万博の熱気がこもったタイムカプセル『EXPO’70パビリオン』(吹田市)

大阪府

1970年の大阪万博について知ることができるミュージアム。館内に並ぶ展示物は、当時の熱気を感じ取れるものばかり。2025年の大阪万博を控えた今こそ訪れたいスポットです。

訪問日:2023/6/30(金) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

大阪万博のミュージアム

EXPO’70、それは1970年に大阪で開催された日本万国博覧会のこと。「人類の進歩と調和」をテーマに、77もの国が参加。会場となった吹田市の千里丘陵にはアメリカ館やソ連館といった「国際館」、三菱未来館や日立グループ館といった「企業館」など、各国・各企業のパビリオンが立ち並び、約6ヶ月に渡り熱気に包まれたそうです。

現在、会場は万博記念公園として整備され、太陽の塔をはじめとしたいくつかの名残を感じることができます。今回紹介する「EXPO’70パビリオン」は、そんな万博の記念館として万博記念公園内に2010年にオープンしました。

この記念館は、もともと万博のパビリオンの一つ、日本鉄鋼連盟が出展した「鉄鋼館」を改修して造られています。1階が無料ゾーン、2階が有料ゾーンとなっており、万博当時の写真や模型など様々な展示が広がるミュージアム。万博を経験している世代には懐かしく、知らない世代にはレトロで新鮮な内容です。

■別館も建設中!?
EXPO’70パビリオンでは、隣接する形で別館を建設中!太陽の塔の初代「黄金の顔」、塔内部で展示されていた恐竜「トラコドン」の模型などが展示されるそうです。※オープン日程については、まだ正式には発表されていないようです。

万博全体が見える模型

入館者を出迎えるのは、シンボルゾーンの1/200模型。太陽の塔の黄金の顔は光輝き、近未来を感じさせる仕上がりです。

今は撤去されてしまった太陽の塔にかかる大屋根も見ることができます。大屋根をデザインしたのは世界的建築家の丹下健三。この模型もまた、彼がプロデュースしたものであるそう。

さらに館内を進むと、大阪万博会場全体の1/300ペーパークラフトも見ることができます。各パビリオンはその見た目も個性的。巨大な遊園地のような姿に、模型であってもワクワクしてしまいます。

こちらのジェットコースターはダイダラザウルス。5つのコースは同時にスタート、さらに同時にゴールするという仕組みであったそう。その仕組みはもちろん、ネーミングセンスもユニークです。

詳しく学べる様々な展示

立体の展示はもちろんですが、当時の映像・写真や読み物系パネルもじっくり見ていくと非常に面白いです。

例えば「万博見学の七つ道具」。日中に長蛇の列に並ぶことを踏まえて「サングラス」「帽子」、さらには「折り畳み簡易イス」なども重要であったようです。

壁一面に描かれているのは、万博に関連する様々な数字。「入場者数6,421万8,770人」を中心に、コインロッカーの数や、排出されたゴミの量などから、万博の規模が伝わるユニークな展示です。

中でも気になったのは「迷い子」その数なんと48,139人!!さらに「結婚」は55組!!「出産」は1人!!どんなドラマがあったのか、想像するだけでも楽しいです。

壁一面に貼られているのは各パビリオンのパンフレット。国旗をあしらったシンプルなものから、趣向を凝らしたものまで様々なデザインで目を引きます。

壁に吊るされた各パビリオンの写真。「象牙海岸館」「住友童話館」「フジパン・ロボット館」など、インパクトあるネーミングのパビリオンの実態を知ることができます。

音楽堂であった鉄鋼館

この建物は前述の通り、鉄鋼館というパビリオン。鉄鋼館とは、どのような展示があったのでしょうか。

鉄鋼館は、日本鉄鋼連盟が出展したパビリオン。何か金属が展示されていたのかと思いきや、テーマは「鉄の歌」。当時最新の音響システムが導入されたスペースシアターを中心とした音楽堂であったのです。

そのスペースシアター、ミュージアムとなった現在も残っております。入場することはできませんが、通路よりガラス越しで見学することが可能。

このシアターは、高さ約17メートル、一辺約40メートルの音楽堂。日本の現代音楽家である武満徹をプロデューサーに迎えて造られました。

照明が暗くなったり、カラフルなライトアップも行われています。訪問した際は、ギリシャの現代音楽家ヤニス・クセナキスの楽曲「ヒビキ・ハナ・マ」が流れていました。

さらにホワイエには、「鉄の歌」を表現するための楽器彫刻も展示されています。

全部で16基つくられたという楽器彫刻、そのうち2基は実際に触ったり叩いたりして音を奏でることができます。万博当時、来場者もさわることができたという楽器彫刻。きっと50年前もこのような音が響いていたのかなと思うと非常に感慨深いです。

アクセスと営業情報

大阪モノレールの万博記念公園駅より徒歩15分、公園東口駅より徒歩12分ほど。

開館時間 10:00~17:00
休館日 水曜
料金 210円
公式サイト https://www.expo70-park.jp/facility/watchlearn/other-07/

※掲載の情報は2023年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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