報

・JR「新橋駅」の銀座口より徒歩5分
・都営大江戸線「汐留駅」の新橋駅方面改札より徒歩3分
・東京メトロ銀座線「新橋駅」の2番出口より徒歩3分
・都営浅草線「新橋駅」のJR新橋駅・汐留方面改札より徒歩3分
・新交通ゆりかもめ「新橋駅」改札より徒歩3分

開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜、年末年始
料金 無料
公式サイト https://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html

※掲載の情報は2024年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました