芥川のサカナとかわいそうな名前の虫『あくあぴあ芥川』(高槻市)

大阪府

芥川(あくたがわ)に暮らす生き物や、周辺の自然をテーマにした自然博物館&水族館。淡水魚専門ですが、飼育生物のバリエーションは豊か。展示内容も充実しており、大人でも学べることは多いです。

訪問日:2021/9/24(金)

無料で入れる水族館

芥川緑地にある小さな水族館あくあぴあ芥川。正式名称は高槻市立自然博物館という、入館無料の施設です。

入口のゲートを進むと展望スペースが広がります。テーブルと椅子があり、休憩しているおじいちゃんおばあちゃんがたくさん。ここからは高槻の町並みと、この水族館のメインテーマである芥川や摂津峡、ポンポン山が見渡せます。

駐車場から向かった場合、屋上が入口。階段を降りていくと、3階、2階、1階へと繋がります。展示室は2階と1階の2フロア。ざっくりですが、2階が水族館、1階が自然博物館、といった内容になっていました。

芥川のサカナたち

スラッとしているタカハヤ。芥川では、上流の山の中に暮らしています。近縁種のアブラハヤとそっくりで、体形や顔つきはほぼ一緒。細かい違いや生息域で見分けることができるようですが、なかなか難しそうです。

キラリと光るコウライモロコ。川底付近を群れになって泳ぐのが特徴的。警戒心が強く、人が近づくとかなりスピーディーに泳ぎ回ります。近縁種のスゴモロコとそっくりで、体形や顔つきはほぼ一緒。細かい違いで見分けることができるようですが、なかなか難しそうです。あれ、さっきも同じこと書いた気が・・・日本の淡水魚ってそっくりさんがいる確率めっちゃ高いです。

少々面長のルックスのゴクラクハゼ。体に青いドット柄があり、光が当たるとキラキラしてなかなかキレイ。やっぱりですが、近縁種のカワヨシノボリとそっくり。ただし、頭が大きめなことと、眼のすぐ後ろからウロコが生えていることなどで見分けられるそうです。

たくさんのカメさん

おさかな以外の生き物も飼育されております。中でも目を引くのがカメ!こちらは、つぶらな瞳がかわいらしいニホンイシガメ。名前の通り、日本の固有種。ちなみに「ゼニガメ」はこの種とクサガメの幼体を指していることが多いそうです。

スッポンに似ているけど非なるスッポンモドキ。手足がウミガメのようなヒレになっているのが大きな違いです。気性もスッポンとは違って大人しく、噛み付いてくることはないそうです。

巨大なカミツキガメ。名前の通り噛み付いてくる攻撃的なカメ。ペットとして飼われていたものが自然に放たれてしまい、外来種としても有名な種類です。池の水を抜くとよく出てきますね。

不思議な芥川

芥川は、大阪府高槻市と京都府亀岡市の間にある明神ヶ岳を源流とした河川。高槻市の中心を北から南へと流れていきます。

普通の河川は上流・中流・下流と順番に呼び名がありますが、この芥川はちょっと異なっており、上流・中流・上流・中流と不思議な分け方がされています。

そもそも流域の分け方は上中下と順番に分けるだけでなく、「上流=川幅が狭く急な流れ」、「中流=川幅は広く速い流れ」、「下流=川幅は広くゆるい流れ」といった具合にその環境によって分けることもあるそう。

そのため、山間部→盆地→峡谷→市街地と流れる芥川は、上流→中流→上流→中流となるのです。また、その後は淀川という琵琶湖から大阪湾に流れる大きな河川に合流するため、下流は存在しないのです。

氾濫がコワイ天井川

さらに、この芥川は周りの土地よりも川底の位置が高い「天井川」となっているところがあります。

「堤防をつくる→土砂が溜まって川底が上がる→さらに堤防を高くする」、といった行程を繰り返した結果、周囲の住宅地よりも高い位置を流れるようになったそう。

そのため、もし氾濫した場合、その被害は甚大になります。そんな水害対策として考えられたのが「番田井路」。川の下を流れる排水路で、江戸時代の慶安4年(1651年)に高槻藩によって考えられました。(「番田井路」の読み方がわからないのですが、おそらく「ばんだいじ」かと・・・)

現在は鉄の水門が作られており、さらに大型ポンプを備えた排水機場・ポンプ場が11箇所に設置され、人々の暮らしを守っています。

高槻の自然とかわいそうな虫

高槻市立自然博物館の名前の通り、高槻の自然に焦点を当てたフロアもあります。昆虫標本や剥製、わかりやすい展示パネルでなかなか見応えがあります。高槻市って市街地のイメージが強かったのですが、かなり豊かな自然があるのですね!

市内にポンポン山という自然豊かな山があるのですが、その名前を冠した昆虫がこちら!

その名も、ポンポンメクラチビゴミムシ!!

ゴミムシという、ただでさえかわいそうな名前ランキング上位に食い込む種類なのに、チビ、メクラとさらなる追い打ち。そして、リズミカルなポンポンという単語がプラスされたなんとも言えないコミカルなネーミング。たぶんですが、一生忘れない気がします・・・!

アクセスと営業情報

JR高槻駅からバスで約15分のバス停《南平台小学校前》下車後、すぐ目の前。もしくは、JR摂津富田駅からバスで約15分のバス停《北南平台》下車後、徒歩10分ほど。

駐車場は1時間100円、最大400円でした。

開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜、年末年始
料金 無料
公式サイト http://www.aquapia.net/

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